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虹色仮面 通信

神出鬼没なオッサンが毎日感じたことを取り留めなく書き連ねます

地デジへの経緯②

2009-12-10 07:11:00 | メディア
昨日の続き。

インターネットは21世紀の社会に根付き、我々の生活をより便利なものに変えていくだろう。
従来のテレビは、テレビ局が情報を持ち、受身の視聴者に送るだけだったが、インターネットでは、誰もが対等で双方向の会話を行うことができる。そして、インフラとそこを通る情報が分離できる。
ネットワークは中心とした単なるパイプだが、どんなデータでもパケットにすれば送れてしまうため、自由なコミュニケーションができる。
そして、無線LANと基地局をつなぐだけで可能になる無線インターネットの登場で、帯域のあいているところ、つまりブロードバンドをパケット通信で自由に使う事ができ、桁違いの通信速度が実現できる。

ただ、現状において多くのテレビ局は、インターネット放送を拒んでいる。
これを行うにはデータを一度パケットに加工しなければならないが、内容が加工される可能性も孕んでいるし、違法にコピーされるかもしれない。さらに、県域放送の原則が崩れる可能性があると懸念していると言われている。

しかし、本音はインターネット放送によって、伝送が通信ネットワークで行われるようになると、電波の免許で守られている独占状態が崩れることになるのを恐れているのだろう。

さらに、インターネット放送は(放送事業者による)本来の放送ではないとされるため、著作権の処理がかなり複雑になる。
ちなみに映画の場合、1本につき約100人の権利者がいると言われる。
テレビのように一括で契約できないとなると、大変な面倒になることが予想される。

これまで、通信・放送・コンピュータなどに分かれていた業界の垣根がインターネットによってなくなり、インフラとコンテンツを垂直に統合する放送局という業態もあと5年くらいで消滅したり、大きく変化していることが予想される。
この変化は放送業界の既得権を侵すようにも見えるが、制作能力のある放送局にとってはチャンスでもある。
今、ブロードバンドが直面している最大の問題は、その大きな帯域を使って流すコンテンツがないこと。そして、テレビ局がインターネットを使えば、インフラに投資しなくても全世界に配信する事ができるのだ。そうすれば、地デジ施行後のテレビのあり方そのものが、根本から見直されているだろう。

ただ、2011年7月の地デジ移行が、幾分先延ばしされるように思えてならないのだが。