産経新聞より。
通勤・通学ラッシュの時間帯になると、混雑する駅や、週末の百貨店のエスカレーター。どんなに混んでいても、歩いて昇る人のために片側を空ける場合が多い。だが、歩いて昇る人が追い抜きざまに他の人と接触して転落などの事故が起きる危険が大きい。鉄道各社などは2列で立ち止まって乗るように呼びかけているが、あまり定着していない。なぜだろうか。
平日の夕方、南海電鉄難波駅(大阪市中央区)のエスカレーター前には、人だかりができていた。本来は2列に並んで乗るところを、歩いて昇る人のために左側のスペースを空け、右側に一列に並ぶからだ。大阪府東大阪市の男子大学生は「利用者には急ぐ人と急がない人が両方いるから、片側を空ける方が合理的だ」と話す。
一般社団法人日本エレベーター協会が平成30年度にインターネット上で行ったアンケートでは、「エスカレーターを歩行することがある」と回答したのは81.8%を占める。歩く人が多いから、おのずと片側を空けて乗る人も多い。
担当者は「エスカレーター上で歩くと、他の人と接触して転落することもあり、非常に危険だ」と訴える。
同協会に加盟する施設のエスカレーター事故は増加傾向にあり、25~26年は1475件。うち段上での転倒が半数を占める。同協会は30年に全国51鉄道事業者などと片側を空けずに手すりにつかまって乗るよう呼びかける活動を行っている。だが、担当者は「なかなか浸透しづらい。ルールとして強制することもできないし…」と明かす。
こうした呼びかけが定着しないのはなぜか。エスカレーターの歴史やマナーに詳しい江戸川大名誉教授(文化人類学)の斗斗鬼正一さんは「こうしたマナーが呼びかけられるようになったのは、最近のこと」と説明する。
斗鬼さんによると、エスカレーターが日本で初めて登場したのは、大正3(1914)年に開催された東京大正博覧会。その後デパートなどで導入されたが、昭和30年代ごろまでは「楽しみながら乗るもの」だった。やがて高度経済成長からバブル期にかけて効率が求められるようになり、歩いて昇る人が増えた。海外からの影響もあるという。平成の初めにかけては、片側を空けて乗るよう呼びかける鉄道会社も複数あった。
だが、エスカレーターの片側通行は利用客が片側に集中するため、輸送効率が落ちるという側面も。斗鬼さんは「速く歩いてのぼりたいという効率重視で始まった片側通行なのに、実は非効率になっている」と指摘する。
時代が変われば、マナーも変わる。斗鬼さんはエスカレーターの片側通行に関して「日本人は他の人がやっていることに対して同調性が高いので、おかしいと思っていてもなかなかやめられない」と分析。その上で「高齢化社会を迎え、これからは弱者への配慮が求められる時代。東京五輪などに向けて、一人一人が自覚を持ってマナーを守り、2列に並ぶといった新たな文化を発信していってもいいのではないか」と話している。<了>
急に変えようとしても、なかなか定着させるのは難しい。だったらエスカレーターを新設や交換する場合、1人しか乗れないもの(1列仕様)にするのも一手ではないだろうか?
また急ぎたい人は階段で上がるとかするしかないだろう。個人的には身体が軽くなったこともあり、階段でスイスイ上る方が速いし、身体のためにもいいから、急ぐときはエスカレーターには乗らないようにしています。
都内の大きなターミナル駅などはエスカレーターが常に混雑しているため、積極的に階段を利用してますね。
早晩どうなることではないと思うので、時間をかけてじっくり取り組むしかないでしょうね。