buriのフリーランスな日々 

東京武蔵野、赤松や桜、ドングリの木々に囲まれて育ち、原宿で青春をすごした後、中国と深く関わったburiのメモブログ

一見凡庸、、、

2011年01月02日 | 授業
上海から長男がお正月を過ごすため、戻ってきました。
中国は旧正月を祝うため、1月の休みは3日間だけ、+3日間自主休講です。

長男は21歳。
上海の大学で交換留学生として中国語を学んでいますが、
この大学の日本語学科2年生の作文の授業の先生(1週間に1コマ)でもあります。

実は最初は日本語科のアシスタントを1年間する、ということで
寮費が無料になる、とのことでした。
でも、上海の大学に着き、担当の先生のところに行ってみると
『はい、これがあなたのクラス、よろしくね。』と
20名の学生を任されたのだそうです。

この話を聞いて、日本の大学の長男を指導している教授は憤慨していました。
『中国語を学びにいったのに、教師なんて、、、』

去年のクリスマス、長男を上海に訪ねた時、日本語科の責任者の
A教授に挨拶をしました。
私としては大学2年生の長男が1年間日本語の教師を有名な大学でできるなんて
すばらしい(すばらし過ぎる)経験だと思うのです。

長男の話ではA先生は「ぼーっとしてる。緩い感じ。」との話でしたが、
確かにとっても穏やかな先生です。
でも、名刺をいただくと、中国の北京大学の出身で博士です。
日本の大学院でも研究員として研鑽を積んだ方です。

「留学生は留学生楼で中国人学生と交流することもなく、外国人の中だけで生活していますよね。
せっかく中国に来たのにもったいないと思うのです。
以前、日本の学生が留学を終えて帰国する時、ほとんど中国人の友だちができなかった、と言って
いたのが、心に残ります。
自分も日本にいた時、日本人と大学以外で交流する機会がとても少なかった。
だから、◎◎くん(長男の名前)たちには、中国人と交流する機会をどうにか作ってほしいと
思っているのです。」


このように、先生は話してくれました。

鋭いところをついていますよね。
さすがに留学の経験のある先生です。
実はこれは日本に留学している留学生も同じような感じですから。
特に内向的な留学生は、なかなか日本人と交流することができません。
家でも電話で中国語、学校では授業以外中国語、アルバイト先ではマニュアル的な会話だけ、
じゃ、いつ日本語を使うの?ということになってしまいます。

一見凡庸に見えるけれど、A先生の正体は、たいした先生、だということです。
息子は日本でも中国でも、いい先生に出会っています。







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写真は古い上海、新しい上海