文屋

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●「中の碑」の一部を抄録してみます。

2006年03月16日 10時38分41秒 | 詩作品

昨日書いた詩を、一部、抄録します。




フラトレス  (部分)



とおい縁があって永くしゃがんでいたから、もう四脚は
退嬰していって獣に戻っている。
遠吠えしている、大きな影の塊。
わたしの胎と誰かの胎の繋がりが、
抜けていく音(ね)。
旋律、光線の音が、月と堕ちる。
やみの夜(よ)の音(ね)の、不具。
片割れの、語彙のつながられかたの
小山のいただきに吹かれていた。

音(ね)は、糸(シ)にしばられ、括られ。
もげるだけにまかせて
水の泡、どこまで鉄道にのったの。

指は、兄妹ではないのか。




アルボス  (部分)


   背地へつねに背地へ、蔓の春寒
   人悔いて、しゃがみつつ脚、垂直に
      火を放たれた樹は、思いのほか低木で、
這うひとがたで

   まなこの朱、閉じ
燃え、さかる、さなかの森を水平に抜けていく

鎮火した地は、冷えて
ただ一本の樹が、緑葉に陽を照らしている。
さかしまの水平に、平行に

断続の、
断続の、


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