ぶらっとJAPAN

おもに大阪、ときどき京都。
足の向くまま、気の向くまま。プチ放浪の日々。

ボストン美術館の至宝展【神戸市立博物館】

2018-01-10 21:45:13 | アート

傾いててすみません

神戸市立博物館で開催中のボストン美術館展に行ってきました

ゴッホ目当てだったのですが、アジアからヨーロッパ、そして古代エジプトから村上隆まで、まさに古今東西の幅広い芸術品を一挙に観られてとても面白い展覧会でした。

古代エジプト品は精巧な技術と装飾品の豪華さがスゴイ だいたいBC2900年ってどんだけ昔よ! と心の中で突っ込みまくりです。調べたら日本なんてまだ縄文時代。同じ時期にこれほど豊かな文明があったなんて信じられません。オリックスをかたどった壺や王様の顔など見事な写実は優れた道具と技術があってこそのもの。それを支えるのは潤沢な資金ですよね。生活レベルもさぞ高かったのでは(一部の上流階級だけかもしれませんが)。

ハーバード大学と共同で発掘したそうですが、土の中からこんなものが出てきたら夢中になるのもわかります。最初の展示ということもありましたが、この日もエジプトコーナーが一番混雑していました。 

日本美術もめぼしい作家はひととおり揃う充実のラインナップです。仁清の香合や乾山の角皿、絵画は酒井抱一から蕪村、司馬江漢などなど、どれも名品でコレクターのセンスが光ります。教科書にも出てくるフェノロサやモースが実際に日本を訪れたときに地道に蒐集したそうですが、どういうところに魅かれたのか、とても興味があります。当時の日本人自体にもどんな印象を持ったのでしょうね。個人的には渋めの鼠志野がお気に入りでした。 

そして、本展覧会の目玉の一つが英一蝶の『涅槃図』です。芭蕉や其角と交流もあり、吉原で幇間(!)もやっていたというその人生に興味ありの画家です。

劣化が進んでいたのでこの度の里帰りに合わせて1年かけて修復され、その様子がビデオで紹介されていました。

ありとあらゆる人間や動物が一堂に会する涅槃図は作家の腕の見せ所であり、またそのモチーフから、作者自身の深い思い入れと祈りがこめられていると思うのですが、それを日本人でない方たちが大事に保管、修理してくださるのは同じ日本人としてうれしいですね。 

ヨーロッパは印象派を中心にこれもまたいい絵が揃っていました。全体的に美しい景色と静謐な空気が感じられるもので、ハンバーガーやディズニーランドのイメージが強いアメリカでこんな絵が人気を得たことが少し意外でした。

ゴッホは肖像画が2点。郵便配達人はゴッホにしてはおとなしめですが、表情やたたずまいからゴッホがこの人物を愛していたことが伝わってくるし、一方、ルーラン夫人ゴッホらしい鮮やかな色づかいで、その温かい人柄を偲ばせます。穏やかなゴッホが感じられて、きっとこの2人といる時間はとても幸せだったんだろうと拝察します。 

現代美術はあまり詳しくないので、今回初見の人が多かったのですが、個人的には良かったのは版画。質感の荒さや濃淡のメリハリなど、作り手の自由度が写真よりも反映される気がして、リアルとは少しずれた景色にイマジネーションが広がって見飽きません。

アンディ・ウォーホルのジャッキー(ジャクリーン・ケネディ)が展示されていました。ヘンな言い方ですが、やっぱりアートなんだなって思いますね。色をのせた白黒写真の肖像画を2枚並べているだけなんですけど、『アート』なんですよ、これが。この感じわかっていただけるでしょうか。さすがウォーホル。素晴らしいセンスです。

 

神戸市立博物館はいつも楽しみな記念写真コーナー。今回のテーマは『涅槃図』。

集まった動物たちがそれぞれ棒つきの切り絵に加工されていて、これを持って撮影できます。動物たちに紛れて絵の一部になってくださいという意図でしょうか。

これが…。

こうなる(笑)。 

入滅の現場ということを考えれば、笑顔というのもちょっとはばかられる気もします。でも動物たちが可愛いので、皆さん撮影時はやはり全開のスマイル^^

ま、そうですよね

この展覧会の後、神戸博物館は改修のため休館になります。けっこう来てるのでちょっと寂しいですが、念入りに館内を鑑賞して帰りました。

しばしのお別れ。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

神宗(かんそう)のディスプレイ

2018-01-06 18:51:33 | アート

亡霊ではありません。

年が明けて約1週間。お屠蘇気分も抜けて来たころですが、大阪・高麗橋に本店がある老舗昆布屋『神宗』では、まだお正月らしいディスプレイが残ってました。

ガラケーしか持っておらず、しかも夕方でピントがあってませんが

近代ビルのなかにすっぽり江戸時代のお店が入りこんだような不思議なところです。ふだんは振袖のいとさんが蔵から顔を覗かせているのですが季節に応じてディスプレイが変わります。

個人的に気に入っているのは何といっても天神祭の時に展示される『夏祭浪花鑑』。

以前このブログでも紹介しましたが、油照りの夏の気分をぐっと盛り上げてくれます。

他にもディスプレイがあるのでしょうか。定点観測してみたいと思います

おすすめは煮汁ソフトクリーム

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

Super Moon 2018

2018-01-02 20:56:45 | つぶやき

 

このところ定点観測な記事ばかりですが、お正月と思ってご容赦を。

今年のスーパームーンは年明けて2日目に早くもやってきました。私の望遠レンズでは非力すぎるので、デジタルテレコンというモードを使って機械的に望遠をさらに倍。(若干画質は劣るので微妙なところですが。。。)

月見と言えばすぐに思い浮かぶのは桂離宮の月波楼と銀閣寺の向月台ですが、残念ながら現在はこれらで観月はできません。でも、京都の寺社には秋に観月祭を催すところもたくさんあるようです。

中秋の名月はそういう名所での観月にトライしてみたいです

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

百代の過客(はくたいのかかく)

2018-01-01 10:00:42 | つぶやき

いちおう、犬です

「月日は百代の過客にして行かふ年もまた旅人なり」

学生時代はさっぱりだった松尾芭蕉の言葉も、実感を伴って味わえる歳になってきました。

私がぶらっとする動機も、芭蕉がおくのほそ道へ旅立った理由も、きっと同じものだと感じています。

生涯旅を続けることは憧れであり目標でもあります。

今年も「あ、ここ行きたい!」と思ってもらえるようなブログを書いていきたいです

あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします

コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする