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ハナノキ・12~高木

 将棋の竜王戦七番勝負は藤井八冠が4連勝でタイトル防衛を果たし第5局以降は行われなかった。そのため第5局が予定されていた香川県琴平町では藤井竜王の祝賀会を開催し、竜王は"ことでん(高松琴平電気鉄道)”に乗り込み運転操作や車掌体験を楽しまれた。
 竜王の鉄道好きは有名で、北海道小樽市で開催された竜王戦第4局(11月10~11日)での勝利会見で『勝利のご褒美は?』と聞かれると『"山線”に乗りたい』と"乗り鉄”らしい言葉が返ってきた。"山線”とはもちろん東京都心の山手線ではなく函館本線の長万部~小樽間(140.2キロ)の通称。函館本線は明治時代に開通した道内最古の主要幹線で"山線”はなるべくトンネルを掘らずに自然に逆らわず谷間をクネクネと進んでいく。長万部を出発すると二股、黒松内、熱郛、上目名(1984年廃駅)、目名、蘭越、昆布、ニセコ、比羅夫、倶知安、小沢、銀山、然別、仁木、余市、蘭島、塩谷を経由して小樽に至る。"山線”の車窓からは自然豊かなシラカバ、エゾマツ、トドマツなどの原生林や蝦夷富士(羊蹄山)を見ることができる。
 1970年頃までは函館から札幌に向かうにはこの"山線”がメインで、急勾配、急曲線を進む蒸気機関車C62形が重連で引っ張る急行ニセコは花形列車だった。しかし札幌~室蘭が電化され特急ライラックが登場すると、長万部から海沿いに進み室蘭を経由して札幌に向かう室蘭本線・千歳線ルートいわゆる"海線”が、距離的には30キロ以上も遠回りになるが次第にメイン路線になっていった。"海線”には観光地の登別、工業都市の苫小牧、空港に近い千歳などがあり沿線人口がどんどん増えていった。
 北海道新幹線は2016年に新函館北斗まで開業し2030年度末に札幌までの延伸を計画している。そのルートは距離が短い"山線”に近いルート(新函館北斗ー新八雲-長万部-倶知安-新小樽-札幌)になるため完成後は並行在来線の"山線”は残念ながら廃止される運命にある。
 私は高校時代に"山線”を急行で往復し大学2年の時にはこの路線沿いの国道5号線を自転車で登って行った。ニセコのユースホステル、羊蹄山の雄姿、余市のニッカウヰスキー工場など思い出は多い。藤井竜王が"山線”に乗りたいという気持ちは同じ鉄道ファンとして非常に良くわかる。私も"山線”が廃止される前にもう一度乗ってみたいと思っている。
 閑話休題。写真は南大沢八幡神社横の松木日向緑地に生育している「ハナノキ(花の木)」。ムクロジ科(←カエデ科)カエデ属の落葉高木で樹高は15メートルはありそうだ。ハナノキは雌雄異株でこの樹は15年前に低い枝に雄花が咲いているのを確認しているので雄株だとわかっているが、今では高くなり過ぎてとても雌雄の区別は出来ない。
コメント ( 8 ) | Trackback ( )
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コメント
 
 
 
乗り鉄 (keitann)
2023-11-28 22:29:46
こんばんは。

藤井八冠が琴平に来られていると、昨日初めて知りました。
当地のローカルニュースで、藤井さんが琴電の車掌を体験されている様子も流れましたよ。
鉄道ファンでいらっしゃるんですね。

函館~札幌間は私も1974年の北海道での夏合宿時に国鉄を利用したのですが、山線とやらに乗ったのかどうか?
羊蹄山が見えたような記憶はありますが。
いかめしも買ったような?
懐かしい思い出です。
 
 
 
Unknown (YAKUMA)
2023-11-28 22:40:56
琴電の体験、藤井八冠は嬉しそうでしたね。
北海道の鉄道は衰退していますね。
大変な思いをして鉄路を切り開いたのに、終わるのは一瞬ですね。
 
 
 
山線の話に引き込まれて (地理佐渡..)
2023-11-29 06:19:28
おはようございます。

当方は鉄道ファンではないですけど、
好きな人にはたまらない話でした。
花の木という種の紹介記事なのにすっ
かり鉄道話。良いですねぇ。
 
 
 
keitann様 (多摩NTの住人)
2023-11-29 08:03:16
コメント有り難うございます。琴平で対局が無かったのは残念でした。藤井八冠は強過ぎますね。1974年頃ならまだ山線がメインだったと思います。いかめしは森駅名物で長万部のまだ手前ですね。
 
 
 
YAKUMA様 (多摩NTの住人)
2023-11-29 08:05:14
コメント有り難うございます。藤井八冠の鉄道好きは有名ですね。北海道の路線が次々に消えているのは残念です。
 
 
 
地理佐渡.様 (多摩NTの住人)
2023-11-29 08:06:10
コメント有り難うございます。ハナノキとは無関係でしたがホットなニュースを紹介しました。
 
 
 
Unknown (フクジイ)
2023-11-29 08:14:24
多摩NTの住人さん
おはようございます
藤井八冠が"ことでん(高松琴平電気鉄道)”に乗り込み運転操作や車掌体験を楽しまれた様子は、ニュースで報道されていましたね
私は、4年間高松市に単身赴任していた際、琴電は、何度か利用させていただきました
都心の12両編成といった列車ではなく、マッチ箱のような2両編成が多かったことを覚えています
のどかな雰囲気で良かったです
ハナノキは、確か新宿御苑にもありましたね
紅葉した状態は、見ていますが、まだ花には出会えておりません
 
 
 
フクジイ様 (多摩NTの住人)
2023-11-29 08:26:01
コメント有り難うございます。藤井八冠はどこでも大歓迎されていますね。ハナノキは高木になるので小さな花がなかなか見られませんね。
 
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