元サラリーマンの植物ウォッチング第5弾。写真はクリックすると大きくなります。
多摩ニュータウン植物記Part5
オオイタビ・4~雌雄

右の雄株の花嚢の下部に見える白い粒々が雄花で、上部の紅色のものが雌花になる。ここにオオイタビコバチが侵入し雌花の子房に産卵して幼虫が成長していく。雄株の雌花は種子を作ることなくコバチの幼虫の餌としてのみ存在している。ここで羽化した翅を持つ雌コバチの成虫が産卵のために写真の下部から外に出ていく。そして雄花の部分を通過する時に身体が花粉まみれになる。外に出た雌コバチが別の新しい雄株の花嚢に入れば、上記の仕組みで成長サイクルを繰り返す。
一方、左の雌株の花嚢には雌花があるだけで雄花は無い。ここに雌コバチが入って雌花に産卵しようとするが、実は雌株の雌花は花柱が長く雌コバチの産卵管では子房まで届かず産卵できない。しかしその雌コバチの身体には花粉がたくさん付いているためそれによって雌花が受粉し果実が稔る。雌コバチは産卵できずに受粉の手助けをするだけでそこで一生を終える。
以上のことから雄株の果嚢は食べることはできず、雌株の果嚢は熟すと食べられる。
(オオイタビの花やコバチの生態などについて、手持ちの図鑑やネット検索ではなかなか詳しく書かれているものが無く、上記はあちこちの断片的な情報をかき集めてまとめたもので、もし間違いがあればご指摘願いたい。)
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