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オオイタビ・4~雌雄

 クワ科イチジク属の「オオイタビ(大崖石榴)」。茎から出る気根で岩や樹に固着して拡がっていくつる性常緑木本で雌雄異株。写真は花嚢を割ってみたもので、右の2つが雄株の花嚢で左の2つが雌株の花嚢のようだ。もしかしたら左も雄株で雄花の成長途上かも知れない。
 右の雄株の花嚢の下部に見える白い粒々が雄花で、上部の紅色のものが雌花になる。ここにオオイタビコバチが侵入し雌花の子房に産卵して幼虫が成長していく。雄株の雌花は種子を作ることなくコバチの幼虫の餌としてのみ存在している。ここで羽化した翅を持つ雌コバチの成虫が産卵のために写真の下部から外に出ていく。そして雄花の部分を通過する時に身体が花粉まみれになる。外に出た雌コバチが別の新しい雄株の花嚢に入れば、上記の仕組みで成長サイクルを繰り返す。
 一方、左の雌株の花嚢には雌花があるだけで雄花は無い。ここに雌コバチが入って雌花に産卵しようとするが、実は雌株の雌花は花柱が長く雌コバチの産卵管では子房まで届かず産卵できない。しかしその雌コバチの身体には花粉がたくさん付いているためそれによって雌花が受粉し果実が稔る。雌コバチは産卵できずに受粉の手助けをするだけでそこで一生を終える。
 以上のことから雄株の果嚢は食べることはできず、雌株の果嚢は熟すと食べられる。
(オオイタビの花やコバチの生態などについて、手持ちの図鑑やネット検索ではなかなか詳しく書かれているものが無く、上記はあちこちの断片的な情報をかき集めてまとめたもので、もし間違いがあればご指摘願いたい。)
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キセルアザミ・2~果実

 キク科アザミ属の「キセルアザミ(煙管薊)」。秋に下向きの花を咲かせ茎にはほとんど葉が無いので全体の様子から“煙管”に見立てて名付けられている。花後は上向きになって果実を稔らせる。果実は長さ4~5ミリの痩果で先端に長さ1センチほどの冠毛がある。
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