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1日1冊108円・・・・・・最近そうでもない。

ヤクザに学ぶ指導力 山平重樹 2003年5月30日 幻冬舎

2015-05-23 09:59:50 | 仕事
組織を強くするのも弱くするのも、存続させるのも滅ぼすのも親分次第。苛酷なまでに指導力が問われるヤクザ社会におけるリーダーの役割と存在とは? リーダーと組織のために命すら投げ出す部下を育て上げるヤクザ独自の指導力を徹底解明! 現代人必読の実用的エッセイとしてビジネスマンに熱狂的に支持された『ヤクザに学ぶ』シリーズ第二弾。
裏表紙より。
「ヤクザ」というと、狙う相手と間違えて無関係な人を殺したとか・・・住宅街で発砲したとか・・・ま、そういうしょうもない話しか聞こえてこない訳ですが・・・?
見せてもらおうか、『ビジネスマンに熱狂的に支持された』『現代人必読の実用的エッセイ』の中身とやらを!




 ヤクザ社会をよく知る周辺筋の間で、昔からよく囁かれてきたジョークがある。
「ヤクザ組織のシステムと統制ぶり、組員の忠誠ぶりをそのままビジネス社会で展開したら、たちまち業界一のトップ会社になるだろう」
 それは必ずしも与太話ではなく、ある意味で真実をついているかも知れない。それほど強固な組織力を誇っているのが、ヤクザ組織である――というわけだ。
ほうほう・・・
「頭痛が痛い」みたいな部分は置いておいて、『強固な組織力』は気になりますな。

 親分や代紋のためには長い懲役も辞さないし、場合によっては死ぬのも辞さない。それらすら、ヤクザは"仕事"と腹を括っているフシがあるのだ。
 この親分子分の絶対の信頼関係が何より強い組織を生み出す原動力になっているわけである。
 上に立つ者に対する信頼感が組織力を決定する――とは、何もヤクザ社会に限らず、ビジネス社会にも通用する原理であろう。実際、すばらしい業績を上げているセクションでは、上司に対して部下が強い信頼感を持っているといわれる。
『上に立つ者に対する信頼感が組織力を決定する』ことは『ビジネス社会にも通用する原理』なのは確かだろうけど・・・
「法より会社」とか「死ぬ」とか、本当にそういう禁じ手でしか成り立たないのかと聞きたい。

「カコイイ親分」がいっぱい出てくる本だけど、「親分のためになるからと法を破ったり死んだりする連中」は全然カッコ良くない、と思う。


第一章 部下を育てる指導術
――ヤクザは若い衆をどう育てているか

一 部屋住みという新人研修システム

 いまではめっきり廃れてしまったが、ヤクザ社会には入門してきた新人に基本中の基本を叩きこむ研修制度ともいうべき"部屋住み"修行というもんがあった。
 俗に「メシ炊き三年、雑巾がけ五年」ともいわれたように、親分の家に住みこんで、掃除、炊事、洗濯、使い走りなどをしながら、礼儀作法や稼業のことを覚えていくのだ。長い年月をかけた、この部屋住み修行を経て、初めて盃をおろされるケースも多かった。
 いま上にいる親分は、大概は若い時分にこうした部屋住み修行を経てきている者ばかりといって間違いあるまい。それがヤクザにとって最も大事な新人教育システムといってよかった。
(´・∀・`)ヘェー
その『最も大事な新人教育システム』を、
住宅事情の違いとか
稼業とプライベートを分けるためとか
時代状況の変化とか
若者気質の変容とか
暴対法の施行とか
まぁ色々と理由をつけてやめちゃった訳ねー『いま上にいる親分』さん方は。

 その結果、日本社会で何が起きているか。凶悪少年犯罪が増大しているというのも、多分にその影響と感じられてならない。
ヤクザが『新人教育システム』の維持を放棄した結果『凶悪少年犯罪が増大している』のかー。
つまり全てヤクザが悪い訳ですナ・・・

少し戻りまして、今の若者についてのヤクザのコメントが次。
「昔と違って、世の中がすっかり豊かになって何をやっても食っていける時代ですよ。現にフリーター感覚で、腰かけのような気分でヤクザでもやってみるかって入ってくる若いヤツもいますからね。そんなヤツに部屋住みなんかつとまるはずがない。まして、いまの若い連中はヤクザやったって何のいいこともないって、みんな知ってますよ。ただでさえヤクザのなり手がないって時代に、部屋住みなんかやらしたら、一人もいなくなっちゃいますよ」(関東の広域系三次団体幹部)
「業界に魅力が無くて人が集まらないからそのことに気付かない無能を仕方なく使ってます」
ってことでいいんだよね・・・?

 だが、それでもヤクザ組織のなかには、いまでも昔と変わらぬスタイルで頑固に部屋住み制度を守り続けているところも存在する。
kwsk。

 一門のトップの部屋住みを十年以上にわたってつとめ、代々、トップの部屋住みに自分の若い衆を送り込んでいる名門組織の幹部がこう述べる。
「いまの若いヤツは部屋住みなんかできっこないだろうっていいますけど、逆なんですよ。小さいころから何ひとつ縛られることなく、自由奔放に育ってきてるヤツは、逆にそういう枠にはめられたがってるんですよ。部屋住みを生き生きとこなしてますからね。いままで何をしたいのか、何をやったらいいのか自分でもわからなかったのが、求めていたものがやっと見つかったような気がするって、いいますからね。だから、逆に何かに縛られたがっている、強制されたがっている若いヤツっているんですよ」
うーむ・・・
この2人、どちらも「ヤクザの幹部」なんだよねぇ。
悪貨は良貨を駆逐するなのかしら。



二 往生する覚悟
――逃げをうたない気持を教えよ

「自分がどんな土壇場でも往生するだけの気持は持ってるよ――という言葉を若い衆に教えるというのは、有言ですよ。そしたら、今度は自分がそれをいってる手前、いくつになったって、自分も往生できなきゃならない。ところが、人それぞれで、不言実行なんて格好のいいこというけど、不言実行というのはある意味で男らしくないと思うね。だって、不言――言葉に出さない人間は何をやろうと、普段いってないんだから、あれはオレ、いった憶えがないからやらないよ、で済むわけですよ」
 いってみれば、口にすることでギリギリのところへ自分を追いこむわけである。「吐いたツバは呑めない」というのも、ヤクザの掟であるからだ。
東海地区のY組長の「有言実行」論。
「言っちゃわなくてよかったー」が多い人(ボクを含む)には、耳が痛い話。


八 ヤクザのIT教育

 いまと違って、パソコンがそれほど普及していない時分には、冗談のような話もあったという。
kwsk。
「おい、この文章、あとでやり直すから、ゴミ箱の中に捨てておけ」
 と若い衆に命じた。
「はい、わかりました」
 と若い衆の威勢のいい答え。それを聞いて、組長は安心して出かけた。
 ところが、組長が帰ってくると、愛用のノートパソコンがない。もしや、と思って、先ほどの若い衆に聞くと、
「ハイ、いわれた通りに捨てておきました」
m9(^Д^)プギャーwwwwww
しかし今でもあり得なくはないという現実に、頭痛が痛くなる訳でしてね・・・。



第二章 部下を惹きつける指導力
――組織の命運を握るのはリーダーである

四 何よりも揺るぎない強さ、不退転の性根がなければ部下はついてこない

 少しばかり厄介な相手だからといって、筋の通らぬことに対し、一歩でも引きさがったり、安目を売ってしまえば、業界はいうに及ばず、部下の信用はたちまち失墜し、リーダー失格になるのは間違いない。そんな親分には誰もついていかないのは目に見えている。
偉い人は偉い人で考えることが多いから・・・
そこわかってて「それでも」と言い続ける奴(ボクを含む)は、ホント性格悪いよネ。

「不退というのは、退かず、といってな、正式にいえば、正しきをもって退かず。つまりだな、理にあわないことならばどんな喧嘩でもしろ、自分の信念を曲げるな、一貫して筋の通る戦いをしなきゃいかん、ということだな。要は、自分がただしという理念があれば、どんな横車を押されても私は引きませんよ、ということなんだ」
『関東の名門松葉会の創始者』藤田卯一郎氏の「不退」論。
 藤田は"軍治"の異名で一番威勢のよかったころ、ある一家に捕まった若い衆を取り返すため、何十人と居並ぶなかへたった一人で乗りこんでいったことがあった。
「おっ、来やがった」
「こいつもひっつかまえてしまえ!」
 などと、手に手に武器を持った相手連中が騒いでいるなか、肚を据えた軍治は、静かに懐からドスを取りだすや、
・・・ゴクリ・・・
「女房、子どものいるヤツはそばへ寄るなよ!」
KAKKEEEE!!!
寄らば斬るとでもいうか、空気ビリビリな感じが伝わってくる。
相手が気迫負けするのも無理ない・・・むしろ当然のように思える。

(いっぺんに襲われたらとても対処できないし、どうも相手は所帯持ち多そうだから)女房、子どものいるヤツはそばへ寄るなよ!」だと少しでも思った奴(ボクを含む)は、ドスッと刺されればいいと思うよ。


六 若い衆は宝、何が何でも守る
――という親分であればこそ人はついてくる

 若い衆が宝、子どもは若い衆だけ――という考えに徹して、「生涯自分の血を分けた子どもはつくらない」ことを実践している親分もいる。
 東北で渡世を張る某組長もその一人で、
「自分の血を分けた子どもをつくってしまうと、やっぱり自分の子がかわいいとなるのは人情でしょ。若い衆たちには私のために命を賭けさせておきながら、わが子は大事に、それこそ乳母日傘で育てるというのでは若い衆に大して申しわけが立たないですよ。自分の子どものはずの若い衆を、使い捨ての若い衆みたいにしてしまいかねない。それなら自分の子はつくるべきではないな、と。私にとって若い衆こそが、私の血を分けた実の子以上の子どもですよ。若い衆あっての親分であり、親分あっての若い衆。一心同体ですよ。情がなきゃ、親分子分なんて成り立ちません。一番大事なのは情ですね。それがなきゃ、親と子の絆もないわけですから。私の子どもというのは若い衆だけですよ」
 とまあ、徹底しているのだ。
イイ話しだナー・・・。
こういう話を聞くと、すぐ「逆」を思い浮かべるのはボクの悪い癖。



「覚悟」「往生」「徹底」などなど、事実は小説より・・・な熱のある話が多い
KAKKEEEE人の痛快な話だけ抜き出せば、そりゃ『熱狂的に支持』されるだろうなと思う。

感想まとめ
Y.M.S[ヤクザに 学ぶ 指導力]
(カタギがよく考えずに真似すると)あなたは死ぬ