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徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

こんなサイトもございます

 しばらく投稿をサボってしまったので、今回はちょっとばかり贖罪の投稿、とあるサイトをご紹介します。

その名も「 SkyVector.com Online Aeronautical Charts 」です。

SkyVector.com

航空地図には幾つかの種類がありますが、このブログでときどき紹介する Jeppesen Sanderson 社は航空地図では老舗と言えましょう。

世には航空会社が数多ありますが、そのなかのかなりのエアラインは、この Jeppesen 社のチャートをパイロットに支給したり機内配備したりしている筈です。

Jeppesen 社のチャートは IFR: Instrument Flight Rule (計器飛行方式)用のものが主流で、VFR: Visual Flight Rule (有視界飛行方式)用のチャートも出してはいるのですが、その品揃えは IFR Chart には遥かに及びません。
Boeing Electrical Flight Bag
この Jeppesen 社、現在は Boeing の資本が入り(まっ、買収された訳です)、最近のハイテク機で用いられている航法データベース( VORDME, NDB, ILS といった航法支援電波の周波数、識別符号、送信位置などが格納されており、それを用いて、ハイテク機は飛行状況(飛行機の位置)に応じて適切な電波標識を勝手に受信してくれます;勿論、パイロットが手動で設定することも可能)や、EFB: Electrical Flight Bag と呼ばれる、必要なチャートをコックピット内のディスプレイに表示させる新技術にもデータ提供をしています。
Jeppesen AWLD0141
老舗と言うからには Jeppesen 社のチャートがカバーする領域は全世界におよびます。

巡航時に用いるのは Enroute Chart です。世界を網羅する Enroute Chart を一年間差替え付きで購読するとお値段はいくらだと思いますか(本邦で購読した場合; Air Mail での送料が含まれます)?

「こちらの商品のお値段は....、ピッ、
   US$5662
 でございます(現在の為替レートで約67万円也)」

Jeppesen の Airway Manual 購読者特典?の Trip Kit と呼ばれるワンタイム(差替えは無し)で購入しても、

「こちらの商品のお値段は....、ピッ、
   US$2039
 でございます(現在の為替レートで約24万円也)」

Enroute Chart だけでこのお値段ですからね。これに Area Chart や Approach Chart, STAR, SID, Airport Diagram, Text などが含まれる、所謂 Standard サービスになると、お値段は
「 Please call Jeppesen Customer Service at 800-XXX-XXXX when ordering this particular service. 」
となり、調べることが出来ませんでした。

さて、VFR の場合、飛行中に参照するのは Sectional Chart (区分航空地図)と言われるものが一般的です。

当然、Sectional Chart もそれ相応のお値段がする訳ですが、なんと、ご紹介するサイトでは Sectional Chart がタダで見れてしまいます(対象地域は米国本土+アラスカ+ハワイだけですが)。
さらに、空港の情報も(詳細な Airport Diagram ではありませんが)気象通報式現況と共に見ることができます↓。

PHNL Airport Info

このようなサイトが存在することからして、米国の GA: General Aviation は恵まれてるなぁ、と感じてしまいます。

【重要】ただし、このチャートのデータで飛んではいけません。飛行する際は、FAA Approved の最新チャートを使用して下さい。

Flight Simulator の愛好者で米国を飛んでみよう、とか、VFR で用いる Sectional Chart ってどんなもの、という方には十分ではないでしょうか。
Comment ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
AIP (thin)
2006-11-20 21:56:32
こんばんは。はじめまして。航空関係で検索していて行き当たりました。

私もまったくの外野の趣味の範囲(仕事でもアマチュアとしても現場とは無縁)ですが、以前にAIP-JAPANのfullsetを購読していました。
購読し始めたころは月1で差し替え作業をすればよかったのが、発行方式が変わって変更当日に差し替えしなければならなくなり、しかも"minor change"と"correction of typing error"のなんと多いこと、趣味でやるには負担が大きすぎでした。新空港開港などでは、まず確実に訂正が入るので、差し替え作業の不毛な手間と紙の無駄と思ったものです。値段も年額一括払いのみで6万円くらいしましたっけ。しかも、航空管制官には使われてますがラインパイロットには使われてない(こちらはJeppesen)という・・・発行元が航空振興財団だということを考えると、何やら某省庁の監修料山分けの構造を思い起こさせます・・・というのは脱線。
webで各種のchartを見ることができるのはいいのですが、もう一歩進めて、公式の情報も紙媒体での配布ではなくPDFファイルなどの形でネット上で配布できないのかと考えてしまいます。
 
 
 
Re: AIP (PAX)
2006-11-21 18:22:36
「thin」さん、こんばんは。はじめまして。
コメントをありがとうございます。
> 変更当日に差し替えしなければならなくなり
そうそう、これは結構大変ですよね。間の青い紙が恨めしいです。
また、細微な変更や誤記訂正もおっしゃるとおりです。
Jeppesenも情報源は各国のAIPなのでしょうから、新たなprocedure等が公示されると、次回にreviseが入る確率はかなり高いです(苦笑)。
> 公式の情報も紙媒体での配布ではなくPDFファイルなどの形でネット上で配布できないのかと考えてしまいます
米国とカナダでは一部ですが、チャートがPDFで公開されてます。ただし、公式な扱いとしては非ネット媒体(紙かCD-ROM, DVD-ROM )のようです。なりすましや改ざんなどを気にしているのかもしれませんね。
 
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