徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

さらば、「 REST OF ROUTE UNCHANGED 」

 飛行機が好きな方の中にはATC、いわゆる「エアバンド」の傍受愛好者も少なくありません。

小生もお粗末な言語聴覚中枢をフル回転させて、n世代前からの傍受愛好者です。

「空飛ぶ教皇」と言われた“ヨハネ・パウロ2世”が雨降る羽田に来日したときも、テレビの生中継を見ながら、教皇の搭乗機が日本に近づき、進入、着陸の様子をリアルタイムで傍受していたことが懐かしく思い出されます。

そんなエアバンド傍受野郎にとって、航空管制用語の中で意味を理解するのに苦労した一つが、
 「 REST OF ROUTE UNCHANGED 」
のフレーズでした。

今となっては何の苦もなく聞き取れます(僭越ながら発声も出来ます)が、聞き始めた当初は、何て言っているのか悩んだフレーズで、それだけ思い入れがある管制用語です。

今週、10月26日から「管制方式基準」が改正されます。

その motivation は、『 ICAO: International Civil Aviation Organization (国際民間航空機関)基準に合わせる』であり、今回の改正でも相当の内容が変わります。

その膨大な改正項目の一つとして、
 “経路の変更に使用する用語の変更
があります。

「管制方式基準」では、
 (Ⅱ)計器飛行管制方式
   1 管制承認等
    (7) 管制承認の変更
に関わる部分です。

(b) 飛行経路(管制承認臨界点も含む。)を変更する場合は以下の何れかの方法による。
 ア.(省略)
 イ.変更部分を述べ、他の部分には変更がないことを述べる。
   ★〔変更経路〕を承認します。他の経路には変更ありません。
    CLEARED 〔ammended route〕, REST OF ROUTE UNCHANGED.
   〔例〕 Cleared via present position direct Pouting, rest of route unchaged.

管制方式基準より 太字・下線は小生


当該部分は、今回の改正により

★〔変更経路〕を承認します。(他の管制承認に変更はありません。)
 RECLEARED 〔ammended route〕. ( REST OF CLEARANCE UNCHANGED. )

となります。

もはや、日本の空で(厳密に言うと、米軍が管制を行なっている空域は除く) REST OF ROUTE UNCHANGED のフレーズは聞けなくなってしまいます。

時代の進化に感傷的になるのは歳をとった証拠ですかねぇ。

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