徒然なるままに、一旅客の戯言(たわごと)
*** reminiscences ***
PAXのひとりごと
since 17 JAN 2005


(since 17 AUG 2005)

EMIの可能性もゼロではない

 昨日の全日空1793便、第1エンジン空中停止に関する続報です。

引用記事によると、FL360? (この高度で巡航していたのでしょうか、西行きの割当高度なので FL370 だったかも知れません)から悪天回避のため高度を下げようと ALT Selecter に降下する高度を設定したら、FMS: Flight Management System により Auto Throttle がエンジン推力を絞った(恐らく IDLE まで絞ったのではないでしょうか)ところ、左側の No.1 Engine が Flame-out (燃焼が止まる)したようです。

通常に Flame-out しただけなら、上空で再始動をかけることも可能なのですが、今回は
“左エンジンの異常を示す計器表示があり (中略) 計器表示があったことから機長が運航規定に従い、再始動しないまま”
とありますので、再始動を躊躇させる何らかの警告灯が点灯したかメッセージが出たのだと思います。

“着陸後の検査ではエンジンに異常はなく、止まった原因を調べている”

とのことなので、当該メッセージは誤報であった可能性もあるのですが、現実問題として No.1 Engine は Flame-out している訳です。

当該機種は、Boeing737 と歴史の長い機種ですが、そのシリーズは -500 と、 電子化された飛行管理システムを備える第4世代機のハイテク機そのものですからね(パイロットのライセンス共通化のために、あえて機械式計器を残してある)。

エンジンに異常ない(≒再現しない)とのことから、個人的には EMI: Electro Magnet Interference (電磁干渉;携帯電話や一部の携帯用電子機器が発する電磁波が機体制御(今回の場合はエンジン制御)の電気信号に干渉を起こし、制御系の誤動作を引き起こす)も原因の一つとして考えられるのではないか、と思っています。

昨日、新千歳に着陸したのが午前11時35分頃とのことですので、11時、11時30分、12時の新千歳空港の METAR を載せておきます。

 RJCC 060200Z 15014KT 9999 FEW035 BKN/// 15/08 Q1016
 RJCC 060230Z 15015KT 9999 FEW035 BKN/// 14/08 Q1016 RMK 1CU035 A3002
 RJCC 060300Z 17018KT 9999 FEW035 SCT150 BKN/// 14/08 Q1015

晴天で視界良好ですが、やや強い南風ですから Runway 19 への着陸だったのでしょうね。


全日空機が新千歳空港に緊急着陸 上空でエンジン停止 (朝日新聞) - goo ニュース
 6日午前11時10分ごろ、大阪・関西空港発の女満別行き全日空1793便(ボーイング737―500型、乗客122人)が、新千歳空港の約260キロ南東の上空で、2基あるうち左側のエンジンが停止し、約30分後に新千歳空港に緊急着陸した。乗員と乗客にけがはなく、多くは新千歳~女満別便に乗り換えた。

 全日空によると、同便は高度1万1000メートルを飛行中、気象状況の悪化が予想されたために高度を下げようとしたところ、左エンジンの異常を示す計器表示があり、その後、エンジンが止まったという。計器表示があったことから機長が運航規定に従い、再始動しないまま着陸した。

 着陸後の検査ではエンジンに異常はなく、止まった原因を調べている。

2005年11月 7日 (月) 00:18
Comment ( 0 ) | Trackback ( 0 )