日記

Hajime

インドの季節  〈ニューデリー NEWDELHI 01〉

2009年03月06日 | Weblog


「インドって最高だろ、ヘイジャパニーズ!」

車に乗って外を眺めていたらいきなりバイクが横付けしてきた。
「ほらかっこ良く撮れよ。」


ただいま80キロで走行中。


ニューデリーのメインバザールにあるホテルで一夜を過ごし、その日は朝からタクシーでデリー郊外の寺や市場を見て回った。安いオートリキシャに乗ろうかとも思ったのだけど、郊外に抜けるには結構距離があるので僕はタクシーを一日チャーターした。
窓を開けて走っていると、何かの工場の中にいるような油くさい匂いと、数分口を開けていると口の中がざらざらしてしまう砂ぼこり、それから車とバイクとバスとトラックとオートリキシャのまるで真夏の森の中で一斉に鳴き続けるセミ達のようなクラクションの嵐。
ビー!ブー!ビーン!ビービービー!!
ビーーーーーー!
ビビーー!
ビッビビーーーン!!

一日あれこれ見てまわったけれど、とにかく圧倒的なうるささで、夕方にホテルのあるメインバザールに着いた後も耳がまだビービーいっていた。




メインバザールは日本でいえば渋谷や原宿のような所だ。
ありとあらゆる物が売られ、地方のインド人も沢山働きにやってきて、世界中から旅人がやってくる。

デリーにはコンノートプレイスやいくつかの違う最新のおしゃれスポットがある。
それらの場所も歩いてみたのだけど確かに最新のファッションやおしゃれな人、金持ちも多い。
けれどそのおしゃれなスポットのすぐ側にスラムがあり、路上生活者がごろごろしてる。
そういう人たちが中に入れないようにものすごい警備されている。
身体検査しないと入れないデパートもあるほどだ。
それは急成長するインドの一面でもあると思う。

けれどこのメインバザールのむき出しのぐじゃぐじゃ感そのものがインドでもある、とも思う。
それはおもしろいものに沢山出会えるからだ。
いつから友達になったのかしらないけどなれなれしく「ヘイフレンド!」と肩を組んでくる奴や
「ハッパいる?」と声をかけてくる奴や
しつこくバクシーシ(ほどこし)をねだるぼろぼろの奴や
牛や犬や笛吹きや太鼓たたきやその他もろもろだ







メインバザールの真ん中あたりには小さい空き地があって朝から晩まで服やら靴やらなんやらかんやらが売られている。





夜にはホテルの前のチャイ屋でチャイを飲む。5ルピー(12円くらい)。
ここの親父はインド人には珍しく無口だった。
もくもくとチャイを入れては、小さいガキ達にチャイを運ばせ、常連が来たら軽く目配せをし、またチャイを入れる。
鍋の底には一日中継ぎ足し続けた紅茶の葉と砂糖の塊がドロドロと原型をとどめないものとなって煮られていた。
それでもここのチャイはうまくて僕は毎朝毎晩デリーでこの親父と会い、チャイを飲んだ。






ここではどこでも子どもが働いている。
正確には仕事を持っている。
一人前に夜遅くまでチャイを運び、チャパティを焼き、大人と話していた。
こいつも多分13歳とかそんくらいだろう。
もう立派な働き手だ。
「ここいらのガキはたった2本の指で仕事する奴だっているぜ。財布の入ったポケットにたった2本の指だけ入れて抜き取っちまうのさ。その指だけで家族を養う奴だっている。子どもだって立派な仕事を持ってるのさ。」

チャイを飲みながら仲良くなった客の男は笑って言っていた。