2度目のデリー入りは初めてインドを訪れた去年のびくびく感に比べれば落ち着いたものだった
パハールガンジには相変わらず野良犬がたむろしていて、
乾燥して舞い上がった土ぼこりと犬の糞とが朝日に輝いている
去年も通ったチャイ屋のイスに座ってあくびをしながらいれたてのチャイを飲む
細い路地の電柱には無茶苦茶に電線がからんでいる
実際ちゃんと電気代を払っているのは、この電線のうち何本だろうか
チャイを飲みながら考えてみる
きっと半分くらいだろうなぁ
夜、デリーに着いてホテルで1泊
明後日には砂漠の州ラージャスターンに向かう予定だから、
デリー滞在は2日間だけだ
到着した昨夜は久しぶりに再会したインド人と夕食を食べながらあれこれ話す
デリーは今あちこちで工事をしていて、
ここパハールガンジのメインバザールもずっと工事が行われているという
「メインバザールの道は下が全部ブロックになって、違法にホテルや店が建てられて道が狭くなった所はすべて立ち退きになるんです。電線も全部地下に埋められるんですよ、今年中に」
はっきりいってそれはすごい
そんなメインバザール想像つかない
そんな話をしながら久々のインド料理を食べた
そして朝、ぼろいイスに座っておっさんにチャイを入れてもらいながらゆっくり辺りを眺めてみても、
メインバザールがそんな風にこぎれいになるなんて全くイメージが湧かない
それにインド人の言うことだ、
別に信用していないわけではないが、どこまで事実なのかはアテにならない
事実だとしても今年中というのはだいぶ怪しい
でも去年に比べて気づいたこともある
今年のメインバザールにはほとんど牛がいない
細い路地から突然にゅっと出てくる野良牛たちが見当たらないのだ
もうあと何年か経ったらほんとにメインバザールもきれいな町になるのかもしれない
ここはこれから何年先までもインドへの旅人の多くが訪れ、
インド人と喧嘩したり仲良くなったり、出会ったり別れたりトラブったりする喧噪にまみれたおもしろい場所であってほしい、と少し寂しい気持ちがした
でも多分たとえメインバザールが一時きれいになったとしても
それはきっとほんとに一時のことなんだろう
だってここはインドだから、という言葉でしか説明できないけど
そんな感じだ
とりあえず、デリーでインドの空気を思い出して
いざラジャスターンへ
砂漠の楽士やダンサーの写真を撮りに向かう