サース・フェーにある展望台レンクフルー(2870m)から下山。
横にフェー氷河とドーム(4545m)を見ながら細い道を歩く。
時々、氷河がぐしゃりと音を立ててくずれるのがわかる。
30分ほど歩いて、道の脇をふと眺めていると、
ん、石?
おっ、石じゃねぇ!
完全に寝起きのもふもふマーモットやん!
シャモニから1週間以上3000mの山々を歩きまわり、足に限界がきていた私ですが、
一発でこの光景にやられました。
私のことを思いきり無視して自由きままに陽を浴びてぼんやり過ごすマーモットたち
しかもあっちにもこっちにももりもりいる!
あっちにも!
こっちにも!
バイバーイまたね。
ここは都会のように道はきれいじゃないし、てか超坂だし
電波もないし
よれよれの登山服にカメラ
ペットボトルも使い回しのべこべこで、ヒゲもボーボー
靴はいろんな生き物のうんこまみれ
私は汗まみれ
なんもないこの一本の道を
なーんも持たずに歩いて気づかされることもある
私は東京みたいな都会も大好きで、できれば楽したい
面倒くさいこともしたくない、というかしない
けど、様々な情報が溢れ、ゆとりがまるで罪のように目まぐるしいテンポで進む中、
一本の山道を歩いてみるということは、そんなカオスから自分自身を守り
良心を取り戻し、自省させてくれたりする
そうして感じ、考えるということが自分がまだ死んでいないという証のようだとも感じる
それからサース・フェーの街近くまで下山
途中牛がいた
写真を撮るために近づく
乳牛じゃないっぽい毛並みだな、しかも顔つきがどこかのんびりしていない
どんどん近づく
ばちっ!
気がつくと尻餅をついて、仰向けになりかけてた
一瞬何が起きたかわからなかった
カメラを上手くにぎれない
ふと、足元を見るとビニールの紐が張ってある
どうやら電流が流れていたらしい
はっと牛を見ると、後ろ足がものすごい勢いで土をかいている
こいつ闘牛やん!
この辺りは闘牛が盛んで、写真でこういう色の牛が興奮しまくりで闘っていたのを思い出した。
電流でびりびりしびれながら一目散に退散!
やっぱ都会さいこー!
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今日、パリから一時帰国されていた写真家の吉田タイスケさん達と飲んだ
吉田さんの写真はとても好きで、ずっと会いたかったのでとても嬉しかったし、あまり話しはできなかったけどすごく明るくて素敵な人柄が伝わってきた
いつも写真を拝見させてもらっているのだけど、すごく柔らかい色の写真を撮る人だ
私ももっとがんばらねば、と思う一日