今日は不思議な日でした
明日上映の映画の試写で、
といってもプレスがいるとかいう類いのそれではなく
普段ミニシアター系映画を見ることが叶わない地方での月1回の上映会前日の試写です
私が担当なので、600席ある広いホールにて明日上映される映画をひとりぽつねんと見ました
私のところのホールはデジタル化しておらず、35mmフィルムを上映しているので、広々としたホールの灯りがゆっくりと消え
暗闇の中、ホール内の中段真ん中で映像と空間を独占し、振り向いて見上げれば映写室でフィルムを回す技術師さんの姿が見え
せかせかと字幕のピントや音などフィルムの調整をしつつ動き回る彼らの姿を時折振り返って見上げつつ
ホールでひとり映画を見るという貴重な時間を過ごしました
その後、映写室に入ってフィルム映画の音がどこから取り込まれているかや、フィルムをつなぐ話し、
映写機についてのお話をうかがい、何より感動的だったのが大きなフィルムがカタカタカタと音を立てる様子でした
薄暗い映写室でフィルムを調整する技師さんのすがたはやはりかっこよく、
灯りに照らされた彼らの横顔や深いしわの陰影がなんとも味わい深く印象的でありました
明日は小さな上映会です
毎月1回、40年間続く名画の上映会
なるべく上手に引き継いで、皆様に素敵な映画を見ていただきたいものです
そのためには映像表現についてもっと学ばなければならないし、
これまで上映会を支えてきたフィルムを愛する技師さんたちを大事にしたい、と強く思います
そんなことを思いながら素敵なフランス映画を誰もいない客席の中ぼんやりと眺めていました