エルメスでシガリット・ランダウや現美でフランシス・アリスを観た
またチンポムと岡本太郎の企画展を観たりしていた
特にランダウとアリスはそれぞれ「境界線」に主眼を置いていて、
根底に横たわるアイデンティティの中にあるいくつかの境界線と他者、国、文化、歴史、捉えようによっては外や外にある様々な境界線に結びつけられるのだけど
どちらかというと個に内包する内の境界線というか、分裂して分解した自分の小さな粒同士の距離や微かな結びつきを見いだすような作品だった
安定したものを思い切り揺さぶって不安定にしたい
そうしなければ疑いようも晴れないもので、
けれど決して疑いたい性でも不安定にしたいわけではなくて、
確固たるものを揺さぶって確固足らしめる要素をそぎ落とした先にあるものを見たいということである
ランダウの揺さぶりはとても心地よく、激しく、ぐらぐらしていて落ち着いていた
いろいろなものの境界線のど真ん中に大きな木が立っていて、
それは深く根を張ろうが、太い幹に成長しようが、
どん、ときて ばりばり揺れて 実は落ちて 削がれていく
この心地よさは至極快感であるし
もっとびりびりと撹乱するとにやにやする
Sigalit Landau