オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

アッテネータ雑感 10.5Ω系評価2

2018-02-18 11:59:29 | アッテネータ評価
 前回、10.5Ω系のアッテネータ(ATT)のサイン波の評価をして予想通り差が見られなかったので、有意差が出そうなパルス波の評価をしてみました。

 ■1)評価状況
 インパルス波は、エネルギーが小さいので、以下のようにマイク距離を70cmと比較的近くに置いて、評価しました。

 又矩形波は、スピーカーとATTの間の電気的な反射の様子が知りたいので、マイクを使わずに、+側のSP端子のみ(DCカットのため)にPCのマイク入力を繋ぎました。

 
 ■2)評価結果 インパルス応答のオシロ (2018.2/2(8Ω)、2/10(10.5Ω)測定)
 インパルス応答のオシロは、以下です。

 上段が、10.5Ω系減衰量3.7dbのATTで、下段が8Ω系減衰量4.4dbのです。左右は、左右のスピーカーに対応していますが、右側は上下ほとんど変わらないように見えます。左側は、上の10.5Ω系の方が少し後続の付帯波が小さいのですが、10.5Ω系の方が整合が良いせいで有意差があるかは判りません。付帯波の主成分は620A(604-8G)ですが、2405の付帯波も小さいですが重なっています。左右を比べると左の620Aの方が付帯波は大きいです。

 ■3)評価結果 インパルス応答のFFT (2018.2/2(8Ω)、2/10(10.5Ω)測定)
 以下です。

 これも、上段が、10.5Ω系ATTで、下段が8Ω系で、左右は、左右のスピーカーに対応していますが、これは左右ともに有意差がありません。FFTのようなスペクトルでは、サイン波のような静止波もインパルス応答のような瞬時波も差が出ないようです。

 ■4)評価結果 矩形波応答のオシロでのリンギング (2018.2/17測定)
 これは、以下。尚、これは右(R)側のスピーカーでマイクは使わずに電気的に測定しました。(音は鳴りますが)

 これも、上段が、10.5Ω系ATTで、下段が8Ω系で、左は、パルス周波数が500Hz、右が1KHzに対応しています。左の500Hzの青〇が上左角、赤〇が上右角、黄〇が下左角、緑〇が下右角です。青〇では、10.5Ω系が若干鈍っています。赤〇では、10.5Ω系が若干+ピークが大きい。黄〇も10.5Ω系が若干鈍っています。緑〇は10.5Ω系がーピークが大きい。右の1KHzでは、500Hz程の差は無いですが、それでも10.5Ω系は上左角が若干鈍っているように見えます。8Ω系は10.5Ω系より矩形波では優秀な応答であることが判ります。

【結論】
 10.5Ω系は、立上り終点と立下り終点での鈍りが8Ω系より鈍るのと、立下り始点/立上り始点でパルス軌道と逆方向のパルス状のオーバーシュート/アンダーシュートが8Ω系より大きい。

 ■5)10.5Ω系の試聴の続き
 これで聴いていますが、矩形波応答では、10.5Ω系の方が若干劣るデータとなっていますが、聴感上では大変瑞々しい印象があります。この辺りは、プレーヤーが再現するに近い状態での微妙な差ですのでどちらが良いかは簡単には判断できません。10.5Ω系で感じるのは、例えば、トレーンのアルバム”スタンダード・コルトレーン”の1曲目の途中でハーデンが出てくる時の気配が判るような感じになってきた。これはトレーンに最後戻る時にも感じます。2曲目でも右のシンバルの実在感と、左のトレーンの気配を感じます。また、ガーランドがソロを採る時にも同様に。プレゼンスを感じるようになってきました。全てのフォーカス(2405のタイムアライメント&インピーダンス整合・低音端の2231Aによる補強と位相合わせ、部屋の定在波の克服等)が合わないとこういう状態にはならないと思う。
 今、2/4のクラシック音楽館を聴いています。インバルの振るベルリンコンツェルトハウスのワーグナー(トリスタンとイゾルデ)とマーラー(交響曲No.5)を聴いています。マーラーは、今まで聴いていなかったのですが、アンサンブルの美しさや、スリリングな飽きさせないバラエティに富んだ展開、更にはクライマックスの整然として尚、緻密で見事な構成力に感激、そう感じるほどの再現性を10.5Ω系は与えてくれます。マーラーのこの交響曲には、人間を取り巻く様々な感情や現象を表しているようで、何か普遍的なものを感じますね。第四楽章の最初は、深く沈潜し唯々美しいバーバーの”弦楽のためのアダージョ”を思い起こさせます。録音やこのホール(すみだトリフォニーホール大ホール)の音響も優秀なんでしょうが、このライブ感は堪らないですね。以下、マーラーでのシーン

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アッテネータ雑感 10.5Ω... | トップ | ”フィ二アス・レインボウ” »
最新の画像もっと見る

アッテネータ評価」カテゴリの最新記事