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オーディオ彷徨録~JBL4331AからALTEC620A~

今までのオーディオの改良や音楽の遍歴に、今後の改善も紹介。いい音に繋がる方法を色々模索したことや、好きな音楽を紹介する。

620A(604-8G)のLFと2420のタイムアライメント

2020-01-28 12:20:56 | タイムアライメント
 前回予告しましたが、620A(604-8G)のLFと2420のタイムアライメントをやってみました。当初は下の写真位の位置かなと予想しました。また620Aはノーマルで604−8Gの同軸ツイータは正相(ALTEC標準)で最初繋いでいましたが私は前にアップした評価でトーンバーストの位相が反転していましたのでHFを逆相に繋ぎ変えています。2420は古いJBLでボイスコイルが逆巻なのでそれに従うと正相接続で位相が604−8Gと2420が合うはずですが?

 ■1)システム構成
 これは604-8GのHF(同軸ツイータ)の代わりに2420を使うだけです。604-8GのネットワークのHF側に2420を繋ぎました。

 上記写真のように604-8Gの横長■のバスレフ穴をEVA樹脂(厚み2cm)で塞ぎ、その隙間からスピーカーケーブルを通して604-8GのネットワークのHF側に繋ぎました。

 音圧については、同軸と2420(素で118db/Wm2)は同じようなドライバーですのでほぼ同じと見て604-8Gの現状のネットワークのATTでいけるという予想です。

 ■2)FFTとタイムアライメント結果
 先ずは、FFTとタイムアライメント結果で

 上の左①が2420を正相接続した場合のFFTで右の②は2420逆相接続の場合、下の左の③は604-8GのLFのみのクロス付近1.8KHzの1波トーンバースト応答で、④が2420+604-8GのLF (2420のドライバが18cm)の場合で2420の前後位置を変えて波高がMAXになる場合=タイムアライメントの合った位置)です。この状態は下記のような位置で、上記予想位置よりは奥です。

 FFTについては、音圧は604-8Gのネットワーク内のATTでいけると思ったとおりほぼ赤〇を付けたクロスの1.8KHzをマタイでフラットになっています。クロスの1.8KHzの形も逆相の②の方が若干ダウン気味です。
 2420のドライバーの左側が620Aのバッフルから18cmの位置でしたので、予想(LFのコーン位置から推定の7~8cm)よりは奥になりました。尚、応答が2つあるのは、マイク距離10cmでは1つですので反射波と思います。

 ■3)2420正相接続と逆相接続でのタイムアライメント比較
 これは以下。

 上の左が604-8GのLFのみの応答で上の右は2420正逆相接続の場合、下の右は2420逆相接続の応答です。
 604-8GのLFのみの応答に対して、上の右の2420正逆相接続の場合は、そのままレベルが加算されており位相が合っていますが、下の2420逆相接続の場合は最初の+ピークがスプリットしていますので位相が反転していると判断しました。
 やはり事前に予想したように2420が正相接続で位相が合いました。

 同軸ユニットはバッフル板面方向の音源位置は同じという利点はあるものの前後方向に振動源の位置が15cm程度離れていますのでタイムアライメントが現状できていない。
 理想的には2420の付帯波の綺麗な(604-8Gの同軸ツイータは若干不均等でした)音で時間合わせをして繋ぎたい。しかし現実には固定方法をちゃんとしないと地震の時にどえらい目に会う。ホーン込みで6.2Kgの鉄の塊が飛んで来たら??悩みますね・・・
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2405タイムアライメント逆相 聴取位置マイク

2018-06-15 12:49:54 | タイムアライメント
 前回、2405の逆相でのアライメントを評価したが、従来から行っていたマイク距離62cm位のニアー評価では音路差を考慮すると聴取位置としてのタイムアライメントとは違うタイムアライメントをしていることが判った。今回は、それの改善で通常試聴している耳の位置にマイクをセットして評価した。

 ■1)通常試聴している耳の位置にマイクをセットして評価する場合の問題
 620Aとマイクの距離がこの場合は2mレベルになるのでパルス評価などの場合は、音響出力が極端に小さくなり投入パワーを上げてもオシロ波形は非常に小さい。無理にアンプのパワーを上げると、今度は壁等からの反射波が大きくなって付帯波として現れるのでオシロ波形が非常に見難くなる。パルスよりトーンバーストは少しマシではあるが、付帯波の擾乱はある。

 ■2)測定方法の改善
 上記問題点があるので、前回採用した改善方法の他に以下の改善を行った。
 ●右の2405を評価する時は、マイクを右の2405の方に角度を向けてマイク入力を大きくした。(従来は真ん前に向けていた。)

 ■3)測定状況
 これは以下のような状況で測定。

 これは右の2405を測る為にマイクは右の2405を狙っています。

 ■4)オシロ波形 タイムアライメント 8KHzのトーンバーストで評価
 これは以下です。前回と比べると付帯波が大きいです。これはマイク距離が2mと長くなって反射波を拾い易くなったからです。

 ①は、L(左)側の2405の場合です。今となっては不要ですが2405を620Aのバッフル板に揃えた場合のトーンバーストで左にある2405のパルスも右にある620Aのパルスもースタートで位相は合っています。青〇と赤〇の縦線の間で距離を推定すると25cmでした。②は、タイムアライメントが取れた場合の波形で、2405を26.7cm奥に引っ込めた時ですので、計算上の25cmとは若干誤差がありました。青〇で示すー波の波高がが2405と620Aで重なってほぼ2倍になっています。
 ③は、R(右)の2405の場合です。計算上のタイムアライメント距離は、①と同様25cmですが、④で得られた実際のタイムアライメントの取れた距離は、27.5cmとこちらも誤差があります。でも今回は、①の下の吹き出しで説明しているように多数のオシロのスナップ画像を見比べて判断するのではなく、連続的に2405の前後距離をスライドしていく時のオシロ画像をみて②④のー波の最大値を判定しているので結果は以前よりは正確なはずです。

 前回のマイク距離を62cmと短くした場合は、2405をバッフル面に置いて計算で出した最適値が実際のタイムアライメント距離と合致したのに、マイク位置を聴取位置に長くした場合は左右共誤差が2cm前後に大きくなったが、この原因は、前回は620Aの真ん前にマイクを置いていたので音路差は正確ですが、今回はマイクが聴取位置であり水平面の角度的に約20度になっており、もし同じ2mでも620Aの真ん前なら誤差は少ないと思います。

 ■5)現状でのFFT
 これは、以下。

 ⑤は、青〇で示す低域をフラットで聞きたい場合で、低域用LP2020A+のヴォリュームを15度(時計の分針で30分)高域用のLPより下げます。低域を少し上げて聴きたい場合は⑥の用にLP2020A+のヴォリュームを同じ位置にします。すると青〇で示す低域が3dbアップします。⑤を見ていますと、正に40万の法則を低域まで満たしています。平均音圧をー10dbとすると⑥では20Hz~20KHzまでほぼフラットです。
 ここまで低域をフラットにできるのは、2231Aを使っているからです。しかしこれを800Hz位まで使ってしまうと4331Aで感じたように低中域のダンピングが緩いというか例えばヴァイオリンの音で欠落が生じます。ですので、チャンデバCX2310でクロス設定44Hz(実際のFFTでは70Hz)でLPFを通すとこの影響がなくなります。そして、これ以上は620Aと2405に任せます。

 ■6)聴取位置でのアライメント距離での試聴
 色々聴いていますが、ライブ感が更に向上しました。より音像がシャープになって、写真でいうと、フォーカスを極限まで合わせたという感じがします。シェルビー・リンの”ジャスト・ア・リトル・ラヴィング”のヴォーカルの声は自然でひっそりとそこに佇む存在感があります。ライブが特に感じますが、例えばビル・エバンスの”ワルツ・フォー・デビィ”では、食器とナイフの当たる音とか観客の声とか拍手がリアルです。同日の”サンディ・アット・ザ・ヴィレッジバンガード”では8曲目の5’37”で聴こえるグラスの中の氷の撥ねる音が超リアルで、又よく言われるマスター・テイクと次に収録されているオルタネイト・テイクの差がより顕著に判り、フォーカスが効いている為に後者の音場が広がる(というより右のピアノと左のベースとドラムスの間隔がマスター・テイクより広がる事や位置そのもの)のがよりジャスピンの位置で判るようになりました。また各楽器から発してくる楽器音がふわっと出てくるのではなく固定したポイントから出てくるような感じになり存在感が圧倒的に上がりました。尚、このアルバムはヴァージョンによっては、両テイク共広がった音場のテイクを収録したものもあるようです。
 また、スタンリー・クラークの”At The Movies”の4曲目で同相の時はソプラノサックスが2m位の高さから2405の高さまで移動して聴こえてきたのが、逆相では上下方向はほぼ2405の高さに固定しているということもフォーカスが合っているからではないかと思います。
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2405タイムアライメント逆相

2018-06-12 20:59:35 | タイムアライメント
 6/5にアップした2405の位相評価で2405は620Aとは逆相接続しないとオシロのパルス波形の位相が合わないことが判明した。従って、今回タイムアライメントを逆相でやり直しました。

 ■1)実験状況
 これは以下のように、マイクを620Aの前62cmの距離に設置してマイク高さを変化させて測定しました。


 ■2)測定方法の改善
これは以下のように改善しました。

 ①トーンバーストはクロスに近い8KHzを用い、デューティ比=1:24に設定することにより、機能の少ないPCオシロでトーンバースト波形を静止させることができた。これにより、距離を変えてオシロのスナップショットを複数枚記録してそれを比較する必要なく波形の最大値が波形観察しながら連続的に観察できるようになった。(PCオシロで簡易的にトリガーを掛けられた)
 ②マイク高さは、従来マイク距離を60cm程度に固定した状態で、波形の最大値を求める為にマイク高さを変えて、最高の波形値のマイク高さで2405の前後位置を変えて測定していたが、これが間違いであることが判った。

 ■3)測定結果 マイク高さ変化
 これは以下です。マイク距離を62cmと短くしているので付帯波が小さくパルスが綺麗ですが、これを2m位迄長くすると付帯波が大きくなる。
 
 ①は前からやっていますが、2405をバッフル面まで前に持ってきて、ワザと2つの波形を離しておいて2405を奥に引っ込める距離を時間差(縦線)で計算して予測するためのデータです。マイク高さは106.5cmです。これで計算すると2405を27cm奥にするとタイムアライメントが取れることになります。②からは、マイク高さを変えていった場合で、②がマイク高さ=103cmでその場合は24.6cm、③は、106.5cmで27cmなので①の計算通り、④は110cmで29.5cm、⑤は113cmで31cmです。
 マイク高さと、2405の引っ込める距離は正の相関がありますのでグラフにしてみます。

 ■4)上記実験結果のグラフ

 これを見ていますと、ほぼリニアーです。2405の高さは、124cmですのでその高さに近づくと2405はその分奥に引っ込めないといけないことになります。マイク高さ103cmでタイムアライメントが取れたのが24.6cmなら、マイク高さを106.5cmに上げれば、その分2405は奥に遠くしないとタイムアライメントが取れないことになるので、この場合のタイムアライメントの取れた距離が27cmとなるのは、音路差がそれで等しくなると考えればリーズナブルです。
 従来、付帯波を小さくしてパルス波形を綺麗に出す為マイク距離を実際の試聴位置より近い60cm位に短くしてマイク高さを決めてタイムアライメントを取っていましたが、これだと実際の聴取位置と音路差(聴取者の耳(マイク)と2405及び604-8G間の)が異なることになりますので、正しいタイムアライメント距離になっていなかったと考えられます。
 従って、次回は実際の聴取位置でタイムアライメントを取ってみます。
 このグラフから、聴取者の耳の高さに従ってツイーターの前後位置を変えるというような特許も考えられます。勿論、変える距離を設定する方法とかメカニズムを提示しないと良い特許にはならないですが。耳の高さだけではなく水平面の位置でも考えれないことは無いです。ひょっとしたらその手の特許も既にあるのかもしれません。
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2405のタイムアライメント評価3~高調波歪~

2018-01-04 09:41:35 | タイムアライメント
 前回のアップで、JBLの採用してきた磁石の解説でフェライトを導入する際に歪が問題になって、これをクリアーする為にSFG磁気回路を開発したということであったので、2405と2405Hの高調波歪を測ってみました。

 ■1)測定条件
 これは、通常の聴取位置にマイクを置いて、My Spsekerの高調波歪の測定プログラムを使った。

上の写真は、2405Hを測定した写真ですが、右端の三脚上にあるマイクで左側のスピーカーの音を拾いました。2405の場合も同様。

 ■2)測定結果
 これは以下です。尚、グラフの中の説明中の左上の⑤の中の②③は、前回アップ分の②③で、右上⑥の②③も同じですので、最終選択とは違います。

 上段が2405で下段が2405Hです。左側は、サインスイープのFFTで、右側が高調波歪です。青線は2次高調波、緑線は3次高調波です。高調波歪は、40dbかさ上げされています。左側で青い〇で囲んでいるのは低音で2405Hは2231Aを付ける前ですので、20Hzで13db位40Hzに対して落ちていますが、上段の2405は2231Aを付けていますので9db落ち位に改善されています。右側が高調波歪ですが、差はありません。FFTで見ると、6KHz辺りから2405の音が混じっていますのでその辺りからの歪で判断しています。2405のみになる13KHz以上は残念ながら線がありません。SFG磁気回路を使ってアルニコと同じレベルには仕上げたと思います。

 ■3)2405での試聴
 前にも書きましたが、一言でいうと雑味が全く無くなった音になったと言うことです。必要な音は全て吐き出すが不要な音が全くでない。ソースにある音は全て出ている。よく言いますが、スピーカーから音が離れて空間に飛び出して、プレーヤーがそこに現れるという感じです。定位について云うと、例えば定位感がきっちりしているトレーンの”スタンダード・コルトレーン”の”アイル・ゲット・バイ”では、トレーンは、左側の4331Aと620Aの境界点に見え、ジミー(Ds)は、逆の右側の4331Aと620Aの境界点に、またチェンバース(B)は、右の620Aの位置で、途中からプレイするハーデン(Tp)は、トレーンの居た位置に入れ替わっています。ガーランド(P)は、両スピーカーの丁度中央に居てプレイしています。正にRVGが録音した’58年7月11日NJハッケンサックの自宅リビングルームのスタジオが再現します。昨夜、”君の名は。”をこのシステムで見ていたんですが、映画館で見ている以上に臨場感がありました。特に彗星が衝突する際の衝撃が凄い!音響効果も良く出来ていますね。

 ■4)他のサイトでの2405と2405Hの音の比較
 これは、あまり見当たらないのですが、1件以下がありました。
”フェライトの2405Hと比べ、2405は同じ系列のものかと思わせるほど違うのです。16Ωの2405はリジッドながらナチュラルですが、2405Hはリジッドでタイトです。”
 なるほど、何となく判ります。このナチュラルというのが凄く判ります。上手く言えませんが、ストレスなく音がすーーと出てくるのです。ライブのオケの音がそういう感じですね。2405Hでジャズのシンバルを聴いていると余韻があるので少し耳に刺さりますが、これはこれで如何にもJAZZらしいのですが、2405は全く刺さらないのに済みきったシンバル音が分離して聴こえます。分離するというのは、もやっとした霞が消えてシンバルが見えてくるという感じかでしょうか。URLは下記。
 http://www.jupiteraudio.com/2068/2068.html

 ■5)2405のインピーダンスにつて
 2405のインピーダンスは、定格上は16Ωである。従って購入前は、16Ωの抵抗を買って2405とは並列にし8Ωにして3db低下した所から2dbアッテネートして使おうと考えていた。しかしDC抵抗をテスターで測ると6Ω台であったので、これに16Ωをかますのも精神衛生上良くないし、交流的にはともかく2405Hの8Ωで使っていた5.2dbの8Ω系のアッテネータをそのまま使っている。特にインピーダンスの不整合起因の変な反射に伴うようなノイズも聴感上聴こえない。
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2405のタイムアライメント評価2~ウイーン・フィル・N.Y.C.

2018-01-01 19:54:11 | タイムアライメント
明けましておめでとうございます。前回は、2405のタイムアライメント評価1として、4マトリックスのインパルス応答によるタイムアライメント結果を載せました。今回は、そのデータからどういうセッティングに決めたかの話です。

 ■1)最終結果のまとめ
 これは以下になります。尚、評価は、マイクを聴取位置に置いての、WaveGene.のサインスイープのFFTで行いました。

 上段は、左側の620Aについてで、①は個体B、②は個体Aです。下段は同様右側の620Aについてで、③は個体B、④は、個体Aです。相性があるようで、②では特に個体Aがハイ落ち気味ですが、個体Aでも④はハイ落ちが少ないので、①と④の条件を採用しました。つまり、右側は個体A,左側は個体Bを採用したわけです。

 ■2)このセッティングの状況
 これは写真のようなセッティングになります。

 ■3)オール・アルニコについて
 アルニコマグネットのスピーカーが他のマグネット(フェライトやネオジム)を使ったスピーカーより音が良いということが言われる(これは異論(最適化後は同じとか、音色の差がある等)もあるようなのですが)こともあるので、オール・アルニコ化してみたいと長年思っていました。これについて少し調べてみました。判りやすく説明しているのが、以下URLです。
 http://blog.goo.ne.jp/parc-audio/e/201e4b136af18900c0ddbb905a3a26f3
 ここでアルニコの特徴を記載されているので少し引用させて頂くと、(マグネットについて 5)の章では、少し加筆もしてますが、
 3)アルニコマグネット
 長所
*特性的に内磁型に向いており、音質的にも最も評価が高い。
 私見ではありますが、経験的には同じ内磁型でもネオジムよりも音質的に良いと思います。
*低温、高温ともに温度特性は非常に優れており、精度を要求される測定器等にも使用される。
*内磁型を使うことでフェライトよりも外径を抑えることができ、ウーファー等での背面のエアーフロー処理に有利。
 (これについては、内磁型でのネオジムも同じ)
*機械強度が強く、取り扱いが楽。
*大きな着磁パワーを必要としないので、小型の着磁機でも簡単に着磁が可能。

 短所
*パワー減磁に弱く、パーミアンスを高くする必要がある。⇒ハイパワーの長期間使用で減磁する。減磁後の対策は、再着磁がある。
*大型のものは使用例が激減していることもあり、以前にも増して高コストとなっており、
 磁気回路全体としてはネオジム以上に高価なマグネットである。

 他のマグネットについても解説されているので、興味ある方は訪問してみて下さい。また以下のURL(マグネットについて 2)では、断面図を用いて、内磁型のアルニコの場合は、アンプから見た時ボイスコイルのインダクタンスがボイスコイルの位置によってあまり変化しないということを上手に説明しています。コイルのインダクタンスはそのコア材の透磁率に比例し、ボイスコイルのインダクタンスもその芯材にあたるボイス内部の部材の影響を大きく受けます。ここでポール材の鉄はリコイル比透磁率が高く影響が大きいのですが、アルニコは鉄に比べれば圧倒的に小さく(鉄が5000に対し、アルニコ3.6、ネオジム/フェライト~1.05)、影響は非常に少ないのです。上記URLの図を見れば明らかですが、アルニコの場合は、内磁型でボイスコイルが動いても横切る鉄の面積はほぼ一定で小さいですが、フェライトのような外磁型は、ボイスコイルの中に鉄があるためボイスコイルが動く時に横切る鉄の面積が変動する(ボイスコイルが上がった時にアルニコと同じになる)ためインダクタンスが変動します。つまり動作点が一定しないふらふらした状態になる、これはアンプから見ると非常にいやらしい負荷となるということです。その他に、内磁型は磁気漏洩が無いためネットワーク等への影響が無い、エアーフローに有利等の外的影響も指摘されていますが、本質的にはインダクタンスの変動が少ないことが音質に効いていると思います。ネオジムでも内磁型の場合は、インダクタンス変動はアルニコと同じですが音色が違うという意見もあります。
 http://blog.goo.ne.jp/parc-audio/e/5bfd93d7eabb7cf6f6af99e2433889ec?fm=entry_awp

 ■4)アルニコの音がよい理由2
 以下URLに、アルニコが音がよい理由として、フェライトのようなセラミックは電気を通さず、アルニコは金属で電気を通すということがあがっています。マグネットが金属ならば、ボイスコイルに電流が流れたときに逆起電力がショートされます。マグネットがセラミックだと、同様の状態において逆起電力はショートされません。そしてこの逆起電力によって、ボイスコイルの入った空隙磁界が変動してしまうのです。その際のポイントは、「緩慢にショートしてやる」ことだそうです。

 https://www.phileweb.com/interview/article/201602/03/341_5.html

 ■5)JBLの磁石の変遷
 JBLの説明でもアルニコにまつわる変遷が以下URLで載っています。’70年代後半から、アルニコの原料であるコバルトの入手が難しくなり、その代用素材として注目されたのがフェライトですが、歪みの問題がありこれをクリアーする為にSFG磁気回路を開発。’88年には新しいマグネット素材、ネオジムを高音用ドライバーに使用します。しかし高温に弱い弱点を持ち、発熱の大きなウーハーへの使用は不可能とされていたがボイスコイル冷却機構等でマグネットの温度上昇を食い止めることで世界で初めてこのネオジムをウーファーの磁気回路に使用することに成功。そして、2001年には再びアルニコに注目。アルニコマグネット特有の躍動的なサウンドを現代に呼び覚ますために、大入力時の減磁というアルニコの欠点を克服する斬新な磁気回路を完成させ、フラッグシップ機Project K2 S9800に搭載した。やっぱり、JBLもアルニコは音が躍動的と思っているんだ。

 http://jbl.harman-japan.co.jp/about/tech.php?id=3

 ■6)2405のタイムアライメント後の試聴
 まだ、それほど聴いていませんが、2405Hの場合よりより雑味が無くなったと言う感じです。不要な音が一切出ないような気がします。2405Hでも演奏者がそこに現れるような存在感の音が再現されていましたが、2405ではそれに更に2405Hでは感じた余韻のような雑味すら無くなったような感じです。オール・アルニコ化の意義はありました。
 今、ウイーン・フィルのニュー・イヤー・コンサートをNHK教育で見ていますが、2231A+620A+2405で聴いています。最初のシーンは、
 ”ジプシー男爵から入場行進曲”です。リッカルド・ムーティが指揮をスタート
 ”マリアのワルツ”から”ウィリアム・テル・ギャロップ”では、ホールの豊かな響き、またトライアングルの音も凄くリアルに収録されています。ムーティも頑張っています。
 プレ番組で、このホールは、人が入っていないときは高橋克典さんの声も割に大きく反響しているが、人が満員になると反響が減って丁度良い具合の響きになると解説していましたが、今聴いていると残響が少なく録音状況は素晴らしいです。"美しく青きドナウ" の前の曲のシンバルやバスドラもリアルです。不思議なのは拍手を除いてライブ特有の観客のノイズが全く無いことです。観客のレベルも高いが、録音技術も優秀。観客の中に日本人の方々も結構見受けられますね。また、バレーは夏場に収録するんですね、知らなかった。どうりで、画面が初夏の雰囲気でしたね。
 来年の指揮は、クリスティアン・ティーレマンだそうです。
 

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