Don't Kill the Earth

地球環境を愛する平凡な一市民が、つれづれなるままに環境問題や日常生活のあれやこれやを綴ったブログです

「愛」を語る前になすべきこと(3)

2024年07月12日 06時30分00秒 | Weblog
 以上は、橋本氏の「マイノリティ・ポリティクス」的視点についての大雑把な理解(あくまで私見)であるが、次に、舞台装置について押さえておく必要がある。
 なぜなら、橋本氏の芸術においては、「第三のステージ」性が大きな特徴の一つとなっているからである。
 具体的に言うと、「饗宴」の舞台は、手前に「オープン・ステージ」(というか、普通のオープン・スペース。便宜上、「1階」と呼ぶことにする。)があり、その奥の一段高いところに「プロセニアム・ステージ」(便宜上「2階」と呼ぶことにする。)という構造となっている(オープン形式とプロセニアム形式の違いについては、「多様な上演スタイルに対応する自由な空間」が分かりやすい)。
 しかも、1階と2階の境界=段差の部分、つまり”壁”には、かつての「ベルリンの壁」のように、びっしりと落書きが書き込まれている。
 出演者は、1階と2階を、基本的にはエレベータに乗って移動するのである。
 これだけをとってみても、橋本氏が、劇空間に「二重(二段階)構造」を導入したことが分かるが、それだけにはとどまらない。
 1階と2階には、スタンドに乗ったカメラが1台ずつ(2階は2台だったかもしれない)備え付けられており、その映像が2階の奥のスクリーンに映し出される。
 つまり、観客は、肉眼で直接的に出演者・舞台を見ると同時に、カメラによって映し出された出演者・舞台を見ることになり、これによって、視覚上の「二重(二段階)構造」が仕組まれているのである。

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