「歌とお話
テーマ:「ワーグナーに挑んだこの10年~準備や本番に当たっての苦労と想い出」
出演者:青山 貴(バリトン) 木下志寿子(ピアノ)」
先日の「トスカ」でスカルピア役を熱演していた青山さんと、長く新国立劇場のオペラ向けピアニストをやっていらっしゃる木下さんによる歌とお話。
一番面白かったのは、台本が何と514ぺージもある「ニュールンベルクのマイスタージンガー」の主役:ハンス・ザックスのセリフ/歌の覚え方のくだり。
公演1年2カ月前から準備を開始した青山さんだったが、最初に着手した3幕5場だけで約1ヶ月を要したそうである。
その時点で、「これでは間に合わない」と悟ったとのこと。
そこで導入されたのが、「カンペ作戦」である。
例えば、2幕4場の靴を叩くシーンでは、靴の側面にセリフ(+音符?)をびっしりと書いてカンペにする(これは歌手の間では定番だそうである)、3幕4場ではテーブル上にセリフ(+音符?)を書いた紙を置き、それを凝視しながら歌ったそうである。
やはり、この分量となると、暗譜は非常に困難なのである。
それでも、このオペラは、結構たくさんカンペの書き場所/置き場所があるのだから助かるということなのだ。