【言いたい放談】アメリカファーストの冷徹~戦術と化した難民と中国との謀略戦[R1/10/10]
今回は、難民を一種の兵器として見なした場合の、EUやシリアの情勢について話し合っていくと共に、香港やウイグル・チベットにスポットを当てた、対中謀略戦についても論評していきます。(動画の解説)
チャンネル桜の「討論」が多くの人が見ていること、トルコの問題だが、アメリカがクルドを見捨てたとなっている。
ドイツではまた「難民」を入れるのではないかとビクビクしている。
EUを弱体化するつもりではないか、と言っている。
昔から「別の組織」を入れて他の組織と戦わせる、クルドに対しアメリカが手のひら返し、そこにトルコが入る。トルコは昔「オスマントルコ」を潰した怨念がある。
トランプ政権が違ってきたのもクライン氏は「中国の問題」もあると説明、水島氏は新ダライ・ラマが出ると中国は大変になる。
中国がやっているスパイ行為もスゴイ、水島氏は中国の歴史で「三国志」などの権謀術策について語る。
・・・このことについて、クライン孝子氏がメールマガジンでもお書きなのでUPします。
中東地域ではアメリカがIS退治のためにシクルド兵の後ろ盾、
シリアとトルコの国境地帯に派遣していた米軍を引き揚げを突如行使したことで、
この決定に
*トルコ、シリアの親米クルド人勢力の攻撃継続 民間人の死者も
https://jp.reuters.com/article/syria-security-turkey-usa-idJPKBN1WP2PX
「トルコは今回、シリア北部に「安全地帯」を設置し、トルコ国内のシリア難民を帰還させるため、
同地域を支配するクルド人勢力の排除を目指し軍事作戦を開始した。
欧州連合(EU)など主要国の間からは、内戦が続くシリアの情勢がさらに悪化し、
混乱に乗じてISの捕虜が逃亡するリスクがあると懸念の声が上がっている。
◆エルドアン大統領はこうした批判に対し、EU諸国がトルコの作戦を侵略と見なすのであれば、
トルコにとどまる約360万人のシリア難民をEU域内に移動させると反発した。」
クライン孝子氏は今回のトルコや難民のことについて著書でも述べておられるが、その歴史的な背景を転載します。
◆拙著「日本人の知らないスパイ活動の全貌」(前半)』クライン孝子 AJER2019.4.10(5)
https://www.youtube.com/watch?v=fCd0pAQ9stI
◆7章『難民助け屋の本音』-ドイツ弱体化工作ー
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*自由買い」ビジネスの始まり
「ベルリンの壁」が構築されたのは一九六一年八月十三日のこと。
その二年後に東西ドイツ両国では、西独政府(水面下では東西独教会が暗躍)
東独の政治犯を買い入れ、代金を「東」に支払う、「自由買い」という人身売買ビジネスを
開始した。理由は、「東」が「ベルリンの壁」構築後、東から西へ雪崩れ込む逃亡者
止めようとしたにもかかわらず、脱出者が引きも切らなかったからだ。そこで東独政府は
逃亡罪」なる法律を制定し、逃亡を企てる者を容赦なく投獄した。これを聞きつけた西独政府が
さっそく「自由買い」ビジネスを東側に持ち掛けたのだ。「渡りに船」とはこのことで
、東独政府はすぐさまこの話に飛びついた。慢性化している国家財政逼迫の解消になると
ソロバンを弾いたからだ。
ー中略ー
ちょうどその頃、「自由買い」をテーマに取材をしていた私は、それらしい人物某と
西ベルリンで知り合った。背が低く見栄えがしないその中年男と初めて会ったのは「ベルリンの壁
崩壊直後で、それまで当事者以外立ち入り厳禁だった秘密警察の建物が解放されたその一角だった。
その男某の話によると、かつて彼はスパイ容疑で逮捕されシベリアへ送られ服役していたとのことで、
出獄後、西ベルリンを拠点に、「助け屋」ビジネスに首を突っ込むかたわら、
米ソ冷戦の最前線東西ベルリンを股に二重スパイにも手を染めている(と私は睨んでいた)。
その彼が突然、自宅に電話を掛けてきたのは、確かドイツ統一後三ヶ月経った頃だった。彼曰
「『壁』崩壊で、『助け屋』商売があがったりになってしまった、だからギリシアの島(島の名
は忘れた)に移住することにした。弁解がましくなるけど、あのビジネスに手を染めたことで、
最終的には東西ドイツ統一達成に貢献したと確信している。まあね、古今東西を問わず、
争いが絶えない限りこうした類のビジネスは必ず日の目を見て繁盛する。廃れることはないと思う」
と早口で告げ、以後、消息を絶ってしまった。
あれから二十五年経った二〇一五年、私はふと某を思い出していた。ドイツを目指し中東
トルコ=ギリシア経由で大量の難民(主としてシリア人)が押し寄せる事態が発生するに至って、
彼の予言どおり、「助け屋」ビジネスが、今度は難民相手に脚光を浴びているからだ。
今回のこの「運び屋」が絡む難民ビジネスのスケールたるや、「ベルリンの壁」の比ではない。
ちなみに当時、東が西に売りつけた自由買い=政治犯の数だが、一九六二年末から一九八九年に「壁
が崩壊する約二十八年間で合計三万三七五五人、金額にして三三五億ドイツマルクだった。
一方、舞台が東西ドイツから中東=欧州に移った今日、ドイツを目指して流入してくる難民たるや
年一月から九月までに五七万七〇〇〇人。ピークの九月に至っては一六万四〇〇〇人で
この具合だと前年二〇一四年に比べ四倍の約八〇万人、もしくは一五〇万人以上に達する見込みで、
その経費たるや一〇〇億ユーロ(約一兆三二〇〇億円)を軽く超える。
しかもこの大量難民の背後で、下っ端のにわかタクシードライバーから運送業者、旅行業者、ホテル業者
偽造パスポート斡旋業、船主、ギリシア周辺の島々で優雅に暮らしているマフィアまでが、
大なり小なり「助け屋」と称して難民ビジネスに手を染め暴利をむさぼっている上
その彼らの国籍もトルコにはじまって、ブルガリア、ハンガリー、ギリシア、イタリアと
中東と地中海にまたがり、国際化している。
■ドイツの巧みな知恵に期待
フランクフルトに着いたばかりの若い難民? の一人から聞いたところ
最初、彼は難民になるにあたって、「助け屋」に請求されるまま一括払いで六〇〇〇ドルを支払い、
その後彼ら一味と頻繋にスマートホンで連絡を取りあい、ドイツにたどり着いた。
なぜドイツなのか。彼は誰からともなく、「ドイツ=難民天国」と聞くに及んで、
家族親戚一同からカネを集め、運よくドイツで難民認可が下りたら彼ら家族を呼び寄せる約束で、
単身、シリアを後にしたという。そういう意味では単なる難民ではなく、
「可哀相な難民」として十把一絡げには出来ない偽装難民の存在がある。にもかかわらず、
今回、ドイツは、メルケル首相が旗振り役となって、彼ら難民救済に積極的に手を貸すと内外に通告した。
理由はただ一つ、ここでドイツがシリア難民引き受けを拒否したら、世界各国からたちまち
「ドイツ人」なるレッテルを貼られ、非難の矢面に立たされることになる。
ー中略ー
その頃、発生したギリシア金融危機での混乱がまさにそうだった
ドイツはあの金融危機はギリシアの失政が原因で、責任はギリシアにあるとして彼らに大胆な緊縮策
迫った。ところがこれを知った周辺諸国は、あろうことかギリシアの肩を持つ側に回りドイツを叩きまくった。
そればかりか、一体誰が背後で糸を引き知恵をつけたものか
ギリシアは、第二次世界大戦中のナチス・ドイツのギリシア占領の古傷を盾に莫大な損害賠償を要求
してきた。
ドイツ側が、時を移さず「この問題は、両国が一九六〇年に定結した賠償にする合意で解決済み」と反駁し事なきを得たものの、最終的にはドイツがギリシアに屈服、大幅に譲歩したのは知る人ぞ知る。
要するに、ドイツはあの第二次世界大戦敗戦から七十年余り経た今日に至っても、殺し文句
「ナチス、ヒトラー、ホロコースト」を突きつけられると、一も二もなく頭を垂れて白旗を揚げてしまう。
世界の主要マスメディア(主として米英両国)もそれをいいことに、この殺し文句をやたらちらつかせることで、ドイツの台頭に釘を刺してきた。
ー中略ー
俄然勢いづいたのはトルコである。この国はシリア紛争以来約二一○万人ものシリア難民を抱え込んでいる。
そこでトルコはこの期に乗じ、この大量難民を武器に、「助け屋」気取りで難民ビジネスを開始し、ドイツを仲介に対EUに「難民対策向けの三〇億ユーロ(約四〇〇〇億円)の支援と、長年待ちぼうけを食っている「EU加盟加速化の実現」を迫った。
それもこれも元を正せば、ドイツの台頭をよく思わない国による嫌がらせであり、ドイツ弱体化工作の一環である。
頼みの綱は、世界に名だたる情報機関を備え、こうしたドイツ潰しを企てる不届きな犯人を
一網打尽にしてしまう「独連邦情報局」の力量に期待するしかない。ところが・・・、
以下略
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石井望長崎純心大学准教授がアメリカのミズーリ大学にて重要な研究発表の予定、
拡散希望(ベッラさんのブログより)
https://blog.goo.ne.jp/bellavoce3594/e/e6ad7d2c2ccab034e5337f677deaece3 (以上、クライン孝子氏のメールマガジンより)
石井望長崎純心大学准教授のサイト・・・http://senkaku.blog.jp/2019092981107468.html
★ 石井望先生がアメリカのミズーリ大学で、今までの中で最も重要な講演を開かれることになっているが、日本のマスコミは全く報じない。
遠くドイツからクライン孝子氏が石井先生の講演をお知らせくださった。ありがとうございます。
石井先生は全力で日本の為に応えられると思う。
その為に今までの命がけだった「香港大学」での講演、イギリスの「オックスフォード大学」での講演、アメリカでの講演(アメリカ人が大半の参加者)で「学者としての闘い」を重ねられた。
先日は石井望先生の10月17日のアメリカ・ミズーリ大学での講演のお知らせだったが、石井先生がいつも国際法のことも仰っていて、今回の講演はアメリカにとっても大きな話題となるように思う。
準備万端をされており、この講演にどれだけ全力を傾けられているか、私たちも日本にいて大きな興味がある。
★★ 私はアメリカ政府に「反ボイコット法」(中国の勝手な事実隠ぺいを許さないという法案)を主張するマルコ・ルビオ氏との対談を希望しているが、やがてそうなるかもしれない。
というのはマルコ・ルビオ氏は尖閣の歴史的な中国との線引きについて興味をもたれており、学術的な石井先生の研究はその効果があること間違いなしと思っているからである。(ただし、これは日本政府の必死の後押しが必要なのだが)
日本を思う保守派の論客や学者の報道をしないばかりか、「ヘイトスピーチ」などと一方的に言って「一方的な削除」を行うSNSの弊害について、次回以降で書きたいと思います。