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時事問題を中心にブログを書く日々です。
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歴史ミステリー 孝謙天皇(称徳天皇)の激動の時代と天皇を支えた超インテリの道鏡、当時の歴史再考。

2017年03月29日 | 政治

★ 日本の歴史の中で最も歪曲されたのは「孝謙天皇(後に再度皇位について称徳天皇となる)」と「道鏡」の史実である。

孝謙天皇の先代は聖武天皇で仏教に深く帰依し、ご自身は仏の弟子と称された。
そして孝謙天皇の後継者である淳仁天皇が即位すると側近の藤原仲麻呂が事実上の実権を持ち、藤原家の力はますます高まる。
藤原仲麻呂は学識があり、中国に心酔、何でも中国風に変えていこうとする。

あまりのことに孝謙天皇は新天皇に「小さなことはあなたが決めてよいが、大きなことは私が決める」と言い渡す。
そして心痛のあまりご病気になられる。やがて学僧の道鏡を側近にする。
道鏡は鑑真とも話ができてサンスクリット語にも堪能で、超インテリだった。
藤原仲麻呂は反乱を起こすがまもなく鎮圧され、天皇は退位、孝謙天皇は「称徳天皇」として再び皇位につく。

父の聖武天皇は「仏の弟子」として大仏殿盧舎那仏の大仏を建立したが、経済的に行き詰まり人々の暮らしは疲弊し、病が流行。
また称徳天皇(孝謙天皇)は中国風に傾きつつあった宗教を本来の日本のものにその中心を戻す、ということも考え、次の天皇には聖武天皇の直系でない天皇をと実行した。

以下の動画はそんな歴史も踏まえて、興味本位で下劣な「孝謙天皇と道鏡」のいわれのない話を、本来の歴史をしっかりと見るよい討論だった。(最初のアナウンスは俗説だが、やがて討論がはじめると資料に基づいて話される。)

 
歴史ミステリー 孝謙(称徳天皇)1 


討論1・2とも・・・中野信子(脳科学)・千田稔(歴史地理学)・上田紀行(文化人類学)・宮崎哲弥(政治学)

歴史ミステリー 孝謙(称徳天皇)2 


ここには出てこないが、歴史文学の作家、永井路子氏によると、和気清麻呂は本来、道鏡側の味方であったという。
では和気清麻呂の立ち位置も変わってくるのではないか。



和気清麻呂も当時のインテリ、歴史は正確に伝承したのか?
また「孝謙天皇」や並びなきインテリで天皇を支え、国家の安寧を考えた「道鏡」を、後の世でなぜここまで貶めたのか。

漢学者の石井望先生は、「チャイナは通過点であった。それよりもインドが大切。あの西遊記の玄奘もインドを目指した」と講演で力説されていたことを思い出す。
http://blog.goo.ne.jp/bellavoce3594/s/%E7%9F%B3%E4%BA%95%E6%9C%9B/4

すると外交面でも、漢文は勿論だが、サンスクリットを自在にこなした道鏡の学者としての実力派が必要だったのではないか?
中国から来た鑑真の寺「唐招提寺」は、作家の永井路子氏によると「唐招提寺は正式の寺でなく、官からの沙汰もなかったようだ。
すでに鑑真は日本仏教界の表舞台からは完全に手を引いた形である」と述べられている。
すると仏教界は「中国」風のものから手を引き、日本風のものになったのでは?
私はよくわからないが、なんとなくそう感じる。

孝謙天皇と道鏡のことも、今の「慰安婦問題」も、一旦間違ったことが固定化すると、そのまま受け継がれるおそれがある。
歴史をしっかり見直す必要を感じる。

この討論はひとり女性でおかしなことを言う人がいるが、その他は政治評論家の宮崎哲弥氏をはじめ、当時のことを謙虚に考えて発言している。




ブログのティールーム



本日は敬愛する巨匠、アイザック・スターンのヴァイオリンで、シベリウス「ヴァイオリン協奏曲」、スターンのヴァイオリンはロマンティックなものというよりも、古武士のような強固な意志と常に問いかける如く冴えわたったきらめきを感じる。
私はスターンの演奏がたまらなく好きで、真正面の一番前で聴き入った。
わが父と同年生まれだった。

Isaac Stern - Sibelius Violin Concerto in D minor





コメント (4)
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