華氏451度

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国民投票法案、委員会で可決

2007-04-12 23:33:25 | 憲法その他法律

 国民投票法案(壊憲法案、もしくは改憲準備法案)が、衆院憲法調査特別委員会で可決された。採決前提の審議には応じられないとして国民新党が途中退席するなどの野党の抵抗も蛙の面に何とやら、強行に押し切ったのである。与党は明日衆院本会議で可決し、参院へ送ると「決め」ている。

 国民投票法というのが必要なもの、あった方がいいものだったとししても、無理矢理に通すのは議会制民主主義を踏みにじる行為。私は民主主義の理想は直接民主制だと思っているが、現実問題として集団に属するメンバーがいちいち集まって話し合うわけにはいかない。だから私達は次善の策として、代理人を議会に送っているのだ。ただそれだけのことであり、国会議員のセンセー達に暴走する権限まで与えた覚えはない。

 国民投票法案について、新聞などはさほど大々的に報道していない。むろん少しずつは報道していたけれども、どちらかと言えば地味な扱いだったように思う(地方新聞まで丁寧にチェックすれば、執拗に大々的な報道をしてきたところもあるかも知れないが)。明日の日本の行方にかかわる、大特集を組むべきテーマなのに。

 ……とイライラしている時に、ペガサスさんがブログで紹介されている、佐賀新聞の社説を読んだ(11日の紙面)。タイトルは「国民投票法案 このままでは通せない」。国民投票法案の採決に反対する、と明確に書いたものである。

【党修正案では「白票は無効票とし、有効投票総数の過半数の賛成で成立」することになっている。ここでは「有権者の過半数」とすることや「無効票を含めた投票総数の過半数」とすることもあり得た。改正のためのハードルとしては最も低い方法が選ばれたわけだ。法案には最低投票率の規定がない。このため仮に投票率が50%だった場合、全投票権者の半数の過半数、つまり4分の1の賛成で憲法が改正される。これは白票がゼロとしての場合で、白票は無効票なのだから、もっと少ない賛成で改正に至る。憲法改正は高度な判断力が必要で、「分からない」「どちらとも決めかねる」という白票も当然多いことが予想される。だが現状では白票の扱いや、最低投票率規定はいらないのかなど、納得いく論議にはなっていない。】(社説の一部を引用)

「改正のための最も低いハードルが選ばれた」という歴とした事実を、マスメディアは大きく知らせる義務があると私は思う。

 村野瀬さんが、「与党による4月12日の国会運営の暴走に歯止めをかける電話、ファクス、メールを!」と呼びかけておられた。国会議員に対する電話等による抗議はまだまだ必要だが、私は同時に、各メディアにも「はっきりと報道して欲しい」と要請したいと思う。新聞、雑誌に読者の声を伝える窓口は村野瀬さんが2月7日にリストアップしてくださっている。地方新聞の窓口は私のこちらのエントリの後ろにも付けており、地方新聞の分だけ知りたければ短くて便利かも知れない。自由に使ってください。


 

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4 コメント

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強行採決ばかりの安倍政権 (組合員A)
2007-04-13 13:20:54
安倍政権になってからというもの、意見が大きく対立した重要法案はことごとく強行採決です。
国会というものは最終的な議決は与党が持つものの、そこに至る過程においては対案や反対意見も参考にしながら審議を尽くさなければならない、それでこそ議会制民主主義というものなのに、結局は形ばかりの審議を続け、適当な時間が来たら与党案でゴリ押しでは独裁政権と何ら変わりません。

安倍は登場したとき「タカ派色を薄めている」と評されましたが、いまやタカどころかケダモノ以下です。
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統一教会 霊友会 創価学会って? (あくつ真矢)
2007-04-13 21:54:03
例えば、耐震偽装や○○発言の時には大いに盛り上がった論議がなされるのに、国会で審議されるべき重要課題があっけなく決められてしまう・・・これって小学校の学級会以下ですよね。
結局のところ誰かが書いた筋書き通りにことが運ぶわけで、いったいその誰かって誰なんだろう?

ところで、創価学会の池田会長が中国の温首相と会談をしたそうですね。公明党っていったいどういう考えを持っているんでしょう?「国民投票法案」では与党として賛成に回っていますよね。で憲法改正では戦争ができる軍隊を持つ可能性が高くなりますよね。会長さんはいろいろな場面で平和を説いて、周辺の国々と仲良くしていきたいと真剣に考えていらっしゃると思います。だから今回の採決については不思議に思うのです。

創価学会は大学の中でもサークル活動を盛んに進めていますし、地域の青少年活動にも力を入れています。学会員を増やすことが目的というばかりでなく、結構本気で教育を考えていると思うのです。
悪名高き「日教組」のホームページを見たらなんか拍子抜けしました。ぜんぜん本気に取り組んでいる様子じゃないんですよね。それに対して組合員が多いという「全教組」のほうはかなり大々的に活動している。70年代に私立大学に教員養成系の学部が増えて、創価大学、文教大学などを卒業して先生になる人が増えました。そしてあの頃、日教組に入らないことを約束して教師に採用された人が多くなりました。で「全教組」の組合員が増えていったわけでしょう。そこで疑問なのは、今進められている「学力低下、二極化政策」について、この組合はどう考えているのでしょうね。
つまり、石原都政が進めているように、公立学校では実直な公民を養成し、低賃金労働者層を作り、お金持ちの子弟にのみエリート教育を施し上層階級を作る。「全教組」はこれに賛成なのでしょうか。それで百ます計算とか、DSゲームを学校でさせようとか、総合は役に立つとか、義務教育で選択授業とか・・・黙ってみているのでしょうか。「日教組」は労働者としての立場でしかもの言わないし・・・。
ネットでは、安倍総理は統一教会で石原都知事は霊友会だとかうわさが流れていますが、だからいったい何なの?そして創価学会って何なの?
憲法改正っていったい誰が何のために必要なんでしょう?

子どものうちから分断した教育をすることは決して平和な社会につながらないのです。それは、連合赤軍事件やオウム真理教事件で学んだはずのことなのです。彼らは学問があり、裕福な家庭に育っても社会の矛盾を許せなかったのですよ。お馬鹿な国民を作って国民投票させてどうなるんですか?
私は「誰か」にそう問いたい。


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Unknown (ココロ)
2007-04-13 23:09:05
こんばんは。日経新聞とえらい違いですね~。
ほんとにどうなってしまうんでしょうか。恐いです。
岸の怨念が何十年も虎視眈々と時期がくるのを
待っていたってところでしょうか。
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満開の桜 (あくつ真矢)
2007-04-15 04:35:45
今晩は。こんな夜中にすみません。
14日に 会津若松で 安倍総理が 明治維新での長州藩の残虐行為を 詫びたそうです。。。

私の先祖は会津藩士です。昭和の初めごろ、私の祖父のところに天皇家の使者がやってきて和解を申し入れたのだそうです。その話を聞いたとき、天皇家の使者が藩士一人ひとりの子孫を調べ、すべてを回っていたのかと驚いたのです。会津藩は朝敵とされ攻撃を受け、多くの人々が命を落としました。全部回るのは到底無理ではないのか、、。そこで考えたのは曽祖父の死因だったのです。曽祖父は明治時代に小樽で殺されています。
ネット上でこんなこと書いていいのか、、、ですが、、。
実は、私は秋篠宮紀子妃とは血縁です。以前「紀子組」なんて書きましたけれど、40歳で第三子を産んだことが同じなだけではなく、ほんとに「紀子組」なんです。明治維新前の代で繋がっているので私の曽祖父の死は関係がないのですが。ただ、朝敵の汚名を着せられた家のもの同士、悠仁さまご誕生については感慨深いものがありました。
昨年の秋、自分のルーツをたどって発見した先祖の生家。140年の時を超えて先祖が何を伝えようとしているのか、ずっとそのことを考えていました。

安倍総理が会津藩に本当に詫びる気持ちがあるのなら、どうかお願いしたいことがあるのです。

明治維新で多くの命が失われました。そしてその後、日本がたどった歴史の中で、多くの尊い命が失われています。日本ばかりでなく、中国、朝鮮、東南アジアなど周辺の国々の尊い命も奪いました。私たちの国はこれ以上命を奪う国になってはいけないのです。失われた尊い命すべてを背負って今私たちは生きている。このことを忘れてはならないと思います。
二度と戦争はしない。これこそが私たちの国の使命なのだと思います。
戊辰戦争では長州藩も多くの犠牲を出しています。今宵鶴ヶ城は満開の桜の中。平和な世で命を全うすることがどんなに幸せなことなのか。それができなかった多くの先人たちの無念の思い。これを忘れずに為政者の責任を全うしていただきたいのです。
会津藩士の血を引く秋篠宮家の親王のご誕生。
これこそ、二度と再び戦うことのない世を作ってほしいという日本の国の願いであると思います。



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