美しい夕焼け

美しい晩年を目指して

夫の思い出

2023-04-06 13:28:28 | 
夫が亡くなって、7か月たちました。今は、夫のことを思うとき、夫の姿は、生きているときのままに見えるのですが、でも、やっぱり肉がないし、心の動きが分かる目の表情はないのです。それはとても寂しいことです。

何か夫のことを思い出して、書いてみたいと思います。夫が、動いていた時、話していた時、面白かったことや、つまらなかったことなど、書いてみようと思います。

夫が倒れるまで、私たちは、夜10時ころに住宅街の中を歩いていました。その日は、寒かったのでしょう、私は、真っ白の綿入れのブルゾンとパンツをはいていました。

夫が後ろから私に追いついて、「あなたは、白い夜の蝶みたいだね」といいました。

なるほど、私は運動が苦手なのでしっかりとした歩き方ではなく、ひらひらと歩いていたのでしょう。白い夜の蝶というのは、とてもよく表した言い方だったと思います。

白い夜の蝶は、ちゃんとした目的も持たず、周りを見ながら、何かを探していたのかもしれません。

夫は、とても面白い言葉を使うことがありました。大学の卒論は、「永井荷風」で、若いころは小説も読んでいました。中年になってから、小説は読まなくなり、哲学書や歴史書、政治や経済の記事などを読んでいましたけれど。

私はその時のことをよく覚えていて、自分が、白い怪しげな蝶になった気分で、面白がっていました。

夫は、人をほめるのが上手で、私はほめられ過ぎかもしれません。

下の写真は、歩いているとき、イルミネーションをしている家があり、とてもきれいだったので、三脚を持っていき写させてもらった写真です。このころは、イルミネーションをしているお宅がたくさんありました。これは、2005年のクリスマスのころの写真です。3件のお宅で連続して、イルミネーションをしてあります。


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白い足の椅子

2023-04-03 16:46:12 | 私の日々
私は、ヨーロッパ風の家具を置きたいと思ってきました。繊細で、落ち着いた感じになればいいと思ってきました。イギリス風がいいかなーとも思ってきました。
 


それで、家具はそんな風なものを置いて、ヨーロッパ風のアンティークな雰囲気を気に入っていました。

でも、物は傷みます。夫が亡くなってから、もう贅沢はできないから、何でも我慢しようね、と母と話してはいるのですが、この頃私のデスクの椅子の背もたれの籐の部分が破れてきました。

洋服に引っかかるようになって、気になり始めました。これはやっぱり買い替えなくてはならないかと、思うようになりました。



物は、傷みます。人間だって傷んでくるし、動植物も傷みます。老いという名の傷みです。私や母のこと、チャーリーのこと、薔薇だって、30年の寿命といわれています。年を取ると、薔薇も勢いが亡くなり、花も小さくなるようです。

物は、生きているものほど、目立ちませんが、やはり衰えるし、寿命が来ます。私は、命のあるものも、無機質なものも衰えて、入れ替わっていくものだと思っています。

そして、わが家のリビングの机の椅子は、ちょっと衰えてしまったようです。そこで、おやつをちょっと(かなりかも?)控えて、椅子を買いましょう、ということになりました。

ところが、好みも変わるのです。今までは、イギリス風がいいよねーと思っていたのに、いつの間にかイタリア風がいいんじゃない、と思うようになりました。

今まで買ってきた家具屋さんでは同じようなものしか買えません。もし、家具を買うのなら、ここで買いたいと思っていたインターネットの家具屋さんがあります。そこでイタリア風を買おう! と思っていた家具屋さんが、3月に閉店することになりました。

かなりのショックでしたが、でも、椅子は買えます。パソコンの画面とにらめっこして、今までの椅子と同じくらいの大きさの椅子を買うことにしました。

 

白い縁取りの椅子です。とても素敵な椅子ですが、ちょっと大きい、足がでかい、部屋に入ると、椅子が女王様のように鎮座ましましているのが、目に飛び込んできます。

最初は、大きいねー、椅子ばかり目立つねーといいながら、慣れるようにと思っていたら、やっぱり慣れるのです。目はとても不思議な働きをして、きれいじゃない? とか、思うようになりました。

座り心地もとてもよくて、今は、ちょっと動かすのが大変なのですが、気に入っています。そのうち、何の違和感もなくなるのでしょう。ほかの家具と同じように、古びてくると、きっとそこにあるのが当然と思うようになると思います。



写真は、最初に買った椅子の写真、机の前に置いた写真、そして、白い椅子、机の前の椅子、昔は、机の上もきれいに片づけていたのですが、今は、もう元気がなくて、片づけの気持ちもなくなりました。写真を小さく切り取っているのは、書類の塊が見えなくなるように、という魂胆です。

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