この頃、友達のこと家族のことを書いてきました。私にとってとても大切なものだからです。生きていく上で、それは思いがけない宝物のように大切なものだと思うからです。それで、あと少し、私が育てた犬たちのことを書きたいと思います。
私は今育てているチャーリーの前に、メリーとローリーというミニチュアダックスフントを育てていました。そのローリーのこと、メリーのことを書きたいと思います。
ローリーは、メリーが生んだ子犬の1匹です。家で生まれた時、一番小さくて、弱そうだったので、家で飼うことにしたのでした。
ところが、体は弱かったのですが(アレルギー体質でした)、気持ちは、やんちゃでストレートな表現をする犬でした。こげ茶でスムースのローリーが長い耳をたなびかせて走る姿は、見とれるほど、かっこよかったです。
若いころは、無頓着で、自分の思うように走って転んで、という感じの犬でしたが、メリーが死んだあとは、まったく元気をなくしてしまい、病気ばかりしていました。
ローリーはメリーが大好きで、メリーが乳がんの手術をして、1日入院した時には、帰ってきたメリーを見て、家中の部屋を走り回って喜びました。
年を取って散歩に行かなくなったメリーを見て、散歩に連れて行くと、メリーちゃんは? という風に後ろを振り返りながら、嫌がるのです。
そのうち、座り込んで、「お母さん、僕はメリーちゃんが行かないなら、散歩に行きたくない」というように私を見上げて言うように思えました。でも、ローくん、お散歩には行かなくちゃだめだよ、と引っ張っていっていたことを思い出すと、犬も感情があるのだと痛感します。
薔薇を見に来た人みんなと仲良しで抱かれていたり、座っている私の膝の上に座りにきたり、人を恐れず、人を好きだったと思います。そんな感情のストレートなところがとてもかわいらしく、私はローリーを愛していました。
ローリーも私を好きだったと思います。家族みんなを好きだったと思います。愛情が豊かでのびやかで、そんなローリーを思い出すと、笑みが浮かびます。
ローリーは16才で老衰で死にました。最後まで、のびやかな自然な様子で死にました。今も私はローリーを心から愛しています。そして、人間と犬との間も、愛情でつながれるのだと信じています。