美しい夕焼け

美しい晩年を目指して

夫のエピソード

2022-01-30 15:25:12 | 
夫のことを考えると、胸が苦しくなります。

夫が家に帰りたいというので、病院から家に帰りました。みんなに無理だといわれたのに。そして、やっぱり無理だったのでしょう、私が病気になりました。

結局、家には帰れず施設に入ることになりました。今は、コロナ感染してはいけないので、面会さえもできません。

家が大好きな夫のことを思うと、本当に何とかならないのかと思います。コロナは、弱いものに特に厳しい病気ですね。

そんな風に、夫のことを考えている日々ですが、元気なころに、時々、ふざけたことや、むきになったことなどがあったなーと思い出しています。

そんな中で、暗いお話でないものを書いてみようと思います。

私の家は、広島市の中心からバスで約1時間くらいかかります。私は、週に1回程度、おけいこ事などに通っていました。往復バスで。

バスに乗ったときは、起きているのですが、途中で、必ず熟睡していました。家の近くまで来ると、ちょうどよい時間になるのでしょう、目は覚めるのですが。

ある日、家の近くのちょっと乗客の移動があるバス停で、私はぐっすりと眠っていたのですが、男性の声で「ちょっと、すみません。ここいいですか?」といわれ、慌てて隣の席に置いておいた荷物を膝に乗せ、「はい、どうぞ」といいました。

隣に座った人が、意識的に私のほうに向いているようなので、その人をそっと見たのです。なんと、そこには、夫が座っているではありませんか。

「わー、びっくり」と驚いている私に、夫は、一度こういうことしてみたかったんだ、と笑っています。夫は、外出するときは、仕事もレジャーも車ですから、バスに乗ることは、ほとんどないのです。

私が出かけることが分かっていて、自分がバスで家に帰ることなど、なかなかないものですから、今日こそは、と私が乗っているバスを待っていたのだそうです。

そして、私がぐっすり眠っているのを見つけ、知らない人のように、声をかけようとしたのです。本当にお暇で、かわいい夫のエピソードでした。

夫の年はきっと60代の初めのころだったでしょう。今もその時の得意そうな顔をよく覚えています。そんな日があったなーと懐かしく、心がしびれるような気がします。


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面会中止になりました

2022-01-21 13:04:14 | 
広島県では、異常なコロナ感染のため、まんえん防止等重点措置が取られました。この頃は1000人程度の感染者が出たりします。

そのせいで、夫との面会は中止ということになりました。本当に残念です。夫が何も変化のない日々を送っていることを、とても辛く感じています。そばにいて何かしゃべっていたいと強く思いますが、これは私の思いだけでは、どうすることもできません。

この頃は、私のほうも、先のことを考えることもなく、昔のことばかり考えます。そんな中から、少しでも楽しいことを思い出して、書いてみようと思います。まずは夫との間に起こったことを何個か書いてみますね。

私は、18年前に乳がんの手術をしました。その頃は、5年が完治の目安になるといわれていました。5年目の検査の時、夫も母もついてきてくれました。

検査の結果を聞くときは、いつもとても緊張して、再発していませんようにと思っていました。そして、先生の大丈夫でしたよ、という言葉を聞くと、本当に嬉しくて心から喜びがあふれてきました。

乳がんが再発するのは、5年までが多いということを聞いていましたから、検査の日は、とても緊張していました。みんなが付いてきてくれたのも、私が緊張していたからかもしれません。

結果は、大丈夫だったのです。私は本当に嬉しくて、診察室から出た時に、夫と母とが待っている待合室に向かい、手を振り、笑いかけました。夫と母も、それは嬉しそうに、笑ってくれました。

それは、本当に嬉しい日でした。夫は、それからいつも、「あなたが5年の検査の日に診察室から出てきたとき、本当に嬉しそうだったよ。あの笑顔が、今までで一番嬉しそうだった」と言ってくれました。

夫のそれを言うときの顔は、いつも嬉しそうで、私の嬉しそうな顔を表現しようとしてくれているようでした。

思えば、それは、本当に一番うれしかった日だったかもしれません。そして、夫や母と、一緒に喜んだ日だったと思います。今は、もう、みんな健康とは言えず、そういう日が来ることもないでしょうから、とても記念になる日になりました。

コロナが収束して、夫の部屋で会うことができる日を待っています。そんな小さなことをおしゃべりできる日が、早く来ますように。


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この頃の日々

2022-01-15 14:38:22 | 私の日々
年末から年始にかけて、姪や甥の家族が訪ねてくれました。コロナ感染がひどくなってからは、私たちに、母と私ですが、感染してはいけないと、訪ねてきませんでした。もう2年位会っていませんでした。

姪も甥も子供が二人います。今3才、6才、7才、11才です。2年位前にあったときから、ずいぶん大きくなりました。赤ちゃんから、女の子になり、幼児から、男の子になり、一番上は、男の子から、少年になりました。

久しぶりに会ったのに、6才から上は、みんな私たちを覚えていましたし、一番下の子も、すぐになついてくれました。6才の子供は、チャーリーがとても好きで、チャーリーのような犬を飼いたいと親に頼んでいました。

7才の子は、夫のことを覚えていて、「おじいちゃん(そっかおじちゃんではないのよね)はどこにいるの?」ときき、一番上の子は、帰る時、「サトおじちゃんによろしくね」と言ってくれました。

私たちには、子供がいませんから、そういう小さな子供たちに会うことは、あまりありません。みんなかわいくて、母と私の気持ちを華やかにしてくれました。

福岡と岡山に住んでいるので、コロナ感染がひどくなければ、年に2回くらい訪ねてくれるでしょうが、この頃の様子では、難しいようです。

姪も甥も赤ちゃんの時から知っていますが、今、大人になって、家庭があって、子供たちがいて、もう私の知っている姪や甥ではないように思います。それでも、時々訪ねてくれることをとても嬉しく思います。



母のお誕生日が1月3日なので、姪がお誕生日のプレゼントに、フォトスタンドを贈ってくれました。それで、私はこのごろ写真をプリントするのに忙しくしています。

写真は、夫の入所している施設に飾るためとか、家でも、夫の元気なころのみんなの写真をフォトフレームに入れていましたが、それをこの機会に全部替えようと思ったのです。

夫は、元気なころ、春には、お休みの日には、どこかにドライブし、秋も、薔薇園など、見に連れて行ってくれました。日帰りできる中国地方の名所には、ほとんど行ったと思います。

年に1回くらいは、京都や奈良などに旅行をしました。沖縄や神戸や東京、博多や大分などにも行きました。夫とは、香港、グァムにも行きました。母とハワイにも行き、姪とイタリアにも行きました。

どこに行っても写真をたくさん写し、その中から、良い写真を選ぶというのも、大変な仕事です。この頃は、夫の元気だったころの写真の中から、夫を中心とした家族の写真、それと妹を含めて、みんなの笑顔の写真を探しています。

みんなの元気なころの写真を見ていると(夫が元気なころは、私も元気、母も若くて)、とても楽しそうで、こんな頃があったよねーと母や妹と話します。こんなに楽しかったころがあったのだから、今、みんな少しずつ不幸でも、ちょっと幸せな人生だったのじゃない、と思います。

これからは、毎月、フォトスタンドの写真を替えて、家族で楽しもうと思っています。写真を選び、フォトスタンド用にカットし、明るさなどを加工したりする楽しみに、この頃耽っています。


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あけましておめでとうございます

2022-01-01 14:52:26 | 私の日々

2022年が始まりました。皆様は、お元気で新年を迎えられましたか。

私は、新しい年になって、自分の体に痛みがないように、そして、日常のすべてが、自分の思う線上にあればいいと思っています。心を強く持たなくてはならないということですが。

穏やかな心と体で、毎日を過ごせればいいですね。できれば、楽しく愉快な日々であればもっといいですね。

今年もお年賀状用に絵を描きました。自分の写した薔薇の写真を見て、描きました。今は絵を描くこともお年賀状のためばかりですが、もっと絵を描く元気が欲しいと思います。

今年は、何か心が弾むようなことが起こればいいのですが。絵を描く元気が出てくるとか・・・。

皆様の新しい年も、豊かな年になりますように願っています。


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