
元気のない日には、本を読むか、映画を観るかアニメを観る、それ以外はなるべくしないようにじっとしています。
2月から3月に小野不由美の「十二国記」の出版されているものを全部読みました。0巻から9巻まで文庫本15冊です。
「十二国記」は、中華風の王朝が12国あり、中央には、天山があり、そこで麒麟を育て、ある程度成長した麒麟が王を選んで国ができるという仕組みになっています。
各国にはそれぞれに麒麟がいて、王を選び、ともに国を作っていきます。よい王が選ばれると王朝は長く続き、民も平穏に過ごせますが、そこには陰謀などが散らばっているのです。
そのため、12か国は、2国だけが平安に続いていますが、他の10国は、それぞれに問題を抱えています。そこには謎があり、争いがあり、選ばれた王は、新しい国づくりに取り組んでいきます。そして物語が生まれるのです。
この異世界は、その仕組みに面白さがあり、麒麟という妖獣の存在などに驚きます。そして、日本とのつながりもあり、それによって苦汁をなめる王や麒麟の存在が物語を面白くしています。
いろいろな異世界の仕組みと物語の謎やミステリーに、ページをめくる手がもどかしく感じらるほどに、読む者を引き付けていきます。そして、その中で、やはり人間ドラマが心を熱くするのです。
人間ドラマの感動と、ダイナミックな活劇の躍動感、ミステリーや謎が解き明かされていくことへの納得、それらすべてが物語をぐんぐんと運んでくれます。
人間が完璧なものではなく、それぞれ個性的で欠点があり、物語の躍動感と共に、人間の様々な心のありように動かされ、その醍醐味もたっぷり味わうことのできる小説です。
まだ12国すべてが語られているわけではないので、これからの十二国記の展開を楽しみにしています。
挿絵が付いていて、この絵がとても素敵なのです。山田章博のイラストです。
私は、登場人物の中で、戴国の麒麟泰麒に魅力を感じています。美しく繊細で、でも潔い麒麟の泰麒に感動しているのです。
この頃ファンタジーを読んでいるのですが、様々な小説やノンフィクションでもそうであるように、ファンタジーにも読んで自分が動かされるものと、これはないよねーというものがあります。「十二国記」は物語の構造、人物の魅力、ダイナミックな人や国や妖獣などの動き、などに引きつけられ、読み始めたら離れることができません。
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