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美しい夕焼け

美しい晩年を目指して

ちょっといいこと

2025-02-21 03:17:46 | 私の日々
薔薇を育てていた頃は、つる薔薇の誘引に追われていました。でも、それは楽しみでもありました。どんなふうに誘引して、どんなふうに見せようか、それは薔薇を育てる大きな楽しみでした。

ところが今は、つる薔薇が枝を伸ばしているのを眺めて、ああどうしよう、という焦りばかりが沸き起こります。

体力のない私は、もうつる薔薇の世話ができないのです。つる薔薇は、放っておくことができない薔薇です。どんどん枝が伸びて、無秩序に膨らんでいきます。邪魔になることもあり、危ないこともあります。



そんなとき、妹が声をかけてくれます。つる薔薇の誘引を手伝うよ、と。薔薇の枝のいらないものは根元から切り、新しい枝を誘引していきます。なるべく少なく誘引して、背丈も低く整えます。

妹が手伝ってくれなければ、薔薇はもう抜かなくてはならないでしょう。私の体力では庭仕事はとても無理なので、妹のおかげで庭が体裁を整えられています。

誘引したつる薔薇は、形も整い、美しい姿に変わります。それを見ていると、ああ今年も5月には花が見られるなあと心が弾みます。



誘引したつる薔薇の写真を載せました。上から、スパニッシュ・ビューティー、春霞です。

そんなちょっと嬉しいことがあったとき、もう一つ発見があったのです。妹が買い物に連れて行ってくれる時、お化粧した後に、香水の瓶を見つけました。

ああそうだ、病気になる前は、いつも香水をつけていたなあと思い出しました。今は病院がほとんどの外出先なので、香水はつけません。

今日は買い物なのだから、ちょっと付けていこうかと胸元に吹きつけました。その香りがずっと私を追いかけて、少しだけ幸せを感じたのでした。

こんな小さな喜びが今の私の心を動かします。本当に小さなことですが。
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物語の世界

2025-02-02 15:27:18 | 私の日々
最近、ファンタジーを読んでいます。児童書からの続きという感じで読み始めましたが、それは心躍らせる物語で、私は今、夢中になっています。

「グイン・サーガ」「図書館の魔女」「八咫烏シリーズ」今はまた「十二国記」を読んでいます。

多くの主人公は、国を作ることに心を向かわせ、自分の個性を発揮して、夢のような国を作り上げていきます。そこまでには、心躍らせる物語や心震わせる人とのつながりなどが描かれていきます。

そんなの夢物語だといえば言えるでしょう。でも、私はそれに心を奪われています。現実には起こりえない事件や人とのつながりなどに、こんな風だったらどんなに心が満たされるだろうと思うのです。

自分の現実を見渡せば、薬を飲んでごまかしながら、日々の生活をぎりぎりやっています。100才になる母と15才のチャーリーの老いへの手助けをするだけで、もう毎日がいっぱいなのです。

何を望んでいるかと問われれば、映画館でいっぱいに広がった画面を、ああーと感嘆の気持ちで眺めること、お芝居やオペラに行って、俳優や歌手の表情やを見たり聴いたりすること、飛行機の上から雲を眺めること、列車に乗って知らない街を探検すること、そんなことなのです。

ただ、自分の現実の時間からぴょんと飛び出して、私自身がそれを経験したいのです。

体の具合だけでも、それは難しいことです。長い時間、歩けないし、横になることもできないのですから。

ファンタジーに心を躍らせることしかできない今の状況を、自分でもよくわかっているし、人は自分の人生を自分のようにしか生きられないということもよくわかっているのです。

今の私の有様を受け入れて、物語の時間を楽しむことができるだけでも、よいとしなくてはなりませんね。

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