4年前、チャーグ・ストラウス症候群にかかった時、ステロイドを多量に注入して、命は助かりました。ただ、そのせいだと思いますが、骨が非常に弱くなりました。
退院して、杖をつきながら歩いていた時、道路で転び、整形外科に行きました。その日は、骨に異常はないといわれたのですが、翌日、家で転び、その時は、痛くて歩けませんでした。
救急車で違う整形外科に運ばれ、股関節が骨折しているといわれました。そして、手術を受けました。
その後、歩けるようになるためのリハビリをしているときに、息が苦しくなり、総合病院へ運ばれました。エコノミック症候群で、すぐに手術をしなければならないといわれました。
そのあとは、意識がなくなり、妹夫婦が付き添ってくれて、心臓と肺の血栓をとる手術を受けました。
4時間くらいといわれたのに、6時間たっても手術は終わらず、妹は、私の命が心配だったといいました。
手術後は、痛みがあるからと、1週間、意識が戻らないようにしてありました。体中にパイプがつながれていて、それは無残な姿だったようです。
その時、私は、3種類くらいの夢を見ていました。
一つは、ベージュの石のタイルが小さな塊から、だんだん大きくなり、私を襲う夢でした。
もう一つは、悪の童話という感じで、動物や鳥や人形が、輪になって歌を歌ったり、光る着物を着て棚の上から見下ろしていたり、それが何かしら恐ろしくて私を押しつぶしました。
そして、もう一つは、血の池の中の私、それは命が終わる予感のような、そういう夢だったのです。
少しずつ意識が戻りはじめて、目を開けると、私がつながれた機械が見えて、目をつぶると、怖い夢を見ていました。
私は夢を見ているとき、こんな夢をずっと見るのはいやだ、と思っていました。
そのうち、目をつぶってもそういう夢は見なくなり、だんだん現実の世界を認識し始めて、私は命を取り留めたのでした。
今思うと、あの夢を見ているときは、命の終わりの世界を漂っていたのかなと思います。
その後、私は、一度死にかけて、あとの命もそれほど長くないだろうと思うようになりました。そうだとしたら、これから自分の思うように生きればいいと思ったのです。
でも、人が生きるというのは、なかなか難しくて、思うように生きれば、多くのものと戦わなくてはならず、我慢をすれば、ストレスがたまるという中で、これからどの程度自分を出していこうかと、悩んでいるところです。