馬頭琴の弦を交換する際には、テイルピース側の端に結び瘤を作って、抜けないようにする。モンゴル人
なら、輪っかを作り2回巻いてそのまま作業を進める。が、千人の馬頭琴演奏のための団体での練習時に
結び瘤が解けてすっぽ抜けるのを目撃した。またモタモタ作業を進めると、結び瘤が解けてしまい塩梅が
悪い。なので、結び瘤を何回か糸で縛って解けぬようにする。テイルピースから三つ編みを始めるまでの
間の弦の絡みを無くし、その状態を維持すべく弦を結える。モンゴル人なら弦の1本切ってそれで結える
が、ナイロン弦を同じナイロンで結えるのは、滑ってなかなか難しく、縛った際にギュッと力を入れると
簡単に切れてしまう。なので、木綿糸・絹糸・刺繍糸などを試した。やはり力加減が微妙で切れてしまう
し、左右の縛った色の部分が揃わないと・・・憂鬱になってしまう。で、より強く縛り易い素材を探した
ロンドンの英国ロイヤル・バレエ団でプリンシパルを務めた吉田都さんだったか、トウシューズの修理を
する際に、歯の隙間を掃除するデンタルフロスを使っている事を知り、試してみたら具合が良かったのだ
断面が正円では無く楕円で、手に力も入り易いしナイロン弦をしっかり捕えてくれる。なので、馬頭琴の
弦交換での使用を推奨している。まあ、大きなスーパーや普通のドラッグストアで容易に入手可能である
デンタルフロスの長さは50メートルで、馬頭琴の2本の弦を交換するには1メートル程度である、先日
2代目が終了した。で、商店街のドラッグストアで調達しようとしたら・・・2種類しか置いてなかった
ひとつ目が使用するとふわふわになって、歯の表面のあれこれを効果的に掻き出すと書かれていた。ふわ
ふわになるのは、私の意図には合わなさそうだな。で、ふたつ目の滑らかと書かれた、画像左のデンタル
フロスを購入したが・・・失敗した。どうにか2本の馬頭琴の弦交換を終えたが、細く・腰が無く・手で
しっかり掴めず・楕円形状では無く・・・しっかり縛れない。画像の右は2代目で、「オーラ2」だった
生徒が使用しているものを確かめてみたら、使い勝手が合格点の「クリニカ」ブランドであった。う〜ん
デンタルフロスの使い勝手としては正常な進化の産物なのだろうが、馬頭琴の弦交換には不都合な進化だ
薄い雲から陽射しの気配、風は無いが肌寒く、気温2〜11℃。 午後1時の気温7.9℃、湿度は41%
(11・169)36.1℃(75〜120)