馬頭琴日記

交通事故療養中に還暦を迎えた馬頭琴奏者が、馬頭琴に関する知識を書き遺します

裏・表板が平らなら 使えるかも?・・・新型サウンド・ポスト・セッター

2024-03-02 13:18:26 | 魂柱を立てる

モンゴル国製の馬頭琴の魂柱を1本だけ立てた経験で、結論を出してしまうのは早計なのかもしれないが

恐れず結論から言ってしまえば、少なくとも裏・表板がアーチトップ加工された馬頭琴(モンゴル国製・

最近の松の板を貼った内モンゴル製)では、上手く使えない可能性が高い。裏・表板が平らな、桐の板を

貼った従来型の馬頭琴であれば、使える様な気もする。そういえば、この新型の魂柱立てが良いと言って

いたのは、平らな桐の板を貼った従来型の内モンゴル製の馬頭琴所有者。魂柱の太さ・表板の形状の相性

持ち込まれた馬頭琴は、2018年製のモンゴル国の馬頭琴で、内モンゴルの真鍮ペグを装着する方式で

エレキベース用のギアペグが装着されている。当初立っていた魂柱の長さが短くて倒れたので、所有者が

東急ハンズで丸棒を購入し、アムラー師匠が新しい魂柱の長さを決めて、従来型の魂柱立てで立て直した

それが何らかの不都合で倒れたので、立て直しが依頼された。F 字穴の位置で、穴から0.5ミリほどはみ

出している。長さに過不足は無いと判断して、新型サウンド・ポスト・セッターで、この魂柱を立直して

みるが・・・けっこう難しい。魂柱を立てたい位置と、サウンド・ポスト・セッターを後ろに引く余裕が

F 字穴のデザインに上手くマッチしていなければならず、馬頭琴の F 字穴との相性があるのかもしれない

魂柱を挟むのは板バネで、かなりしっかり挟む事が出来る。しっかり挟めると言う事は、外す場合におい

ても、それなりの力が掛かる・・・のである。なので十中八九、外す段階で魂柱が倒れる。魂柱の太さは

内モンゴル製の馬頭琴で6ミリ径(バイオリン用)・モンゴル国製では8ミリ径(ヴィオラ用)が標準だ

今回の魂柱は、8ミリよりも太めだった。なので挟む力が強くなり過ぎて、離すのが難しかったかもしれ

ない。6ミリ径であれば挟む力が弱くなり、もう少しスムーズに離せるかもしれない。バネの部分を多少

広げて挟む力を弱めてやれば、もう少し使い易くなるかもしれない。どなたか、実験してみてください?

畝った雲が空を覆い、強めの北風が冷たく、気温3〜10℃。  午後1時の気温7.6℃、湿度は29%

時間の経過による回復か、昨日の脹脛への電気の照射の効果か? ずいぶんと楽になった左脹脛である

(11・153)36.1℃(74〜113)

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新型の魂柱立て・・・サウンド・ポスト・セッター バイオリン・ビオラ用・大 3,850円(税・送料込み)

2024-02-07 12:10:03 | 魂柱を立てる

馬頭琴の魂柱が倒れる原因は、年間を通して湿度が20〜30%の乾燥したモンゴルから、湿度の変化の

大きい日本に馬頭琴を持ち帰って、乾燥して収縮していた馬頭琴のボディが湿気で膨張し、湿度で長さの

変わらぬ魂柱が結果として短くなって倒れるのだ。なので、1回日本の気候に合った長さの魂柱を立てて

しまえば、倒れた魂柱を立て直すことは皆無の筈である。あとは、うっかり馬頭琴を倒してしまい衝撃を

与えねば、適正な魂柱はそうそう倒れない。なので、普通に馬頭琴を弾くだけなら、魂柱を立てるための

道具を用意する必要はない。馬頭琴の音質の変化を追求して、魂柱の位置の微妙な調整でもしない限りは

魂柱を立てるにしても調整するにしても、馬頭琴の F 字穴から行うデリケートな作業で、作業中に道具で

F 字穴を傷つけたり、表板に負荷をかけ過ぎて割ったりする可能性もあるし、よほど繊細な作業に自信と

腕力(微妙な調整には強靭な腕力が必須)がある場合を除いて、弦楽器工房の技術者に任せるべきである

と言いつつ、新型の魂柱立てを買ってしまった。商品説明を読んでも、使用者のコメントを読んでみても

この道具でどうやって挟んだ魂柱を離すのか? 操作方法が判らなかったからである。で、実物に魂柱を

挟んでだ状態で、軸の部分をあれこれ操作し・・・理解出来た。立てたい部分に魂柱が到達したら、軸の

上部を引くと、画像の様に魂柱の上部から外れてゆく。実際に作業はしていないが、直立していた魂柱が

引かれて少しだが斜めになると、上下のエッジで裏・表板に接して抵抗が大きくなって・・・外れるのだ

作業する際の注意は、立てたい位置に魂柱が到達した時点で、 F 字穴を傷つけぬ方向に軸が引けるように

セットする事と。この体勢で、魂柱の木目と馬頭琴の木目(ボディの上下方向)が直角に交差するように

魂柱を挟む事である。長〜い歴史のある西洋弦楽器の常識なので、取り敢えず従う事にしているお作法だ

音質の改善を試みるには従来の魂柱立ての、花びら様の凹んだ部分に魂柱を引っ掛け、押したり引いたり

左右に動かすのだが、じわ〜っと力を入れる必要があり、ぐい〜っと力を入れてしまうと呆気なく魂柱が

倒れてしまう。倒れた魂柱を拾い上げるには、専用の道具があるが2〜3000円くらいする。極端な話

割り箸の先端に縫い針を糸で巻いて取り付け、アロンアルファで固定した様なもので十分に事足りるのだ

地平に雲が浮く晴れ空、陽射し強く無風で暖かく、気温0〜10℃。 正午の気温7.1℃、湿度は51%

(11・165)36.6℃(75〜125)

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謎の魂柱立て・・・どうやって 適正な位置で 離すのか?

2024-01-30 13:05:07 | 魂柱を立てる

弦楽器の魂柱を立てるには「魂柱立て」という、一方が魂柱を刺す為の刃が付いて、他方は魂柱の位置を

調整する蛙の足の様な花びら形状になっている、平たく細長い金属の道具を使用する。細長い金属部分を

適切に曲げて作業しやすい角度に調整するのだ。が、刃の部分を魂柱に刺して固定する工程は結構難しい

ので、細めの丸棒の先端に裁縫用の針を取り付けた道具を自作して使用している事は、以前に書いた筈だ

縫い針の先端に魂柱を刺して立てたい位置まで差し込んで、普通の魂柱立ての花びらの隙間に魂柱を引っ

掛けて、押したり引いたりして、垂直に立てたり意図した位置に魂柱を移動させる。まあ、よほど器用な

方以外はお薦めしない。狭い F 字の穴から差し込んで行うデリケートな作業なので、F 字穴を傷つけたり

魂柱を移動させようとして不用意に表板に圧力を加えると、表板を破損させる可能性がある・・・からだ

馬頭琴関係者から以前これが使いやすいと、新種の魂柱立ての事を聞いた様な気がする・・・朧げな記憶

サウンド・ポスト・セッター・・・だ。下側の金属板に魂柱を挟んで、上の棒で立てる位置の確認をする

ようだ。が、どうやって魂柱を離すのか? 説明もされておらず、構造的にも不明である。実際に使って

みた方の記事を読んだのだが、「どうやって魂柱が金属部分から離れたのかは判らない」と書かれていた

推測するに、適正に長さが調整された魂柱が、定位置に収まってしっかりと表板と裏板に挟まると、その

抵抗で外れるような気がする。そうであれば、「適正な長さの魂柱にだけ有効」となってしまいそうだな

新作したり、好みの音の良い位置に魂柱を移動させて調整するような場合だと、使えないような気がする

馬頭琴の魂柱が倒れる原因は、乾燥したモンゴルから夏の湿度の高い日本に持ち帰って、ボディが湿度で

膨らんで魂柱の長さが不足するのだ。で、少し長めの魂柱を新作して立て直す。後は、馬頭琴を倒したり

すると呆気なく倒れたりするが。ちょっと使ってみたい気もするが、無駄になってしまいそうな気もする

地平に雲が滲む晴れ空、心地よい北のそよ風、気温2〜13℃。 午後1時の気温11.6℃、湿度31%

(11・168)36.1℃(75〜126)

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