生徒に貸与している、内モンゴル・布和工房製の馬頭琴の桐材の表板の、下駒からボディ上方に向かって
ひび割れが発生しているのを発見したのは2週間前の事。本日再確認したところでは、変化は無いように
見えるが、生徒の不安材料を払拭する為に、替わりに同じ布和工房製のチ・ボラグスペシャルを貸与した
表板の下駒と変形 F 字穴の間には、バスバーが貼り付けられている。バスバーの位置の表板は、少し盛り
上がっている・・・というか、この位置が表板の正常な高さである。そこから緩やかに、ひび割れが生じ
ている部分が凹んでいる。単純に言ってしまえば、下駒に掛かる弦の圧力に、桐材の表板が負けて凹んで
ひび割れした・・・という感じか。布和工房2001年製作の2号では、この様な不具合は未発生である
さて、修理方法である。ひび割れた部分に、タイトボンド液体膠を流し込んで接着する。ひび割れ部分の
内側に、菱形のパッチを貼り付けて補強する・・・というのが一般的な修理法だ。が、内モンゴルの桐の
表板の馬頭琴では、表板を剥がすのが一苦労である。馬頭琴のボディの四角に、側板の接着部分を隠す為
飾りの薄板が貼られていて、その上から塗装されている。表板を剥がす為に、鋭利な刃物で塗膜・薄板に
切り込みを入れてから、通常の膠の剥離せねばならない。物凄く丁寧な補修をしなければ、飾りの薄板に
切削痕が残ってしまう。表板の貼り替えられた馬頭琴を見た事があるが、この傷はしっかりと残っていた
変形 F 字穴から西洋弦楽器用のクランプを差し込んで、パッチを接着する方法もあるが、がっちり適切な
場所にパッチを貼るのは至難の技で、チベット仏教の有難い印と言われている変形 F 字穴が、更に作業を
難しくしている。表板を剥がして裏側の状況を見て、補強だけで済むのか? 最悪の場合は表板の交換と
いう重篤な修理になるかも知れない。池の上の楽器屋の高木氏にでも、相談して・・・外注しようかな?
小雨が降ったり止んだり、猛烈に蒸し暑く、気温24〜30℃。 午後1時の気温28.2℃、湿度78%
午前中は馬頭琴レッスン。 午後から先日型取りした、 右下奥歯の金属装着の為に歯科医院を訪問予定だ
(11・129)36.5℃(78〜116)