バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

夏の作文教室が残したもの

2016-08-30 14:46:16 | パンセ
バネの夏休み作文教室。
通常1年間で形にするところをほんのさわりの4回で何かを伝え、何らかの成果を残したい。
という気持ちで始めた。

1回目は作文を書くにあたり守ってほしいことを説明し、そのあと長い時間かけ日常の中からネタを見つけ最後に魅力的なタイトルをつけてほしいと話した。例文を示しながら。
「ふん、ふん」と聞き入り、時折「なるほど」などと相の手を入れる小学生。
本当にわかっているのだろうか。ただ単にこの子は素直でいい子なだけなのではないだろうか。
「いま説明した内容をぎゅっと詰めた物語を先生が作ったから、読んでみて」
説明だけじゃ伝わらないだろうと、説明事項のポイントを詰め込んだ見本の物語を前日までに作っておいた。

書き出し。日常のネタ。小さなシーン。登場人物のキャラを引き出す会話。
10分間程度のできごとを掘り下げて原稿用紙6枚分にしていること。
日常のありふれたできごとから、話題を見つける視点を感じてほしかった。
そしてこの物語に、読後「なるほど」となる題名をつけることを1日目の課題とした。

小学生がしばらく考えてつけた題名は、案の定普通だった。
先生がつけた題名を告げると、「そうなんだー!」って言いながらメモしている。
これが正解ってわけじゃないけどね、もっといいタイトルがあればそれにしてもいいよと言うと、そんな話には耳をかさず、「なるほどー。そうなんだー」を連発する。
小学生がうなったタイトルは
「次は回転寿司で」
この場合「で」が重要なんだよねとつけ足すと、「そうだ、そうだ」と喜んでいる。
タイトルに込められたオチがわかったように見受けられる。

さて2回目レッスン。
タイトルの付け方がわかった風だったので、1回目の物語の続編にタイトルをつけるようにと言うと、
「続きがあるの?やったー」

タイトルそっちのけ。
この後どうなるの?自分だったらこうする、と話は続いた。

レッスン用に書いた物語。タイトルレッスンのために第3話まで書いた。
そして今、この物語は夏期講習レッスン用ではなく、自分の中で小学生の女の子が生き成長し始めている。


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