バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

本気の「気」

2015-06-12 16:19:33 | NPO法人アルファバドミントンネットワーク
インターハイ予選女子ダブルスにて。
某高校の体育館で行われた。選手用のスペースや観客席は十分にないだろうから、会場ごった返しだっただろうなと思う。
だったというのは、自分は観に行かなかったから。
庭木剪定やら、自治会活動があって行かれなかった。

帰宅後夫はその試合の様子を事細かに説明してくれた。うるうるしながら。
特に決勝戦のこと。
選手の様子、ラリーの内容、観客席の反応。これらの会場の空気。

ふんふんと聞きながら、世紀の名勝負だったらしいこの試合を見逃したのは、つくづく残念に思う。どんなにうまく説明してもらっても、臨場感を想像しても、本物の感動を得ることはできない。ラリー中の選手の息づかい、静まりかえる館内、そして喝采。そんなシーンを目に浮かべることはできる。でも現場で、その場で皆と感動を共有したかった。

同校対決となった決勝戦は、端から見れば緊張感も応援のしがいもない試合かもしれないけれど、当の本人にとっては本気の一番。そんな彼女たちの「気」が圧巻だったらしい。
それはチャンピオンを目指す、プラスの「気」。

何かを一生懸命にやっている人が出す「気」はエネルギーに満ちあふれている。


大きい子と小さい子

2015-06-11 16:49:34 | NPO法人アルファバドミントンネットワーク
毎週水曜のアルファクラブは、プロジェクト名は「対話型スポーツによる異世代交流」である。ネーミングとしてはちょっと長いし、説明じみている。
次年度はネーミングを変えてみようか。
でもこのネーミングは目的を表現しているから、それはそれで良い。

自分が子どもの頃、放課後の遊び場は学校の校庭であり、北向き観音の境内や家の前の道路だった。「ごはんだよ」の声で1人抜け2人抜けして、家に飛び込むように帰ると、ちゃぶ台には夕食が用意されていて、「手を洗ってきなさい!」が合い言葉のように繰り返され、家族全員で食卓を囲んだものだった。これぞ日本の正しい小学生の夕食風景。
おっと、話がそれてしまう。
ここでは正しい日本の夕食について語ろうと思っているのではなく、放課後子ども達がつるんで遊んだことについてちょっと意見したいのですから。

大きい子も小さい子も一緒に遊んだ。
幼児の頃「いーれて」とモジモジしながら遊びに加えてもらった。大きい子にチェッめんどくせえのって顔されたり、「こっちにおいで」ってリードされたり。
そんな風にして大きい子のあとを必死で追いかけるようにして境内で遊んでいたとき、手の甲を蜂に刺された。手に切れるような痛みが走った。すぐさま大きい子達にとりまかれ、蜂の毒を吸い出してもらったり、水でひやしてもらったりした。その少し前に自分の周りに来た蜂を追い払った大きい子が「自分のせいだ」とわびてきた。そのあとみんなで家まで送ってくれた。
いつしか自分が大きい子になったとき、あのときの大きい子をモデルにしていた様に思う。でもさすがに蜂の毒を吸ってあげるような振る舞いは、できたかどうかは定かではない。

アルファクラブでは幼児から高校生が一緒に練習している。
体を動かしたい、バドミントンうまくなりたい、もっと打ちたい、何かを習いたいという子ども達が集まっているけど、大人は時に「大きい子」になるのをやめて気配を消していようと思う。

ゆずり葉の頃

2015-06-07 09:41:33 | パンセ
 ドラマで気になるのは、生活感がないこと。
 一人暮らしであんなに部屋片付いているわけないとか、あんなに広い部屋に住めるわけないと突っ込み入れながら見ているから、夢ないよね。「素敵」と単純にときめきを楽しんでおけばいいのにね。
 ロケ地なんかだときれいなところだけ、都合いいところだけ写して、見せたくないものは脇に寄せておくから、あの川は○○、あの通りは○○などと切り貼りロケして、たまに別所温泉やその界隈が映画なんかで登場すると、「へー、こうやって貼り付けると立派に見えるもんだね」とか、悪いイメージで使われがっかり感漂うこともあり、地元民は見せる手法に感心するわけです。

 「ゆずり葉の頃」
 先日特別鑑賞券をいただいたので、岩波ホールに観に行ってきました。
 平日午前の部だから空いているだろうと思いきや、開演30分前でもうすでにロビーは人で一杯。高齢の女性が多い。それも皆品が良い。ほどなく開場し席につきゆったりと待つ。周囲の雰囲気がそうさせるのか、このまま眠ってもいいかもと思えるほどゆったりした気分。
 映画は八千草薫さんをはじめとした出演者の品格が漂って、感じ悪い人が一人もいないのでした。この映画が伝えたかったことはたぶん自分には十分伝わってなくて、それは世代的に無理なのであって、あと20年ほどして観たらまた違う感慨が押し寄せてくるのだろうなと思います。
 
 というわけでここではストーリーには触れず、ロケ地の映像について感想を一言。
 ストーリーは北軽井沢を舞台としていたので、もしかしたら上田でロケしているかもしれないから馴染みのある景色が出ないかと気にかけて観ていました。山の形を見れば位置がわかるけど、終始曇天で山が見渡せない。でもどこかで見たことがある風景。山麓の斜面感があるから小諸あたりかなと思いながら観るうち、自分の中ではそこはすっかり浅間山麓に広がる田園地帯となっていました。違和感なくそこにいる気分が心地よい。
 そうかこれは景色の切り貼りしていないからだ。曇天なら曇天のまま。雄大な山の景色を望めないなら、そのまま。農作業小屋もエキストラも普通のまま。もしかしたら制作のために本来そこにはないバス停のベンチを置いたかもしれないけれど、自然を演出している感じはしなかった。無理はするけど無理はしない。こだわるけれどこだわらない。
 
 この映画の監督さんは76歳の女性で、今回初監督作品だそうです。