バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

歩く姿は皇室犬

2016-08-30 15:45:38 | 川上犬
夏休みは夏期講習だけでなく、結構出かけた。
そしてその間、バンを動物病院に預けた。
7月後半、長野合宿での4日間。
8月上旬、岡山インターハイで7日間。

食べない。正確にはドッグフードは食べない。缶詰でもだめ。高級ランクでもだめ。パック開けた瞬間に顔を背ける始末。でも人の食事なら食べる。そして、吐き戻す。ほとんど1日中寝ていて、歩けばヨタヨタして座ったままおしっこしてしまうこともある。こんな状態で預けて大丈夫なのだろうか。もし前日状態悪くなったなら、長野合宿は行くのはやめよう。チャーは「それは、困る」っていうけど、ここは一つバン優先ってことで。

食べては吐くの繰り返しだけど、おおむね大きな変化はなかったので動物病院に連れて行くと、「バンちゃん、よく来たね」と先生はバンにエリザベスを装着。そしてバンは先生に抱っこされて奥の部屋へと消えていった。
食べると吐き戻しするんですけどと伝えても、「大丈夫ですよ」と先生はとてもおおらかに迎えてくれた。3月にも何日かこちらにお願いしているから「先生はバンちゃんのことわかっていますから」と看護師さんも大丈夫と言ってくれる。

長野から帰り、速攻でバンを迎えに行くと、預ける前より元気になっている。
「ごはん、ちゃんと食べてましたよ」って説明だったので、何を食べたのかと確認すると、「これです」と差し出されたのはごく普通のアルミパックフード。ただし小さい。100グラム。
「これを1日3回でしたよ。」
そこだ!
1日3回、それだ。なんてこったい、とガーンとやられた感じ。
本で読んで知っていた。子犬や高齢犬は一度にエサをやらずに、小分けにやらないといけないと。なのに、バンにはずーっと1日1回、それも我々の遅い夕飯の時間帯にまとめてやっていた。高齢になってもその調子だった。これがいけなかったんだ。

すぐに同じアルミパックを買い、朝、昼、夕3食生活に変えた。


電気検針の人。宅急便の人。コピー集金の人。いつも来ている人がすっかり弱ったバンに気の毒そうに声をかけ、「来月来られる時までもつかわかりません」なんて言うと、皆頭をなでたり、中には写真撮ったりしていったのに、
今や3食規則正しい生活のおかげなのか、高齢なりの問題、見えないとか聞こえないとか、足あげておしっこできないとかは抱えているけど、それなりに落ち着いて生活している。

バタンと寝ている姿見て、「あっ!」と凝視し、腹部がかすかに上下しているのを確認してホッとするなんて日々を続けていたけど、こちらもバンの老いに慣れ、高齢犬とはこういうものとなじんできた気がする。

つい半年前まで散歩の時はハッ、ハッと全身で引っ張り、全力で走っていた。ゆったり優雅に歩く犬をうらやましく見ていた日々が遠い昔のよう。



夏の作文教室が残したもの

2016-08-30 14:46:16 | パンセ
バネの夏休み作文教室。
通常1年間で形にするところをほんのさわりの4回で何かを伝え、何らかの成果を残したい。
という気持ちで始めた。

1回目は作文を書くにあたり守ってほしいことを説明し、そのあと長い時間かけ日常の中からネタを見つけ最後に魅力的なタイトルをつけてほしいと話した。例文を示しながら。
「ふん、ふん」と聞き入り、時折「なるほど」などと相の手を入れる小学生。
本当にわかっているのだろうか。ただ単にこの子は素直でいい子なだけなのではないだろうか。
「いま説明した内容をぎゅっと詰めた物語を先生が作ったから、読んでみて」
説明だけじゃ伝わらないだろうと、説明事項のポイントを詰め込んだ見本の物語を前日までに作っておいた。

書き出し。日常のネタ。小さなシーン。登場人物のキャラを引き出す会話。
10分間程度のできごとを掘り下げて原稿用紙6枚分にしていること。
日常のありふれたできごとから、話題を見つける視点を感じてほしかった。
そしてこの物語に、読後「なるほど」となる題名をつけることを1日目の課題とした。

小学生がしばらく考えてつけた題名は、案の定普通だった。
先生がつけた題名を告げると、「そうなんだー!」って言いながらメモしている。
これが正解ってわけじゃないけどね、もっといいタイトルがあればそれにしてもいいよと言うと、そんな話には耳をかさず、「なるほどー。そうなんだー」を連発する。
小学生がうなったタイトルは
「次は回転寿司で」
この場合「で」が重要なんだよねとつけ足すと、「そうだ、そうだ」と喜んでいる。
タイトルに込められたオチがわかったように見受けられる。

さて2回目レッスン。
タイトルの付け方がわかった風だったので、1回目の物語の続編にタイトルをつけるようにと言うと、
「続きがあるの?やったー」

タイトルそっちのけ。
この後どうなるの?自分だったらこうする、と話は続いた。

レッスン用に書いた物語。タイトルレッスンのために第3話まで書いた。
そして今、この物語は夏期講習レッスン用ではなく、自分の中で小学生の女の子が生き成長し始めている。

夏期講習雑感

2016-08-30 14:12:17 | バネ
バネの夏期講習が終わった。
今年はバネ初の企画として、小学生朝自習教室と作文教室を朝8時から入れた。
どうなることやら。
正直なところこんな思いでスタートした。

これらの小学生向け講座意外に、次から次と続く通常生の夏期講習をなめらかにかつ効率的に、そして情熱的に進めるためにはどうしたものか。
朝から小学生を元気よく迎え入れ夜まで授業をやっているシーンをイメージした結果、生徒と先生との間に「これ!」が必要と感じられた。
それを講習前日までにセットした。
それは夏期講習ファイル。

各自用に個別に手作りした。
表紙、スケジュール表、各自の目標、そして毎日の振り返りシート。
いつもバネはそうなんだけど、同じ学年、レベル、目的の子が揃って板書説明で進めるような授業スタイルをとらない。極端なクラスは高校生の横で小学1年生が勉強することもあるくらい、無学年で各自のスタイルで学習を進めている。
連続日程で講習する夏期講習などは曜日で学年をコマ分けできないから、通常以上に混在クラスになってしまう。
でもなおかつ、なめらかで効率的、そして情熱的な授業にするには。

子ども達はその日の学習スケジュールをたて、ファイルに記入する。
適切な学習メニューかを授業最初に確認し、ホワイトボードに書き出す。
それに沿って各自学習する。そして授業最後に、達成度を各自振り返る。そこに先生がコメントをつける。
文字が乱雑な子、資料を整理できない子、こんな子も一様にスムーズに学習記録を残すには、このファイルが生きてくる。
また、フィルに記録が残るから、子ども達も「やった」感が残る。

「先生、朝授業があると助かります」
以前こんなことを言われ、心の片隅に残しておいたあるお母さんからの言葉。

「こういうの(朝自習)、冬休みもやってもらえるよね?」
と子ども達はその気になっているようだから、たぶん冬休みもやると思います。