バネの風

千葉県野田市の「学習教室BANETバネ」の授業内容や、川上犬、ギャラリー輝の事、おもしろい日常を綴ります。

真田幸村ロマンウォークの記 3

2012-10-31 08:31:56 | ライフスタイル
 我々一行は沓掛酒造に向かった。入口近くまで来ると、さっきまでずっと入口付近で人待ち顔をしていた女性がキビキビとした動きで「粕汁」を振る舞ってくれた。みそ汁の中に酒粕が溶け込んだもので、ほのかな酒粕の香りがしてとても美味しい。日本酒試飲サービスあるかななんて期待していたけど、買うわけじゃないので、いや買ってもいいけど荷物になってしまうから、ここは見るだけ。何か買った方がいいよねと思いながら店内見渡すと、入口に「鶴瓶の家族に乾杯」で訪れた奥田瑛二さんのパネルを発見。番組のことをお店の人と話している間に、同行者はレジ前に置いてあったみそケーキと酒ケーキを購入。これなら軽いし、いいおみやげになりましたね。
 どうしてここに来てみたいと思ったかと言うと、あれは結婚して間もない頃、いや結婚する前だったか。父が沓掛酒造の酒をプレゼントしたいといい、わざわざ買いに行ってくれたことがあった。記憶は定かではないけど,一緒に買いに行こうと父はチャーを誘ったような気もする。店に入った時にチャーは「ここ来たことある」というリアクションしなかったことから、父一人で買いに行ったということですね。
 店を出て再びコンビ二駐車場へ。まだ多くの人がここで休憩している。ちょっと足伸ばせば美味しい粕汁飲めるのにな,という思いと、お店の人は振るまい待ちしているから皆寄って欲しいというおせっかいで、しゃがみ込んでいる女性に声かけた。すると「さっき頂いてきましたよ。おいしかったですよ。」そうなんだ。みなさん我々よりずっと前に休憩ポイントに到着していたんですね。どこでいつ抜かれたのか。
 まだ大勢休憩しているけど我々はそこでリンゴを丸かじりせず手に持ったままスタート。そして西上田駅に向かう。ここまで順調なんだけど,ちょっと足が痛くなってきた。左足の指先が靴擦れなのか少し痛い。木造のレトロな西上田駅待合室で靴を履き直す。指と指が重なり,下になる方の指が痛い。先の休憩所の自治会館でトイレを借りた時に靴の紐をキツくしたせいかもしれない。靴先の紐を緩めにする。「じゃ、がんばってね」と言う声がするから顔をあげた。8キロコースの人はここで電車に乗り上田駅に戻ることになっている。高齢者グループの女性は8キロコースらしく、ここから電車。そのグループの男性は「お」と言い手を上げ駅の階段を上る。我々も靴を履き直し階段を上る。上りきったところでエレベーターからウォーカーが出て来た。ここでエレベーター使っちゃだめでしょう、ね。コンコースはランチタイムとなるような場所ではなく、ただのコンコース。高校生数名が通路に荷物を広げ窓に飾りを貼付けていた。そんな地元の人の通り道である通路を抜け西上田駅千曲川側に出ると、そこはガランと何もない。ロータリー造成中なのか、植栽中の職人さんがいるだけ。ロータリーには無料?と思われる駐車場と建て売り住宅が点在。ロータリーのベンチで昼食とっているグループがいたから,我々ももう一つのベンチでランチに。母がどっさり用意してくれたお稲荷さんをほおばる。食べることに夢中になっている間、前をウォーカーがパラパラと通り過ぎる。
 昼食なんだから1時間くらいゆっくりしたいけど,風も出てきたし何も見るところもないので,そろそろ出発するか。とその時,大きな声が響いた。それは植栽の職人さんが新人?を指導する声。エキサイトしている。あんな調子でも仕事終わればオフサイドになって一杯行くのかな?などと他人のドラマを想像。駅を背に進むと,正面には上田西高校。ここは市内唯一の私立高校。以前は上田原辺りにあったけど、移転して高名も変えたんだよね。確か最近野球が強かったような。のんびりした道に出ると向かいから野球部ランニング軍団が元気よく挨拶して通り過ぎる。いいね若者。写真撮ろうと思った瞬間には,後姿は校門をくぐっていた。しかし遥か前方に野球部もう一グループがやってくる。次はシャッターチャンス逃すまいと思いきや、その3人組は歩いている。一人が腹痛になったらしく,腹の辺りを押さえ苦しそうな顔をし,二人は仲間をかばうかの様にして歩いているところなのでした。その先,ここもコースなの?というような田んぼの間を通り抜け,千曲川堤防に出る。ここ、ここ。この道は是非歩きたいと思っていた。千曲川沿いって車で通り過ぎるだけで、歩いたことなかった。川を見ながらブラブラしてみたい。しかしここは左側通行なのでした。だから川見ながら歩けないのです。ウォーカーは人に迷惑をかけてはいけないので、ルールは守らなければならないのです,などと言いながら写真撮影で右側に行き、左側を歩きしているうちに、堤防コースはすぐに終了。
 次目指すはアクアプラザ。ここは市民の屋内プールで,以前母が通っていた。母がプールに通っていると知ったときは、よくその体が入る水着があったもんだと感心したけど、「アクアプラザではもっと大きいサイズも売っていたよ」と母は誇らしげだった。脇を通り過ぎようと思ったけど、中を見たくなったので立ち寄ることした。
 中はムワンとしている。暖房が効いていて、プールの湿度でメガネが曇る。フロントの人にお願いして中を見させてもらった。スリッパを借りて二階へ行く。ここはすごいぞ。何がって、土曜の昼なのにガラガラ。数人の高齢者が水中ウォーキング中。すごい贅沢な空間。フロントでアイス売っていた。食後のデザートに調度いいのに、同行者は食べないと言って歩き出してしまうから,「アイス、アイス」と心で反芻しながら一緒に歩き出す。一度アイスを食べるイメージを抱いてしまった我が脳みそは,ここから先はアイスのことばかり。ソフトクリーム食べ歩きしたい。この先、ソフトクリーム売っているところあっただろうかと考えながら歩くことになるのでした。

 
 軟らかい土の上を歩くから気持ちいい 正面は上田西高校



真田幸村ロマンウォークの記 2

2012-10-30 09:28:28 | ライフスタイル
 小学生の遠足作文は,その日の朝家を出るところから学校で集合している様子まで時系列に書き連ねられ、その後ポツポツとお弁当シーンまでたどり着き、そこでいきなり、「とても楽しかったです。」と締めくくられてしまう。結局何がどう楽しかったの?と聞きたくなる、あれ。こうならないよう気をつけたい。でも見た順に書きたい。それは実際に歩いたから。
 というわけで、矢出沢川の出たところからの続き。
 ゼッケンに住所書き込むから,それを見ると,この人たちは横浜の人かとか,安曇野から来たんだなどとわかる。自分も同じく背中のリュックに「野田市」貼付けて歩いているから、「千葉から来たんですか?」と声かけられた。こちらはグループ参加だったけど、その人は後でわかったけど,一人参加。今にして思えば,参加者同士おしゃべりしながら歩くことも楽しみの一つだったかもしれないけど、とにかく初参加のこちらとしては「歩くこと,景色を見ること」にパワー全開。歩き始めに話しかけてきたご婦人とは、池波正太郎館ではぐれたんだろうけど,その先点々と一緒になりながら歩くことになるのでした。
 道中、トイレ休憩の仲間を待つ間、沿道住民のおじさんと立ち話し。どこに名所があるとか、おじさんのルーツとかの話しを聞いている間、どんどんウォーカーに抜かれていく。みんな黙々と歩く。やはりこの先10キロあるぞと言う気分が、歩くことを究極の目的にしてしまうのかもしれない。歩道脇を農業用水が勢いよく流れている。飲めそうなほど透明。落ち葉が勢いよく流れて行く。皆その水の流れに追いつこうかとしている様に急ぎ足で歩く。
 遊歩道を出たところで待ち構えたように、市のパトロールカーが脇にやって来て、よく聞き取れなかったけど、たぶん「だいじょうぶですか」と声をかけてきた。そうやって参加者の安否を確認して回っているとのこと。信州鎌倉コースでは、リタイア組を拾って行く、と昨年参加者からの情報。
 国道を横切り,18号の山側の裏道に入る。さっきの川沿い遊歩道とは違い,車の往来がある。ちょっとうざく感じる。しかしよく考えたら,歩いている我々が非日常ではないですか。イベントに参加しているという特権意識を持ってはいけないのだ、と思い直しできるだけ横に広がらない様にした。沿道のお宅で,ボランティアなんだろうけど、ご夫婦が麦茶や柿、リンゴを振る舞っている。自宅でとれた唐辛子を並べている。先の休憩ポイントのおばさん達は、大急ぎでリンゴ追加したり,麦茶ついでくれる。もてなしのために、皆少し慌てている。それだけこのイベントの成功というか、振る舞うという行為そのものに一生懸命なんですね。だからこそ、参加者はゴミ落としたり,通行で車の邪魔になったりしてはいけないのです、と初心者は歩き始めて4キロ過ぎたあたりで気づくのでした。
 この辺りで,気づくと先のご婦人が横を歩いていた。上田大橋から長野寄りというのは未知のゾーン。18号で長野方面へ走る抜ける時以外は、そのあたりの道を車ででさえも通ったことない。長野新幹線の下をくぐると右手山の斜面に石垣の段々畑が連なる。紅葉が進み、あれは作り物かと思うほどの深紅が畑や家の庭先に点在している。上田は朝晩は冷え込み、日中は20度近くになるわけだから、この寒暖の差がこのような鮮やかの色を作るのですね。今年のうちの庭は紅葉は期待できない。夏の猛暑と乾燥で葉がすでにチリチリになっているし、今年は初夏に強剪定したから、葉の付きが悪いからね。その分、色づく道を堪能して歩こうと思う。
 塩尻のあたりは神社や工房などの見どころがたくさんあるけど、寄り道することなく歩き抜いた。寄ってみたいなという気持ちを、「後日自転車で来てゆっくり寄ればいいよ」と実現するかどうかわからないその後にとりあえず託し、歩き抜いてしまったという感じ。
 18号に合流するところで沓掛酒造に出た。ここは一度は来てみたいと思っていたところ。でも参加者の多くはその先のコンビニ駐車場で休憩していた。皆一様に小ぶりのリンゴを休憩所で丸かじりしている。昼食とっている人がいる様にも見えた。そろそろ昼か。誰も沓掛酒造には足を向けない。でも気になる。リンゴを受け取り、休むことなく歩き出そうとする我がグルーブを呼び止め、沓掛酒造に行こうと誘った。

 
 矢出川沿いの道 水の流れが速い

真田幸村ロマンウォークの記 1

2012-10-29 09:59:40 | ライフスタイル
 土曜日早朝家を出発。目的地上田に朝8時半には到着したい。
 上田市主催の第11回真田幸村ロマンウォークに申し込んだのは夏合宿で上田を訪れた時。練習会場の塩田運動公園に行った際ふと目にしたパンフレットがそれ。おもしろそう。コースがいくつかあるうち眼を引いたのは、「信州の鎌倉湯けむりコース」。しかしこれにはいくつか躊躇する点があった。まず距離が20キロと最長コースであること。行程はよく知る道であること。そしてもう一つは、ゴールが別所温泉であること。集合場所の上田に車で行き,別所でゴールし,電車に乗って車をとりに行く。20キロ歩いた後にこの流れはだめでしょう。というわけで、市内を巡る「城下町蚕都めぐりコース」13キロに挑戦した。
 20キロコースの方は登り下りがある。それに比べこちらは町中ブラブラ歩きが半分くらい占めるからお気楽に軽装で参加できる。とはいうものの、近年13キロも歩いたことない。歩けるのだろうかという不安が日程が近づくにつれ大きくなってきた。そこで練習を兼ねバンの散歩で遠出した。バンは最初はいい。走る,引っ張る。そうやっってハッハッと引っ張り歩きしているのに、5キロくらい過ぎると途端に振り向きながら歩く様になる。これはバンの「疲れたです」っていう合図。引っ張られ,小走りで歩くからこちらも疲れる。あー,今日はいっぱい歩いたって距離測で確認すると、たったの7キロ。実際はこの倍。本番はバンいないから何とかなるかなっていう思いと,大丈夫なんだろうかって思いがないまぜ。
 
 8時に到着すると、会場はすでに多くの参加者が集まり,受付は行列になっていた。皆しっかりした準備している。「歩きます!」って決意満々。広場では幸村公や九の一が写真撮影に応じている。出陣式で幸村御一行と一緒に準備体操を済ませ,いざ出陣!太鼓がなリ響き、さあと思いきや、これは20キロコースの出陣式でした。我々13キロコースとその他は、後ほど出陣することになっているのでした。
 20キロコースが出発すると,広場は空いてしまった。やはり信州の鎌倉コースは人気でしたか。それにしても高齢者が多かったけど,皆歩ききることできるのだろうかと他人事ながら心配してしまう。
 さて気を取り直して、さきほどフル参加した出陣式を最初からやり直し、もう一度幸村公と一緒にストレッチ体操し、出陣太鼓の鳴り響く中さっそうと出陣。見送りのスタッフに手を振られ、ちょっと照れる。こういうイベントに参加し,行列の一人になるのって苦手なんだけど,普段かぶらない帽子をかぶったことがプチ変装になったのか、意外と平気。 
 
 ここから始まる13キロの旅。
 まず上田城お堀から大手町に出て,池波正太郎館を目指す。麦茶と飴を頂き,館内を見学。ここまでは一緒にスタートした50人くらいが行列になっていたけど、出るころにはバラバラになった。映画の撮影スポットとして人気の高い柳町、紺屋町を通る。柳町は歩いたことあったけど,紺屋町は初めて。やっぱり信州鎌倉コースがよかったかな、などとコース選択に少々未練を残しながらのスタートだったけど、この辺りまで来て、実はこのコースは知らない上田の街並を実際に歩くことのなるのだとその価値に気づくのでした。国道の脇道の千曲川の支流になる矢出沢川沿いの遊歩道を進む。

 しかしこうして書いていると、これは小学生の遠足作文みたいになりそう。そして本日時間切れなので今日はここまで。

 
 出陣式

 
 北国街道 歩き始めで皆早足

 


  



レタスで女子会

2012-10-23 13:21:33 | ライフスタイル
 近所のスーパーでレタス買う気しない。多くの人が手に持ち,転がし,つかんでは投げてし、そうやって手あかが付いていて気持ち悪いから買う気にならない、云々と勇気を振り絞って売り場担当者に直訴したけど,その後売り場状況は変化なく、がっかり。
 そう言うわけで,レタス品出し中に遭遇した時に買う意外はレタス買わない。別の店はビニールで包んでいるから、どうしても欲しいときはそちらに足を伸ばすことにしていた。
 そんなレタスーな日々、新鮮レタス便が思わないところから突然やって来た。
 夕方,駐車場に止まった車から,ぞろぞろ降りてきたのはOBのお母さん達。そして「レタス、いる?」
 通りかかった畑で,農家の人に直接交渉して買ってきたと言うレタスが,車のトランクに笑っちゃうくらいぎゅう詰め状態。切り口からミルクが滴り落ちるような,取り立ての山。
 
 食べたい、すぐ食べたい。
 すると、「バネ終わったらうちに夕飯食べにおいで」って、突然の女子会セッティング。その新鮮レタスでしゃぶしゃぶ鍋をごちそうになった。

 今日は合宿だというお母さん達。いいね。


怒濤のサタデークラブ

2012-10-21 13:53:58 | Badminton
 昨日のサタデークラブから、小学1年生を新たに迎えた。その数26名。川間小を含め、市内の7つの小学校から1年生が集まってくる。ということは会場への誘導から対策する必要がある。スタッフにはいつもより早く集合してもらい、その日の流れを打ち合わせした。参加者の半数は1年生になるわけだから、これまでと同じ練習メニューではだめなわけ。かといって今までの子に対しては、試合を意識した練習を継続しなければならない。そして何より、学年や学校の枠を超えた縦割りメニュー取り入れなければ、サタクラとしての意義が半減してしまう。
 練習メニューは事前に準備しておいた。子どもが飽きずに続けられ、徐々に難易度を上げることで達成感が得られ、そして全てバドミントンの動きにつながるメニュー。これらが次々と瞬時に出せるようにカード式にして準備しておいた。これは夏期講習の初日に似ている。万全の準備で待つ。
 サタクラ開始の時間が近づくに連れ、どんどん子ども達が集まってくる。見学の保護者の皆さんもずらりと並ぶ。
 開所式でコーチが挨拶する。そういえば今日のコーチのうち3人は、小学生時代このコートで教えた子。それが社会人や高校生になって戻ってきたのです、と1年生達に説明したら、皆「ふーん」って顔していたのがちょっとおかしい。

 練習っていうのはどんなに準備しても、打ち合わせしても、予定通りにできるわけがない。誰が出席するか、コーチは誰か。子ども達の集中力は天気によっても左右される。途中子ども達の様子見ながら、カードをチラ見しながら動きのメニューを次々出していった。これも夏期講習初日にそっくり。お互いの緊張感と距離感。

 途中から1年生と2年生以上にわけ、1年生にはラケットワークを教えた。ここで登場するのが、この日のために準備した秘密兵器。子どもにとってバドミントンのラケットは重くて長い。振り上げるのも振り回すのも大変だから、もっと軽く振れる何かないか、と考えたあげく用意したのはもの、それは「はえたたき」。これはいい。握りは近いし、長さも子どもにちょうどいい。素振りは体が大きくなってから正しくできればいいから、それよりラケットを持ちながらコート走りまわることが大事。これなら軽いから楽に振り、走り回れるじゃん。ということで「ジャーン」と刀を抜くように目の前に出した秘密兵器に、子ども達の反応やいかに!
「えー、はえたたきじゃん。」
 喜んで受け取ったのは数名。なーんだ、って散った1年生多数。しかも「やっぱりラケットがいい」と一旦受け取った数名も途中からはえたたきには見向きもしないのでした。これの方が軽くていいのに、と思うのは大人の考えで、1年生だって、初心者だって、やはり本物を持ちたいってことかな。
 いろんなレベルを一度に進める夏期講習初日と同じ。ということは次回はもっとなめらかに指導できることでしょう。

 怒濤の2時間、そしてその後の1時間の追加練習を終え、コーチ陣で吉野家へ。
 そこで、社会人になった元川間ジュニア生コーチ曰く
 「これって、虫殺すやつでしょ?」って子ども達言ってましたよ。
 そうか、そういうことか。はえたたきは汚いという印象も影響したのか。
 
 この元川間ジュニア生コーチ達もそうだった。体育館に虫が死んでいると大騒ぎだった。ギャラリー掃除をみんなでやる時、蛾の死骸に悲鳴をあげていた。たかが虫じゃんと思うけど、こういう子どもの感性がわからなくなったということですね。

自由より規則で固めようか

2012-10-18 15:54:25 | バネ
 自由っていいよね、てなわけない。
 自制がきかない小中学生は、自由に弱い。

 高校時代制服がなかった。以前はあったけど、先輩達の運動により制服自由化は生徒が勝ち取った権利だそうだ。だそうだというのは、入学式翌日、生徒総会で3年生のお姉さんがそのようにおっしゃったから。そしてそのお姉さんはこう続けた。「せっかく勝ち取った権利だから、制服は着てこないように!」
 周りを見回すと制服の同級生が半分はいたかな。制服がないのに、なぜ制服を着てくるかというと、以前の制服はそれなりに愛用され売られているのです。
 自分は、着なくていいなら買う必要ないと制服は買わなかった。「でも制服くらい」と母は言い、知り合いの卒業生からお下がりを譲り受けてきたけど、それは古めかしく重たい生地のものだったこともあり、一度も着ることはなかった。
 実はこの後、「制服を着てこないように!」とことさら強調した先のお姉さんのことばの意味を痛く理解したのでした。

 制服がない。服装自由と言うことは、何着てもいいけど、高校生らしい選択をするためには何着てもいいって訳じゃない。そこに季節感も加わる。さらに、センス。もう一つは人とかぶらないこと。こんないろいろなことを毎日要求されるんだから、私服って楽じゃない。
 長野の季節の変わり目は特に状況厳しい。朝家を出るときはものすごく寒い。でも昼はそこそこに気温が上がる。じゃ、何着てくんだ?ってなる。毎日同じもの着ていくわけにいかない。でも次から次へと服買えるわけがない。(そもそも洋服の価格って、今以上に高かったような気がする) やっとの思いでイトーヨーカドーで買った服を、翌日スクールバスで隣の子が着ていた時の気まずさ。大金はたいて買った服を、次の週、商店街のバーゲン品で路上に吊されていた惨めさ。「かわいそー」という友達のことばが更に追い打ちをかけ、その服は封印。
 明日は何着ていこう。少ないワードローブをソックスに至るまで循環させ、工夫したあの日々。
 安易に制服に流れてはいけない、と誓った入学式の翌日があるから、そんな苦労は工夫に変わり、私服生活に慣れた頃。ちょっと愕然としたことがあった。
 修学旅行の時。バッグに入れた私服はシワクチャになる。しかし毎日同じ服というわけにはいかないから、いくつかのアイテムを苦心して持って行った。しかし、なんたることか。この時駅に集合した多くの同級生は制服を着てきた。「制服のほうが楽だもん!」 いつも私服派の人も、「実は入学式の時買ってあったんだ」って制服で登場。結局、みんな制服持ってたんかい? 
 楽とかそういう価値観で、あのときのお姉様のお言葉を裏切るのか、そんなことでいいのか!なんて心で啖呵を切り、一人私服で意地を通したのでした。もちろんその後卒業式も、私服。意地を通すのは、楽じゃない。

 そう、自由を得ると、意地をとおすことが必要になるんです。
 
 おい、中学生よ。
 自由だから何してもいいって思うでない。
 バネの時間も曜日も自由でいいんだから、適当に行けばいいってだらけてる君。
 なんのために中学生の時間も曜日も自由にしているか考えて欲しい。
 それは部活動と塾を両立できるようにするためでしょ。
 乱す人がいると、そこに規則が生まれる。
 
 自制できないなら、規則があった方が楽ということですかね。

ふたたび速読の危機

2012-10-07 10:10:26 | ライフスタイル
 読むべき本が机に重なる。その数12冊。
 1年前も同じことやっていた。どうしても今日中に読まなければならない。でも時間が足りない。こんな時、速読術を身につけていれば、などとその時思った。そして速読術について調べた。術というだけにこれは訓練して誰かから授かるものらしく、その手のスクールの受講費は100万円となることがわかった。これがもっと低廉ならやっていたかもしれない。今更100万かけてまでという思いと、とにかく今すぐに読まないといけないのだから、悠長に訓練など受けていられないという思いで、そのスクール案内はどこかへ行ってしまった。
 あれから1年、またまた浮上した速読のニーズ。
 でも今回はちょっと違う。
 不要なところを飛ばし読みすれば、1日二冊はいける。こんなものでいい。この程度に読めれば十分。

 と思った矢先、「言葉の力」(猪瀬直樹著)で著者が速読について語る部分が目をひいた。
 それはこう始まる。
 「巷間、流布されている速読術を僕は信用しない。速読とは文字を眼で追う速さでなく、読む価値があるかないかをつかむ速さである。」
 そうそう、そういうこと。などと実際この本を流し読みしている最中、この速読についてのくだりが眼にヒットしたわけ。

 ただ困ったことに、こうやって流し読みして、部分ヒット読みした本は頭に残らないということ。だから数年経って書棚を見た時、あーこんないい本うちにあったんだ!となる。持っていることも、読んだことも忘れているのである。頭というより,心に残っていない感じ。

 先の猪瀬氏の「言葉の力」では「読み聞かせの効果」をこう指摘している。親の読み聞かせは、子どもの心の能を育てるという。このくだりもヒット。特に読む母親側と聞く幼児側の脳の反応についての記述が超ヒット。
 

 
 
 

一筆書きの福笑い

2012-10-05 11:21:51 | 
 裸婦デッサンは今回で6回目。
 最初から木炭で通している。
 当初は何をどうするのかわからなかったが、枚数重ねるうち、何をどうしてもいいんだということがわかり、こうしたいが芽生え、そして「こうしろ」という被写体の声を感じた今回。ほとんどを制限時間の半分程度で描き上がるようになった。もうこれ以上手を加えると無駄な線が増えてしまう。だから残り時間は何もしないで待つ。そんな制作を続けた8枚目。いつもなら後ろで何か言う先生が、今回は7枚描きあげるまで何も言わなかったのに、そこで初めて話しかけてきた。

「なにか無理にあてはめようとしている。これ以上は言わないから、どうするかは自分で気づくように。とにかく悩んで、苦労した方がいい。」
 
 目の前に、本物の肉体がある。そのリアルを前にすると、肉の盛り上がりに吸い込まれる。部分に魅了される。塊をとらえ、動きをつかむ。こんなやりとりを画面でやっていたにもかかわらず、頭で感じ、頭で描いていた。それは、日頃油絵を描く時の癖なのかもしれない。最初のデッサンは実物でやったけど、その後は写真とイメージで色を置いて描きあげている。人体はリアルさも大事だけど、それよりも色の調和を大切にしている。もちろん毎回目の前にモデルがいるならそれにこしたことはないが、そうはいかないから、わからなくなると写真で確認する程度で仕上げに向けている。

 なんたることか。
 今は目の前にモデルがいる。なのにさっきから画面ばかり見ているではないか。
 油絵で人体の細部がわからないから、こうしてデッサンをはじめたはずなのに。

 次の1枚は、できる限り画面を見ないで描くようにした。モデルだけを見る。こうだと感じ手を動かす。
 そう言えば思い出した。小学生の工作の時間、担任の先生はこう言っていた。鏡を見ながら自分の顔を描く時、画用紙を見ないで一筆書きみたいに描く様にと。そして出来上がった福笑いみたいな顔に、みんなで大笑いしたっけ。
 ああ、あれだと思いながら、しっかり5分間描く。
 
 何かわかった感あり。多分合っていると思う。
 
 答えは当分教えてもらえないと思っていたら、師曰く、「さっきは彫刻の人がやるような捉え方をしていた。そういう捉え方もあるけど、動きを捉えてほしかった。」
 帰り際に答えのような一言が。これが答えかわからないけど、少しすっきり。そして超ぐったり。

 

詐欺電話に引っかからないおばさん達

2012-10-02 15:48:55 | ライフスタイル
 大学1年生になる娘がいる。ということは成人式は2年後の1月。
 なのに、1年近く前から成人式のDMが届くようになった。

 そもそもこのDM。ひとしきり予備校の案内が届き、受験が終わったと時を同じくして教習所の案内、そして卒業する頃には、「もし志望校に合格していたらごめんなさい」という前置きつきでまた予備校の案内。いつだって節目の先取りである。先の教習所案内の頃から届き始めた成人式のDM。これはその後も途切れることなく、今もどっさり届く。そのどれもがキャバ嬢風のどぎつい写真が並ぶものばかり。これ着るの?まじ?と最初は開けることなくゴミ箱へ。電話もひっきりなしにかかってくる。早くしないと、着付けの時間が予約できなくなりますよ、ととにかくあおる。そういえば前撮りするからって、夏に着物着てた卒業生がいた。その人達曰く、予約はそろそろ入れた方が良いとのこと。
 そもそも、成人式出るのか、出たとしても着物着るのか、本人の意志わからないから、これまでセールス電話には適当に答えておいた。もう買いました。もともと持っています。着物着ません。成人式出ません。そして最後には究極の、うちは男です!
 これらは全て無駄な抵抗だったようで、その後も電話、DMの勢いに変化はなかった。

 こんな状況に私が折れちゃったというのか、娘がのっかっちゃったというのか、先日さっと見て速攻で決めてきた。
 そして後日支払いしながら担当者と雑談。セールス電話しつこいんですよねと。
 すると「もう○○さんで決めました、とキッパリ言えばいいんですよ。」もちろん、これまでにも何度も言いましたよ。「それは本当らしさがなかったのですよ。我々は電話で、これは本当にもう決めたんだなと思うと、リストから消しますから。」

 電話で本当がわかるってすごい。?
 
 どう応対すれば本当が伝わるのか。次のセールス電話を心待ちにする今。

変わらないね、は褒め言葉である

2012-10-01 08:06:40 | ライフスタイル
 久しぶりの人たちと集う会、これが先週2回あった。
 だいだいこういう場で最初に交わされる言葉は「変わらないよねー。」
 若い頃はこう言われるのは厭だった。変わることが進化だったから。
 変わらないということは実は安心であり、安定であるということがわかる様になった今日この頃。

 1回目の集う会では、若い子はさておき,当時の保護者と二次会に繰り出した。あの頃よく家で夜遅くまで大騒ぎしたメンバー。「あの頃はよかったね」とお決まりの想い出話となる。今になって振り返るとあの頃は良かったと言えるけど,当時は全てがよかったわけではない。大変の方が先立っていたような気がする。だいたい,毎日が合宿のような生活の中で子育てし,バネやジュニアをやっていたわけだから楽だったわけはない。でもこれらが想い出に昇華すると,苦労もなにもかも美談となり,確かにその中にある美の本質もわかるのだから、心の底から「あの頃は良かったね」と言えるのである。
 そして2回目の集い。当時の女子高生はお母さんとなり,今子育てに奮闘中らしい。「あの頃は大変じゃなかったですか?」そう,大変だったよ。でもおもしろかった、今思えばね、と返す。何か気の利いた話しをしたいけど,騒音で大したこと言えず。子育てはほんの短い間のことだから、全力投球でいこうと話すのが精一杯だった。

 そして昨日。雨足が強くなる前に部員を駅まで送ろうと車で学校に向かう。そこへ先日の保護者二次会になぜか参加していた,若い方のOBに会う。「先日はご苦労様でした。あの後、大丈夫でしたか?」って、何が?何をこの子は心配しているんだろう。還暦を迎えようとしている元保護者の、振り付き「年下の男の子」フルコーラスで聞いちゃったから?次の日のど痛めて声だしにくくなったから?なんだかよくわからないけど、何を心配されているんだかよくわからないけど、それもいいね。
 

嵐の日のできごと

2012-10-01 07:26:22 | ライフスタイル
 台風が関東地方を直撃した昨晩。こんな日に無事家にたどり着いたのだろうか、と一人暮らしの娘に思いを馳せる。

 東京で一人暮らしを始めた1年目の秋、同じ様に台風が直撃した。悪天のなかかろうじて走る電車でようやく帰り着き、さて改札を出ようとしたら,定期がない。乗った時はあったのに,どこをさがしてもない。しばらくそこであたふたしたあげく、「じゃ,始発駅から払って」と事務的に言われ,学生にとっては「大金」となる運賃を支払いようやく改札を出ることができた。一人改札で取り残されたこと。本当はなくしたのではないだろう、といわんばかりの駅員の冷たい対応。一体どこでなくしたのだろうかという思い。全てにフタをするかの様に、一刻も早く改札を離れたい思いからジャンプ傘を開き歩き出したその瞬間。
 傘は強風にあおられた。歩き出したそこは嵐の中だった。手離すまいと握りしめた傘は一瞬にしてひっくり返り,ひん曲がる。体ごと持って行かれそうになり、あわてて改札向かいのビルにかけこんだ。一息ついてふと見回すと、そこには群衆が。嵐で立ち往生した乗客が改札回りで足止めされていたのだった。なんとその中に、まるで素人が飛び入り参加でステージにあがるように、一人傘をさして歩き出した状況であることがわかった。そういえば、嵐に吹き飛ばされそうになり,傘が手からもぎ取られる時、「あー,あの人」と叫んだ女子高生の声が耳に残っている。
 観衆の目。そして路上に散乱する我が傘の残骸。落ちた傘に雨が叩き付ける。もう一歩もそこから足を踏み出せなかった。次の電車が到着し、さらに観衆が増え、自分の前にもう一層の観客の輪ができ、それまで浴びせられていたスポットライトははずされ、ようやく観客の一人になることができたけど、こんな中傘を持たない人は,自分以外いない。
 そこでどれだけ立ち続けたことだろう。嵐が少し収まるとポツポツと人が帰り始めた。でも雨は相変わらず強い。もはや傘がない。この中をずぶぬれで帰るのはあまりにも惨めである。嵐の収まりを待ち動き出した群衆にまぎれ、もう一度改札前にたどり着き、そこから駅北口に向かう。こちら側にまわれば、もう先程の醜態を見ていた人の目から逃れることはできる。目の前で無惨な姿をさらしている自分の赤い傘から離れることができる。
 北口に回っても、外は相変わらずのどしゃぶり。傘はない。どうしたものかと思案していると,後ろから男の人が「だいじょうぶ?途中まで一緒に帰ろう」と言い、その人は肩を抱く様にしてグイグイと歩き出した。その人は誰が見たって,かなりのイケメン。その瞬間,回りの女子高生,おばさん達の羨望の目が注がれた様に感じた。定期をなくし、嵐に飛ばされそうになり、この世で立った一人だった自分が、ようやく何かに拾い上げられた瞬間。一つの傘に入り歩くその間、その人の質問に答える様にして会話する。その人は自分が勤めるという美容院の前まで来ると、「この傘、そのまま持って行っていいよ。返さなくていいよ。」そして店へと続く階段を駆け上って行った。
 傘は男物で,大きくしっかりした重たいものだった。その重みを感じながら、もう全身ずぶぬれになりながらようやくアパートにたどり着いたのだった。

 こんな目に遭っているんじゃなかろうか。
 「無事帰れた?」と電話すると、「うん」と一言。「じゃあね」「うん」