脳のミステリー

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ドーパミンDopamineの反乱

2008-08-17 20:42:54 | Weblog

ストロークを起こし、それが左脳内での被殻出血だったと知らされ、有無を言わせずに受容せざるを得ない右片麻痺の長逗留がこれほどまでに私を悩ますとは想像外の事である。
かつて国営放送の人間が故鶴見和子さんをインタビューしていた時、話が片麻痺を襲う痛みにふれたことがある。つい、そう、ついウッカリだと思うがインタビュアーが「解ります!」と言ってしまった。鶴見さんは間髪入れず「あなたに解る筈がない!」とどやした。ドギマギするインタビュアーを更に「何が解るの!」と叱りつけるように言ったが、その声が今の今でも私の脳裏を横切る。つい先日ある口腔歯科医が指の運動を通して「この運動は何を刺激するか知っていますか?」と実しやか質問していた。答えを待つこともせず「脳なんですよ!」と言う女医を私は忌々しく見詰めた。「解ったようなことを!」私の心の中では知らず知らずの内に自分は鶴見さんを演じていた。例え名医であっても滅多な事を口走るものではないと思った。後遺症を持つ人は体験という言葉の裏では医者以上に専門家なんだと私は心の中でうそぶいていた。女医の話は面白可笑しく続いたのである。
笑える話は結構あったが、私には後味の悪いひと時だった。

「よかった!」
私が一年余ぶりに痛み止めの薬を飲み始めて凡そ10日が経っていた。
私は自分の片麻痺痛には薬に頼らず、出来るだけ痛みに耐える努力をこれまでしてきている。
苦い経験があるから・・・ 普通の痛み止めの薬は無効で、抗うつ薬、抗けいれん薬などの中に有効なものがあり、試行錯誤的に色々使ってみようということになり、大抵の場合、半分くらいの程度にまで改善出来るという希望的観測から暫く服用してみた。
三環系抗うつ剤といわれるトリプタノールを私は一日一回一粒飲んだ。綺麗なブルーの錠剤は脳に直接働いて感情の調節と高揚作用を示し、さらに自律神経を安定させる作用もある、と説明書にあったと記憶している。これらの作用により理由のないゆううつ感におそわれたり、気分が沈んだりするうつ病の症状を改善し、精神活動を活発にするということだった。ところが活発化が激しすぎて、私は妙に怒りっぽくなる自分に嫌気を感じる毎日が耐えられなくなった。こんなことなら、痛い方がズッとましだと思う私は自発的に薬の服用を止めた。トリプタノールという鮮やかに綺麗な錠剤は全く私には合わなかった訳だ。
薬を返上して1年余りが経った。
今回、久しぶりに会ったあの時の女医さんはつい「元気だった?」と口走っていた! この一年の状態を色々報告して「先生、さすがの私も耐えられない痛みを感じるようになってしまったみたい!」と私はすぐに本題に入った。
結局 女医さんはリボトリールという薬を使用してみようと言った。
rivotrilというこの薬は元来、神経を鎮める作用があることから、レストレスレッグ症候群やパニック障害などの神経症によく使われる。簡単に言えば、てんかん等の治療薬と言ってしまえば「ああ!」と納得してしまいがちだが、自分が癲癇持ちでない限りそう簡単には理解できない筈だ。むずむず脚症候群などというのもある。「モヤモヤ病」なる病名を耳にした時も「変な病名!」と思ったが、これは本来は「ウィリス動脈輪閉塞症」と正式名でよんでいたが最近になって「脳血管を造影した際に脳血管がもやもやしたように見えたのでもやもや病」と命名した。では「むずむず脚症候群」は、という事になるが、これは身体末端の不快感や痛みによって特徴づけられた慢性的な病態だが、英語のRestless legs syndromeを見るとlegs とあるが「休みなく襲ってくる末端の痛みを伴う不快感」とは私の場合は脚でなく目から上の右半分の額なのだが、まさに私の悩みを代弁してくれる。
つまり、ドーパミンDopamineという中枢神経系に存在する神経伝達物質が反乱を起こしているという訳で、リボトリールはドーパミンを抑制してくれるという訳だ。
厄介な事に、急に眠くなったり、注意力がなくなったりするので、かなり要注意をという事である。脳神経内科の女医さんは一週間後に別の女医さんに会いにいくように紹介してくれた。こちらの医師は「ペインクリニック」として面会してくれた。一週間飲用しての効果を話すと「眠気がすぐにくるのは非常に効果が早く出過ぎるかもしれないから、当初一日2錠となっているが、1錠にして、しかも就寝直前にしてみましょう」とアドバイスをくれた。
酒類と一緒に飲むと作用が強く出過ぎる事があると、注意されたが、まあ、最近は全くアルコールは飲んでいないから問題にする事はないが、好きで止められないコーヒーはリボトリールを服用する1時間前は自粛しようと思っている。
時に 誘惑に負けて寝しなのコーヒーを飲んでしまい、翌朝目が覚めたら7時近い事があった。
「ゴメンね! テト!」いつも遅くとも6時には散歩しているのに・・・
姉が「電話をかけても出ないから・・・」と枕元にテトと立っていた時はビックリした!

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1 コメント

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Unknown (ココ侭)
2008-08-18 08:54:37
久しぶりに書き込みさせていただきました。
クーさんのブログは専門的なことがらが多くてとっても難読です。
それでも勉強になります。

電話に出ないクーさんを心配して駆けつけてくれるお姉さまをお持ちのクーさん・・・
クーさんは、優しいお姉さまとかわいいテトちゃんに囲まれてお幸せな方だな!って思いました。
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