脳のミステリー

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高齢者・老齢者と障害者

2011-10-31 16:46:12 | Weblog
漱石の吾輩は猫であるの第七章冒頭にこのような一節があります。
「当年とって一歳」と「一歳何ヵ月」が同じ猫の年歯を云っていることにご注目。
前者が満年齢で後者が数え年ですな。
【もっとも吾輩は去年生れたばかりで、当年とって一歳だから人間がこんな病気に罹り出した当時の有様は記憶に存しておらん、のみならずその砌(みぎ)りは浮世の風中にふわついておらなかったに相違ないが、猫の一年は人間の十年に懸け合うと云ってもよろしい。
吾等の寿命は人間より二倍も三倍も短いに係らず、その短日月の間に猫一疋の発達は十分仕(つかまつ)るところをもって推論すると、人間の年月と猫の星霜(せいそう)を同じ割合に打算するのははなはだしき誤謬(ごびゅう)である。
第一、一歳何ヵ月に足らぬ吾輩がこのくらいの見識を有しているのでも分るだろう。
主人の第三女などは数え年で三つだそうだが、智識の発達から云うと、いやはや鈍いものだ。】

人間の私は当年とって66歳・・・
先日、1969年に推理作家に転向した森村誠一氏が語っていた。
高齢・老齢社会は幼稚園界に置きかえて考えると・・・60代は年少組、70代は年中組そして80代は年長組なんだそうだ。
実に、作家は面白く考える者である。

障害社会に産声をあげて10年目、笑ったり泣いたり怒ったり、感情に任せただけの毎日を返上して
年少組も慣れてきた私は最近「介護保険」に憤りを感じ始めている。
役所の人間に言わせると「障害者も出来るだけ介護保険の枠にはめて考える」というのである。
介護保険料は45歳になると収めなければならなくなるのは周知の上だが、私が哀しくも(!?)障害社会に身を置く事になった時から受給している障害年金・・・
今年に入ってから強制的に障害年金から2ヶ月分を差し引かれる事になったのである。
なりたくてなった障害者ではない。
高齢・老齢者は人間、長く生きていれば誰もがそのレッテルを貼られるのは仕方の無い事なのである。
でも・・・でも、障害者は違う。
トルストイの名言「すべての幸福な家庭は、よく似ているものだが、不幸な家庭は、それぞれに不幸である」を捩る訳ではないが
「健康者は、よく似ているものだが、障害者は、それぞれに不便である」
高齢・老齢者は障害者ではない・・・長生きをすれば、誰もが通る道で、チョッと不便になるのだが・・・障害者ではない。
障害者にとっては、誰もが通る道ではなく、幸か不幸か「不便な道」が無断・無許可で立ちはだかるのだから叶わない。

10年ほど前は障害手帳提示と介護保険使用とは全く別物だった。
YES/NOに関係なく、障害社会に身を置く事になった時、私は障害者という特別視を甚だ嫌ったものである。
先日、永六輔さんが「もっともです!」と同感の言葉を代弁してくれていた。
曰く、久しぶりにあまり好きではないTVに出演したら、街であちこちから「TVに出れるようになって良かったですね~ 頑張って下さい!」という言葉が飛んで来たと言っていた。
永さんはこのエールを「招かれざる客」とさえ思っているようだった。
永さんはこうも言っていた。
「僕は右側を映して貰いたくないんだよね。小刻みに震え続けているから」
長嶋茂雄氏は絶えず片方の手をポケットに突っこんでいる。
同じ心境なのかもしれない。
私もそうだ。
見知らぬ老人が「お偉いですね~ 頑張っていらっしゃるんですね」と通りすがりに言うとチョッと会釈をした風にしては・・・フルスピードで電動車椅子で突っ走ってしまう。
勿論、私の勝ち
そして、私はそんな人に言いたい事がある。
「あなたは私が手も足も出せぬような障害者で大きな本格的電動車椅子を駆使して走っていたら、同じような言葉を掛ける事が出来ますか?」
恐らくそんなお節介な言葉はむやみに口に出さないと思う。
簡単に何もしてあげられない筈だから・・・

あれあれ・・・今日もまた肝心な「介護保険」の話にまで行かなかった
ゴメンなさい

またまた・・・こうご期待

障害者と高齢者の介護保険

2011-10-31 06:13:07 | Weblog
介護保険は「保険あって給付なし」という批判があります。
財政難のなか、介護保険のあり方が問われているのは周知の事です。

2012年度から実施を目指す介護保険改革で、保険料など利用者の負担増とサービス(給付)の削減が検討されています。
財政難のなか、安心して介護を受けられるのでしょうか
受け入れられないでしょう
これが私の予想です

障害者でいながら、高齢者の仲間入りをした私は自分を中心に当人の視点に立って、また、第三者の立場に立って、様々な事を感じている毎日を綴ってみたいと思います。

乞うご期待を


加齢って?

2011-10-25 05:47:50 | Weblog
加齢という言葉を他人から使われると・・・
がっかりしたり、むかついたり、哀しくなったり・・・

高齢者の仲間入りをした私に使われるようになったのは確か還暦を迎えた頃からです

加齢・・・このショッキングな言葉を一番早く「御使い」なったのは主治医です
そう、彼は私の生年月日をカルテの上で知ってますからね~
でも、でも彼は先日、私と完全に向き合って「若いですね~ 私自身も加齢を感じるようになりましたよ」とつくづくといった風に言葉を続けたのです
「あなたは精神的にも身体的にも結構、若い方じゃないですか? これから気をつける事は・・・強いて言えばコレストレールという言葉を寄せ付けないって事かな?」
わ~い、やったあ~

加齢・・・華麗・・・佳麗・・・
還暦を迎えたあなたは敢てどの漢字を使って貰いたいですか


佳麗・・・とんでもない・・・生れつき使う事のない漢字でしょう
でも華麗なら・・・
おこがましいでしょうかねえ~~~

加齢という言葉を寄せつけず・・・華麗に生きていきたいですね~~~