撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

バラトン湖周辺の教会をスケッチ(6)

2020-05-23 21:53:19 | 海外生活

 16世紀にオスマントルコ軍はバラトン湖を渡り、北上しブダペスト、ウィーンへと

攻め込んだということは述べて来たが、距離的に最も狭い、フォニョード (Fonyód) ~

バダチョニ (Badacsony) を船で渡ったと云われている。

その結果、バラトン湖北岸の峠を越える街道沿い(バラトン・フェルヴィデーク Felvidék

と呼ばれている)には数多くの城・教会が廃墟になり遺跡として残されている。

 

<モノスロー (Monoszló) の教会スケッチ>

  

 

1.ドゥルギチェ盆地 (Dörgicsei -medence) の教会たち

  この村には三つの教会遺跡が存在する。 いずれもオスマントルコ軍の襲撃で破壊

 され、そのまま廃墟になっている。

                                May 14 2020

  左側の山沿いの中腹に見える建造物は通称、聖母マリア教会と呼ばれている遺跡、

 右側の麓にある二つの教会は現役の教会で古いものではない。

 

<ロケーション>

 

 観光案内板 .... 中に描かれている教会の絵は当時の姿を推定している。

 

 1-1.  下ドゥルギチェ教会 (Alsódörgicse temp.) =聖母マリア教会

                               May. 14 2020

 1260年頃にロマネスク様式で建立、塔の高さは 22 m 、

 バラトン湖が見渡せる絶景スポット。

 

 1-2.  上ドゥルギチェ教会 (Felsődörgicse temp.) =聖ピータ教会

                             May 14 2020

 11~12世紀にロマネスク様式で建立、この地区で最も古い教会。

  隣なりには現役の新しい教会。

 

 1-3.  小ドゥルギチェ教会 (Kisdörgicse temp.) =聖ミハエル教会

                              Jul. 08 2007

 13世紀初期にロマネスク様式で建立。

 

 1-4.  古代ローマ時代からの石橋 

                                                                                                                       Jul. 08 2007

 

2.カーリ盆地 (Káli-medence) の教会

 2-1.  モノスローの教会 (Monoszló temp.)

  教会のオリジナルは13世紀にロマネスク様式、塔は14世紀に追加建造された。

 現在の姿は、1829年に改革派(カルヴィン派)の教会として後期バロック様式で

 再建されたものである。 

 古くからの教会で、再建はあったものの現役として残っている教会はここだけである。

                                          May 14 2020

 

 ゴシック様式を模擬した南門は、1978年に増築されたもので古くはない。

 

 内部は19世紀に改築された。                                                                 May. 24 2008

 

 2-3.  トットゥシ カーリ教会 (Töttöskáli temp.) 遺跡

                                 May 24 2008

  12~13世紀に建立されたらしい。

  遺跡の壁の間から見えるのは現役のGyümölcsoltó 村の聖母マリア教会

 

 2-3.  リーヴフループ 教会 (Révfölöp temp.) 遺跡

  教会は13世紀に建立。 ここの港のフェリー運航は1211年から始まり、交易で

 栄えていたが、オスマン帝国軍の襲撃で住民が逃げ出し、村は廃れてしまった。

 オスマン帝国の撤退後、1648年頃より住民が戻って来たが教会は再建されることは

 なかった。

   フェリー乗り場                      Sep. 25 2013

 

   これにて「バラトン湖周辺の教会をスケッチ(6)」は、お終いです。

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