今回目指した古城は私にとって、バラトン湖周辺で兼ねてから行ってみたい、最後に残されていた
古城であった。 当然、気張って行くような名のある城でもなく、こんな所にも「いにしえの城」が
といった程度の、周りからも忘れ去られているような代物である。
これまで城への登り口が見つからず引き返しおり、結局、今回が3回目の挑戦であった。
「麓から見えない遺跡なんだから、標識を判り易くしてくれ!」などと腹を立て、道に迷って1時間
もロスをした時には3回目の断念を考えたが、城から見た景色で暑さと疲れも吹き飛んだ。
背の高い糸杉の並木が街道沿いに続いているのが気に入っていた自慢の景色。
反対側、バラトン湖を背にしてみると、
<ロケーション>
ザドル城跡 (Zádorvár rom)
城はザドル山 (Zádor-hegy) の頂上(海抜363m)に麓の村の領主ヴェゼニィ (Vezsenyi) 家に
よって1386年に要塞として建てられた。戦略的要所ではなかった為か、ここには数年しか住んで
なく、近くのNagyvázsony の町中に新しい城、教会を造り移り住んだ。
よって城は住む主を失い、1652年より廃墟となり城としての役割も果たすことなく、歴史に刻ま
れることもなかった悲運の城であった。
現在、残っているのは石壁の一部だけである。 南方角から見た城跡で右端が礼拝堂
<当時の城の推定イラスト図>
中庭から見た城の内部
2017年の8月より発掘調査が開始され、考古学者とその卵たちはテントで寝泊まりのご様子。
この暑さの中をご苦労様! 新しい歴史の事実を期待しています。
礼拝堂の内部
礼拝堂の外壁
城には三つのルートがあり、どちらも麓から1時間もあれば十分な距離。
ペーチェリ (Pécsely) の村外れから入っていくのが、道幅も広く、緩やかで車高の高い
クルマならば登頂も可能だろう。 途中出会ったのは写真(上)のひと家族だけであった。
途中の小川のせせらぎと、その水が冷たく美味しかったこと!
山頂の城への入り口は2つ有り。
こちらは道が狭く急こう配。 木の幹に白色で記されたLという記号に沿って進む。
<心を癒す風景>
収穫間近の山頂付近の葡萄畑
眼前に広がるバラトン湖
正面の山はケレストファー (Keresztfá-tetö 349m) 山。
これにて「バラトンそぞろ歩き 古城(7)ザドル城」はお終いです。
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