撮り旅・ヨーロッパ

ハンガリーを拠点にカメラ片手に古い教会を主に写真撮影の旅を楽しみ、そこで拾った生活、文化情報を紹介します。

メキシコ「銀の道」の教会巡り

2017-02-28 21:32:27 | 海外生活

 前号で紹介してきたSPL(サン・ルイス・ポトシ)市より、200kmほど南に下った

メキシコシティまでの中間距離に位置する、通称「銀の道」と呼ばれているエリアには鉱山

の繁栄によって数多くの教会が建てられた。 それらの代表的な街3か所にある教会を訪ねて

みることにする。 興味深いのは、この近隣に日本の自動車産業の企業進出が盛んで、メキシコ

の中でも最も観光人気を集めている地区の一つである。

 

ケレタロ (Queretaro) その1

 ケレタロ州の州都で人口80万人。 最も日本人には覚えやすい、親しみの持てる街の

名前である。フランシスコ会の布教活動の拠点であったことより、市内には数多くの教会

が点在している。 この歴史地区市街地の中心を走る Av. Corregidora を挟んで、西側は

スペイン人の入植者が多く住みつき、道路区画も碁盤の目のように整然としている。

一方、東側は先住民の居住区で細い路地が入り込んでおり、文化も貧富の差もあったのか

も知れない。

   <西側>        <東側> 

 

1.カテドラル (Catedral  Map.# ①)

  ローマ教皇クレメント12世の命により、1760年にサン・フェイペ・デ・ネリ

 の礼拝堂として建てられ、後に教会区の教会として1786年に再建が着手され、

 1805年に完成した。

 ローマカトリック教会としての司教坐の置かれる聖堂(カテドラル)として使われた

 のは1931年からである。

   

                                   正門

  

               側門

  

         内部祭壇は至ってシンプル

 

 2.サンタ・クララ修道院・教会 (Santa Clara  Map # ④)

  教会は1633年に建立。 スタイルは後期ルネサンス様式で、特徴としてはコリント様式の柱

  を持った三層の細長い塔と祭壇側の屋根には、白と青のタイル貼りのドームを配している。

          手前のネプチューン(Neptune)の噴水と教会の全景

 教会の入口

            三層の尖塔

      ゲレロ公園(Jardin Guerrero)側から見た祭壇部天井ドーム 

 

 写真は観光誌VIAJEMOS TODOSより引用

 祭壇部はバロック様式の最も豪華に飾り付けた年代(1770~1780年)の物。

 

3.サン・ドミンゴ教会 (San Domingo  Map # ⑦)

  1691年に貧しい人達の養護施設・孤児院そして病院として建てられたのが始まりで、

  1740年に礼拝堂を建て増し、教会として再建した。

 

 

4.サンタ・ロサ・デ・ビテルボ教会 (Santa Rosa de Viterbo Map # ⑧)

    1752年に建立。 教会建築デザインは、先住民とスペイン人との協議による合作と

 言われているので、所々に先住民ぽい要素が盛り込まれている。 

 

    

この形状はルッター派教会の尖塔に似ている。                    

    

  柱と柱の間をアンモナイトのような形状で繋いでいる建築デザインが個性的で、その側面に

    顔面のレリーフが彫られている。東欧には敵の侵略を防ぐために、外壁に顔面レリーフを飾った

  教会があるが目的は同じかは不明。

  後で判ったことであるが、この街の北側にあるサンティアゴ主教区教会(Map にはなし、#⑩の筋向い)

  が同じようなデザインを使っていた。 年代から主教区教会からの影響を受けたのかも知れない。

  

 内部は金や大理石をふんだんに使った豪華絢爛なバロック建築の粋を集めた祭壇である。

 因みに、柱の頂部にあしらった植物模様はアカンサスの葉で、コリント様式と言うらしい。

  

  

                    説教台も他の教会とは異にした表面模様である。

 

5.聖アウグスティン教会 (St. Augustine Map # ⑩)

  現在はケレタロの美術博物館として使われている。


 

    これにて、ケレタロ (Queretaro)教会その1はお終いです。 次回はその2を継続します。

 

 「バラトン遍路の旅」