男孫の二人が今、春休みを利用してLCC(格安航空)で海外旅行を楽しんでいる。上の孫は大学を卒業、4月から就職する最後の休みで欧州へ。下の孫は友人たちとバリ島でマリンスポーツをエンジョイしている。二人ともアルバイトで貯めたカネで出かけているようだが、60数年前、僕が同じ大学生だった時代には考えも及ばなかったことだ。
アルバイトは、ドイツ語の「arbeit」(労働)から来ている言葉で、戦前から一部の大学生の間で隠語として使われていたようだが、一般に使用されるようになったのは戦後すぐの時代だ。僕も大学(予科)に入った昭和23年の夏休み、初めてアルバイトをした。当時、多摩川べりにあった玉川プールで、お客の脱いだ衣類をザルに入れて預かる仕事であった。考えると、この時代にはまだ、ロッカーなんかなかったのだ。
戦後すぐのこの時代は貧しかった。学生のアルバイト先も簡単にはなく、友人たちの中には売血して生活していた者もいた。食料難の時代で、地方から来ている学友の中には、週末故郷に帰り、お米や野菜を仕入れて“ヤミ屋”まがいのアルバイトをしていた。それに比べれば、今の学生たちは恵まれている。上の孫は、自分が世話になった進学塾の講師をし、下の孫は近所のスーパーで働いて旅行費を捻出したようだ。僕らの時代のアルバイトは、生活がかかっていて”悲壮感”があったが、今はそんなことはない。好い時代だ。
ただ心配なのは、欧州へ行く上の孫が利用したLCCが中東の航空会社の事だ。「イスラム国」(IS)に近い国経由で行くのである。冗談ながら、親たちは”国に迷惑をかけることはするな”と、きつく申し付けている。
アルバイトは、ドイツ語の「arbeit」(労働)から来ている言葉で、戦前から一部の大学生の間で隠語として使われていたようだが、一般に使用されるようになったのは戦後すぐの時代だ。僕も大学(予科)に入った昭和23年の夏休み、初めてアルバイトをした。当時、多摩川べりにあった玉川プールで、お客の脱いだ衣類をザルに入れて預かる仕事であった。考えると、この時代にはまだ、ロッカーなんかなかったのだ。
戦後すぐのこの時代は貧しかった。学生のアルバイト先も簡単にはなく、友人たちの中には売血して生活していた者もいた。食料難の時代で、地方から来ている学友の中には、週末故郷に帰り、お米や野菜を仕入れて“ヤミ屋”まがいのアルバイトをしていた。それに比べれば、今の学生たちは恵まれている。上の孫は、自分が世話になった進学塾の講師をし、下の孫は近所のスーパーで働いて旅行費を捻出したようだ。僕らの時代のアルバイトは、生活がかかっていて”悲壮感”があったが、今はそんなことはない。好い時代だ。
ただ心配なのは、欧州へ行く上の孫が利用したLCCが中東の航空会社の事だ。「イスラム国」(IS)に近い国経由で行くのである。冗談ながら、親たちは”国に迷惑をかけることはするな”と、きつく申し付けている。
私の子供の頃は、「兼高かおる世界の旅」が人気番組でした。あの頃は、飛行機で世界を旅するのはビジネスかブルジョアかという感じでしたが、今はいく場所によっては国内旅行より安い時代になりました。
自由に誰もが世界中に行けるようになりましたが、危険な目にもあう確率も高くなりましたから、十分に注意も必要ですね。
湾岸系の航空会社が三社も日本に乗り入れているそうです。激戦のため格安で欧州へ行けるみたいです。62年前初めて僕がロンドンへ出かけた時は、ジェット時代でしたが羽田から香港、バンコク、ボンベイ、アスラマ、ドーハ、カイロ、ローマ、ジュネーブと、給油で、確か40時間以上かかりましたが、今はドーハまで直航のようです。便利になりましたね。「イスラム国」の騒ぎの最中です。普通はアラブの航空機は敬遠しますね。
みな、先人のつくりあげてきた苦労の上に成り立っているものであり、本当にありがたいことだと思います。
観光目的でも”百聞は一見にしかず”だと思います。しかし、出来れば目的を持って出かけたほうが有意義ですね。若い時代の特権です。
※1860年、勝海舟や福沢諭吉らは3本マストの石炭式蒸気船で太平洋を渡り、38日でサンフランシスコに入港した。
※敗戦後に、貨物船にのせてもらい、初めて横浜からサンフランシスコまで、約2週間ほどで、渡米したことが、まるで昨日のように感じます。数年後、帰国した際も、プロペラ機しかなく、太平洋路線は、サンフランシスコから、ハワイ島、ウエーキ島を経由して、羽田に着きましたが、数十時間かかったと思います。
江戸幕府から明治政府に替わっても、国家の基軸の構想は、茫漠としており、岩倉具視使節団の1年以上にわたる見聞によって、具体的に構築、ようやく実現にこぎつけました。
若者が、このように、自ら見聞できるのは、素晴らしい時代になったと思います。
確かにご説の通り、半世紀少し前までは”あこがれのハワイ航路”でした。僕らの世代では留学というと、秀才だけがフルブライト奨学金で行ける時代でした。今の学生たちの間では、あまりフルブライト制度は、どうなのでしょうか。僕の孫に限っていえば、LCCで行くのは東南アジア、インド亜大陸の国々、トルコ、スペイン、ポルトガルで、米国や中国、ロシアなどの大国にはあまり興味を示しません。
4月からは就職なので旅を楽しむ最後のチャンス。モロッコにも行きたいといっていましたが、親が許可しなかったようです。チュニジアの事件を見て、やはり中東の国々は観光にはむいていませんね。