「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

新制高校第一回卒業から70年 アプレの時代

2019-03-16 04:32:59 | 2012・1・1

156年の歴史を誇る、母校、私立攻玉社中学(東京)のホームカミング.デイに招かれ1年ぶりで訪れた。今年は僕ら昭和18年に入学、戦争を挟み、学制改革で新制高校に移行した者にとっては、70年、節目の卒業の年である。僕は23年3月、旧制中学で卒業しているが、新制高校に進学した仲間には記念すべき第一回の卒業生である。

戦後というと、一般には敗戦の日から昭和31年の経済白書”もはや戦後ではない”の10年を指すようだが,今は死語に近いアプレ(フランス語のapres-guere戦後)というと、もっと限定されて昭和24年頃までをいうのではないだろうか。学制改革のとばっちりを受けて、僕は中学(旧制)の卒業式をしていない。世相も毎日の食べるのが一杯の時代であった。

亡父が自分史の一環として戦後の世相を書いているが、昭和23年の末ごろから、「戦後」に多少明るさの兆しを見え始めてきている。コメの配給が一人当たり一日二合七勺になり、まだ”銀米”だけの食事はできなかったが,餓死感からは遠ざかった。衣食住ともまだ統制下にあり配給制も残っていたが、天井知らずのインフレも収まり、カネを出せばものを買える時代になってきた。

僕は旧制大学予科から新制大学に四月から横滑りしたが、両親にせびって「角帽」を買って貰っている。旧制大学時代は学部と専門部の学生だけが「角帽」がかぶれ、旧制高校は白線、大学予科はジャバラのまいた学帽であった。まだ、一度は「角帽」をかぶりたい気持ちがあったのだ。学校食堂でも外食券なしでうどんやそばが食べられるようになったのは、この頃からだ。70年の歳月を感じる。


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