「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

新聞は読者に”寄り添って”いるか 新聞週間

2018-10-16 05:28:17 | 2012・1・1
第71回新聞週間の最中である。今年の開催にあたっての入選標語は”真実と人に寄り添う記事がある”だが、新聞界OBの僕には最近の新聞は読者との距離が遠くなり、果たして読者に寄り添っているかどうか疑問に思うことがある。読者の新聞離れがいわれて久しいが、これが原因の一つではないだろうか。

ラジオ、テレビ、ネット時代に入り、ニュースの速報性の面では新聞は勝てない。その意味で新聞が編集に苦労しているのはわかるが、一読者の目から見ると、読者との距離が離れつつある。専門家や自社の人気記者の署名入りの記事が多すぎる。昔からの読者投書欄もあるが、1ページに過ぎない。ネット時代でブログだけで一日200万が飛び交う時代である。

記者の取材方法の変化も読者離れの原因かもしれない。購読の産経新聞の東京版に記者の取材の裏話や感想を紹介する連載記事「東京五輪〇〇〇日」の中で、警視庁担当通算10年7か月だった荒井啓介記者が”変わる警察と記者”という記事を書いているが、僕が興味深かったのは、最近はツイッターで事件事故を知り取材しているという記事だ。

半世紀以上も前、駆け出しの社会部記者で、僕も警視庁詰めの記者だっ時代、荒井記者と同様、”事件の端緒をつかむため鑑識の車が出動しているかどうか確認した”ものだった。刑事さんの家まで“夜うち朝がけ“し、大きな火事は現場まで駆けつけ取材した。ツイッターでの取材など思いもしなかった。それだけ、取材も”近所の人”の談話まで入り人と人のつながりを感じた。昔は近所の小さな交通事故でも記事に載ったが、最近はない。ネットではできない報道の仕方もあるような感じがするのだが。

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2 コメント

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終わり (chobimame)
2018-10-17 09:20:20
新聞は、もう読む価値を見出せない感じです。
思想にまみれた偏り報道、信憑性の欠ける記事。
記者に心はないのか?と思うような取材。
事件を知りたいならネットの三行くらいで読める見出しのような記事で十分かもと思ってしまいます。
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自分よガりな記事 (kakek)
2018-10-17 14:37:24
chobimame 様
OBの一人として、最近の紙面には自分よがりの記事が多すぎます。
読者の中には俳句や和歌の投稿と同じように、自分の原稿の活字化に喜びを持っている人もいます。投書欄のような交流の欄を工夫したらと個人的には思います。それと過去の事件や事故の蒸し返しが多いですね。
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