「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          ウサギが月にいた時代

2008-09-14 05:28:05 | Weblog
今日は十五夜である。天気はどうだろうか?遠い記憶の中に”お月見"の想い出
がある。広い縁側に三方(さんぼう)を置き、その上に里芋や白いお団子を載せ、
近くで刈って来たススキを飾った。まだ戦争が激しくなる前、昭和10年初めの頃だ。
子供たちが”ウサギ、ウサギ何見てはねる。十五夜お月さま、見てはねる”と月に
見えるウサギの餅つき模様に夢を持っていた時代だ。

僕の住む東京では、もう十五夜の催しをする家庭はほとんど見られなくなった。昔
は近所で簡単にススキが手に入ったが、今はその原っぱがない。毎朝行くラジオ
体操の会場にはススキの親分みたいなバンバン・グラスがあるが、これでは月見
の宴にはふさわしくない。アポロ計画で人類が月に足を踏み入れて以来、月への
夢が失われ、行事もいま一つ盛り上がらなくなってきた。

▽月みればちじに物こそあわれなり、わが身ひとつの秋にはあらねどー人々の月
に抱いていた夢は薄れたが、やはり秋はものの哀れを感じさせる。遣唐使、阿倍
仲麻呂が異国で詠んだ▽天の原ふりさけみれば春日なる、三笠の山にいでし月か 
もーの心情は今も同じだ。北朝鮮では十五夜は秋夕(チュソク)といい、国祭日だそ
うだが、拉致被害者もこの同じ十五夜をみていると思うと心が痛む。

消息不明の金正日主席は、この月を見れる状態にあるのだろうかー。見れて心が
あるのならば、拉致被害者をすぐに日本に返して貰いたい。

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