「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

血染め跡と銃創穴の軍服が売られている

2014-01-12 10:24:34 | Weblog
昨夕TBSテレビの「報道特集」で”戦争の記憶 軍装品が次々と売りに”という番組をみた。軍装品とは旧日本軍の軍服、巻脚絆、飯盒などの装備品から勲章、兵器類までを指し、これらが今世界的にブームになっているのだという。番組では日本でただ一軒、これらの軍装品を扱っている東京.神田の店を紹介していた。

店内には所狭しとこれら軍装品が置かれおり、旧陸軍大将の制服が380万円で売られていた。旧陸軍の大将は西郷隆盛から沖縄戦で自決した牛島満将軍まで134人いたが、おそらくその遺族の人が売りに出されたのだろう。痛ましいのは皮トランクに入った軍人の遺品で、中には血染めと貫通銃創跡が残っている軍服やお位牌まで入っている。戦後シンガポールBC級裁判で刑死された元憲兵の遺品まであった。

店主の話では戦後70年近く、世代交代で従軍世代の子供の世代から孫の世代に移りつつあり、戦争が風化してきたのが、この軍装品ブームの原因であろうという。それに住宅構造の変化で先祖代々の品を収蔵するスペースがなくなってきた。シンガポールの憲兵遺族の場合は、戦後生まれで大叔父とは会ったこともないし、遺書のあることさえ知らなかった。

靖国神社の境内には祭神(英霊)ゆかりの資料を集めた遊就館(宝物館)ある。本来ならば、こういった軍装品は遊就館に所蔵されるべきである。同じような施設が新宿の住友ビル48階の平和記念展示資料館にもある。血染めの銃創跡の残る軍服が商品として売られているのは痛ましすぎる。戦争の風化と共に、こういった戦争の遺品が散逸してゆく。なんとかならないのだろうか。

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