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「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          チョコレートと兵隊

2009-02-14 06:45:38 | Weblog
昭和14年(1939年)に「チョコレートと兵隊」というレコードがテイチクとコロ
ムビア二社から発売されている。その一つテイチクの歌詞(作詞内田ゆた
か)の一節にこういうのがある。
         ♪ 敵弾飛雨の戦線に 名誉の戦死とげた日よ
           御霊の前に供えれば 灯火悲しチョコレート
           今は涙のチョコレート
70年前のチョコレートにからむ悲しい歌である。

今日はバレーンタインデイだ。女性から男性にチョコレートがプレゼントされ
る日。最近はその逆もあるという。女性の中には"義理チョコ”まで含めて1
万円も消費するとか。残念ながら僕には老妻からもこない。血糖値が高い
僕にはその方がよい。それに僕らの世代にはチョコレートについての甘い
想い出などない。

「チョコレートと兵隊」が流行していた頃は、まだ町でチョコが買えた。この歌
は、戦地へ送られてきた「慰問袋」の中にあったチョコレートの包装紙を兵隊
が集め、これを内地の自分の子供に送り返し、子供がこれで製菓会社に応
募してチョコ一枚をゲットした。ところが、その当日、兵隊の戦死の公報も届
いた、という実話によるものだ。

バレンタインデーを祝える今の世は本当に幸せだ。「チョコレートと兵隊の」の
時代、僕ら銃後の小国民は、チョコを包んだ銀紙を集めてボール状にして陸
軍省に届けた。あんな銀紙が戦闘機を造るのに役だったのかどうかー。それ
から数年後、戦争の激化でもはやチョコレートどころではなくなった。
 


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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悲しすぎる (chobimame)
2009-02-14 10:02:36
なんと悲しい歌でしょう。その時代からみたら、今はどれほど幸せなことか。
チョコレートは戦後アメリカから持ち込まれた物かと思っていました。
母の話などに進駐軍がジープに乗ってチョコレートやガムを撒く話は聞いた事があります。母は親から進駐軍のチョコレートには毒が入っているから拾うなと言われていたそうです。

今年は不景気なのでチョコレートも売れないと思っていましたが、売れ行きは好調らしいです。
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戦前のチョコ (kakek)
2009-02-14 11:49:33
chobimame さん
森永と明治の板チョコが主流でしたが、デパートの食品売り場には動物の形をしたチョコも売っていましたが、買ってもらえませんでした。高かったのでしょうね。今は被災緊急品になっているらしいチューブ入りのチョコも一般に売っていました。
僕も家から民芸品(安物)を持ち出し、横浜の大桟橋へガム、チョコとの交換に行った記憶があります。MPに追いかけられたりして!




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