「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

僕姉ちゃんの78回祥月命日

2022-05-02 10:55:06 | 2012・1・1
昭和19年5月2日、老生の一人きりの姉弟が21歳の若さでこの世を去っている。今日はその78歳の祥月命日である。普段は仏壇の前など座ったことなどなどない老生だが、「心月院清誉妙澄大姉」戒名の姉に頭を下げお祈りした。

姉は大正12年1月生まれ,老生と9歳違いだが、昭和19年1月、21歳のとき、肺結核と診断され,そのまま、5か月病床につき不帰の客となった。肺結核は当時国民病と言われ、ワクチンも特効薬も世界的に開発途上で、わが国で入手できるようになったのは戦後のことだ。
戦争の激化とともに、男性は戦線に駆り出され働ける女性まで総動員された。姉も女学校を卒業すると保険会社に就職したが、人出不足からオーバーワークの日の連続、風邪をこじらせてしまったのだのだろう。

家の周囲には親族が多く、大勢の従姉妹がいたため、老生は姉を区別して”僕姉ちゃん“と呼んでいた。戦争とはいえ、21歳は花のさかり、”僕姉ちゃん”の死はあまりにも早すぎた。