状況が対処を求めるとき、法がそれを妨げることがあります。
法が妨げないことがらは、対処というほどのこともなく、当たり前に自然に片付きます。
人々がそれぞれの生活を安心して続けられるための法が、当たり前の行いの邪魔になるというのはおかしな話です。
法治国家という呼ばれる国は、その呼び名からはしっかりしているように聞こえますが、呼び名だけでは実態はわかりません。
その国の政治が、法にすがるしか方法を持たない場合も、法治国家と呼ばれるでしょう。
そこでは、法にすがりながら何をするかではなく、何もしないで問題を放置し、その責任を法の存在に転嫁しているのです。
その国の政治、行政の仕事をする人は、今持っている法を盾にとって、手を出さずに体面を保つことをまず考えます。
国外に出て仕事をする人は、何か事が起きた時にも、自国の法のおかげで最善の方法を取ることが許されず、一歩手を引いた中途半端な対処しかできずに、かえって危険な状態にさらされなければならないという、苦労を重ね続けることになります。
さて、日本は何々国家に分類されるのでしょうか。