パソコンの使い方がよくわからずに、数表をWordで作って電卓で集計計算をしている人を、まだときどき見かけます。
コンピューターの計算が信用できることを証明しなければと、わざわざ手計算で検算をして、その経緯を設計検討書と名付けた紙の記録に残し、工事実施稟議書に添付するという、落語のネタになりそうなことをマジメにやっていたという話もあります。
コンピューターの計算を疑う人がいなくなると、計算がコンピューターで行われていれば、そのシステムが丸ごと信用できると思ってしまう誤信の落とし穴ができます。
コンピューターの動かし方も人が決めるもの、人の手が入れば間違いも起きるものという、ごく当たり前のことが忘れられたり、疑ってはならない領域のように思われたりでは、怪しさが巣食いやすくなります。
集計結果が、国の運命に大きく影響するようなだいじな選挙では、集計された数値だけに人々の意識が集中してしまうことは、あるところだけしかはっきり見えない度違いのコンタクトレンズに依存しているようなもので、はなはだ危険です。
そこにどう人の手が及んでいるのか、システム全体の監視点検審査をすることを忘れてしまってはならないでしょう。
違法かどうかだけを見ている選挙管理では、管理の仕事を半分しかしてないことになります。